KDDIホーム 法人のお客さま おすすめコラム 中小企業の62.7%が人材不足! その対応策は?

中小企業の62.7%が人材不足! その対応策は?

少子高齢化に伴う国内の労働人口の減少が、中小企業に暗い影を落としています。その要因として挙げられるのが、景気回復の追い風を受けながらも、「人材不足」のあおりを受け、売上の右肩上がりの伸びが困難な状況に置かれていること。これまでにも中小企業は人材不足に幾度も直面してきました。しかし、各種調査によると今回の深刻さは過去に類例を見ないほどです。人材にまつわる中小企業の現状と、問題の克服に向けて押さえておきたいポイントをご紹介します。

「人材不足」が中小企業でいよいよ深刻に

国内景気が回復局面に差し掛かる中、大企業に続いて中小企業の先行きにも明るさが見え始めました。東京商工会議所が国内の中小企業4,875社 (回答数850社) に対して2015年1月に行った「中小企業の経営課題に関するアンケート」の結果でも、すでに約4割が昨年と比べ、売上高が「増加」したと答えています。

ただし、売り上げのさらなる拡大に向け課題も残されています。中でも深刻さを増しているのが「人材不足」です。

実際に、同アンケート調査で人材の過不足状況についても尋ねたところ、「不足」との回答が62.7%を占め、「適正」の34.4%を大きく引き離しています。とりわけ「現場・作業スタッフ」(58.5%) と「営業スタッフ」(50.5%) など、稼ぎ頭となる人材で不足傾向が顕著です。背景には、いち早く大企業が採用活動を活発化させたことで、中小企業にまで新たな人材が回りにくくなっていることがあります (図1)。

現状を放置しては、新たに舞い込んだ仕事への対応が困難になることは明らかでしょう。アンケート調査でも、景気回復の恩恵を受けやすい、規模の大きな企業ほど人材の不足感を強めており、「51~100人」の企業では80.8%が「不足」と答えています。また、売り上げ拡大に向けた課題として「人材の不足」を挙げる企業も69.9%に達しています。

図1: 人員の過不足状況と不足している人員

対応策の上位は「中途採用」「人材育成」「業務効率化」

では、中小企業では人材不足にどう対応しようとしているのでしょうか。その点については、「中途採用の強化」が53.2%と最も多く、次いで「人材育成の強化」(38.0%)、「業務の効率化・省力化を図る」(27.4%) と続いています (図2)。

図2: 人員不足に対する対応策

中途採用の一番のメリットは、即戦力の人材を獲得できることでしょう。社会経験がすでにあるため、教育コストが抑えられ、また、自社にはない柔軟な発想や新たな考え方を取り込むことも可能です。業種別で見ると卸売業が中途採用に最も力を入れていますが、これも、小売りとメーカーの直取引などにより業界再編が進む中、生き残りのための知恵を社外から積極的に取り入れようとする表れといえます。一方で、建設業は人材育成の強化、卸売業や製造業は業務効率化・省力化に力を入れるようです。

規模別では、規模の大きい企業ほど中途採用の強化や人材育成の強化、業務効率化・省力化を挙げる割合が高く、人材難に苦慮していることが見て取れます。その一方で、5人以下の企業では、「人員不足の影響はあるものの、対応できていない」が46.3%と突出しており、人材問題の深刻さがうかがえます。

以下で、対応策の上位にある「中途採用の強化」「人材育成の強化」「業務の効率化・省力化を図る」について、具体的な対応のヒントをご紹介します。

クラウドソーシングなどの新たな人材確保の方法も

中途採用の方法で馴染み深いのが、ハローワークなどでの求人を通じた採用活動です。求職者の紹介に加え、求人申込書の上手な書き方や提示する労働条件など、採用に関する各種相談に無料で乗ってもらえることもハローワークのメリットです。しかし、せっかくの求人も求職者の目にとまらなければ意味がありません。そこで、広く人材を募集し、よりよい人材獲得につなげるためにも、有料の求人サイトなどの利用も検討すべきでしょう。

また業務内容が固定されているのなら、人材派遣も有力な選択肢です。直接雇用した従業員よりも支払う給与は高めですが、採用コストや教育費用がほとんどいらず、トータルでは人的コストの削減が見込めます。季節による業務量の変動に対応しやすいこともメリットです。

一方で、近年になり不特定多数の各業務のプロに、プロジェクト単位で仕事を委託する「クラウドソーシング」や、学生が一定期間、企業などで研修生として働く「インターンシップ」などの新たな人材の活用法が注目を集めています。とくに前者は、比較的安価に仕事が依頼できるため、業務内容によっては活用を考えてみるのもよいでしょう。

eラーニングで、時間と場所をとわない「人材育成」

低成長による育成機会の減少や、修得したスキルの早期陳腐化などを背景に、従来型のOJTや各種研修などによる人材育成が機能しにくくなりました。そうした中で、人材育成のために、既存の取り組みを補完する新たな仕組みの整備が急務となっています。

近年になり注目されているのがパソコンやモバイル端末、インターネットなどのIT技術を活用したeラーニングです。一口にeラーニングと言っても仕組みはさまざまで、費用も異なります。しかし、共通するのは、場所や時間を問わず学習できることです。

集合研修では、対象となる社員全員が同じ時間、同じ場所に集まる必要があり、そのことが業務の妨げとなったり、研修施設への移動や宿泊などのコストが必要となったりする要因でした。しかし、時間や場所の縛りがなくなることで、社員は空いた時間に学習を進めることができ、スキル向上やモチベーションアップにつなげることができます。

社員間の情報交流を促進し「業務効率」を底上げ

限られた人員でも、無駄な時間を減らし業務効率を高めることで、より生産性を高めることができます。コミュニケーションを円滑にし、社員同士の情報共有により組織として業務効率を向上させるうえで、多くの企業で利用されているのがグループウエアです。

グループウエアにはメールのほか掲示板やチャット、ビデオ会議など、社員間の連絡を支援する機能が豊富に用意されています。急ぎの問い合わせはチャットで、会議時間の通達などメンバー全員に連絡したいときは掲示板で、という具合の使い分けで、連絡の手間が確実に軽減され、会議時間の短縮や情報共有の円滑化、ひいては業務効率の底上げが期待されます。

ほとんどのグループウエアがスマートフォンに対応しているため、営業スタッフが外出先から場所を問わずにコミュニケーションできるようになることで、従来の働き方の見直しにも役立ちます。


今回のコラムでは、人材不足を解決するためのヒントをご紹介しました。これを機会に、自社にマッチした「中途採用」「人材育成」「業務効率化」を考えてみてはいかがでしょうか。