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本シリーズでは、中小企業のIT化が進む現状と、その一方で増え続ける業務データの紛失や流出が招くリスク、その対策について考えます。今回はまず、ITが中小企業にどのように普及し、どこに・どのようなリスクがあるのかを考えます。
企業にITが爆発的に普及し始めたのは1990年代終わりから2000年代初めにかけてのこと。どのような業務を中心にIT導入は進んできたのでしょうか。下グラフからは『財務・会計』『人事・給与管理』、次いで『販売』、『社内の情報共有』の順にIT導入率が高いことがわかります。企業の利益や人材に関する業務から普及してきたと言えそうです。
次にこの内容を個別に考えてみましょう。
『財務・会計』の分野では、早くから財務諸表を中心にデータ管理が進んでいました。できる限りリアルタイムに自社の利益を把握することで、企業運営の意思決定を迅速にするためと考えられます。特に大手企業では、投資家や株主向けのIR情報などを正確かつ的確に伝えることが求められ、監査上も、法令を遵守した会計基準を満たして情報を管理する仕組みが必要とされたため、データ管理が進んでいきました。このような大手企業での財務会計のノウハウが会計ツールとしてパッケージ化され、中小企業にも普及するようになっています。
『人事・給与管理』も同様のことが言えそうです。人事情報は紙からデータ化されたことで、社員の給与・福利厚生・経歴などをまとめて管理しやすくなり、勤怠管理、ワークフローなど多様な情報とも連携しやすくなりました。この人事・給与の分野でも、給与システムなどを中心に中小企業で導入が進んでいることでしょう。
また『販売』では、商品の受発注や売買契約、そして売上や在庫管理、納品などのデータ管理が進んでいます。
こうしてIT導入はまず、『財務・会計』や『人事・給与管理』という言わば企業経営の足場となる分野から始まり、次いで利益を生む活動を最大化するために『販売』へも拡大している流れが読み取れます。『守り』から『攻め』の順番でIT導入が進んでいると言えそうです。
次に利用形態別のIT導入状況を見てみましょう。
最も多いのが『電子メールの利用』で、中規模以上の企業のほとんどが利用していることがわかります。次いで『自社ホームページの開設』、『インターネットバンクの利用』という順に普及が進んでいます。こうした用途に応じた業務データもまた企業内で管理されているわけです。
このようにIT化が進むにつれ、多くのビジネス上の情報が『データ』として企業で管理されていることがお分かりいただけたかと思います。上記以外にも、昨今では写真や動画、音声などの情報も多く扱われています。ますます今後も、『データに頼った』ビジネスが加速していくことになりそうです。
――しかし『データに頼っている』という状態は、裏返して言うと『データを紛失するなどの事態に陥ると途端にビジネスが止まってしまいかねないリスクを孕んでいる』とも言えます。企業活動の停止は、自社の売上を損なうだけではなく、顧客満足度の低下や、信頼の失墜、企業イメージの低下などの悪影響を及ぼすことにもつながりかねません。
通常、業務データは社内のサーバやパソコンで保存し管理されているケースが多いと思われます。その場合、これらのデータは以下の理由からいとも簡単に紛失する可能性があるのです。
(1) 災害 (台風、地震等) による設備故障、紛失
(2) パソコンの盗難や紛失
(3) サイバー攻撃 (ウイルス感染などを含む)
(4) 管理の不手際、誤操作…など
ノートパソコンやDVDやCD、USBなどのメディアのデータも、簡単に持ち運べる反面、紛失によりデータをなくしてしまうリスクが高いと言えます。さらに悪いことに、情報漏えいに発展する可能性もあるでしょう。
企業活動の存続の為にも、厳重に業務データを管理する安全な環境が必要です。この解決方法はさまざまですが、実は今注目されているのは意外にも『社外にデータを預ける』こと。
そこで次回は、『社外』でデータを安全に管理する方法について考えてみましょう。
業務用データの流出・紛失を回避するには? 自社の貴重なデータ資産を守るための、具体的な対策方法が学べます。