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あらゆる職種で派遣は3年で終了?
派遣社員にも教育が!『改正派遣法』の基本を解説

2015年9月に施行された「改正労働者派遣法」。従来の「派遣法」から大きく内容が変更され、話題になっています。この法律の狙いは、正社員だけでなく非正規雇用に対して雇用の安定化を進め、処遇を向上しキャリア形成支援を進めていくことにあります。しかし、法律が大きく変わったことで、派遣元企業 (=いわゆる派遣会社) だけではなく派遣社員を受け入れている派遣先企業でも、さまざまな対応が求められることになったのです。派遣元、派遣先の双方で必要な対応をまとめてみました。

改正労働者派遣法とは? 改正のポイント 企業は何をすべきか?

目次

改正のポイントは大きく分けて3つ

日本では戦後の高度成長期を経て、終身雇用が当然とされてきました。ところが、バブル景気の崩壊で状況が変わり始めます。不景気のためにコスト削減を迫られた企業にとって、正社員の人件費が大きな負担となっていくのです。そこで、派遣社員などのいわゆる非正規雇用に注目が集まるようになりました。好況で仕事がある時には派遣社員を増員して仕事を回し、仕事が減れば派遣社員を減らす。企業は派遣社員を活用することにより、効率の良い経営ができるようになったのです。

雇用される側にとっても、『派遣社員』という雇用形態を選ぶことによって自分に合った働き方ができるというメリットはあります。しかしながら、実際には不安定な雇用が促進されてしまったことは否めません。そこで、今回、『非正規雇用の安定化』を目的とした改正が行われたのです。大きなポイントは次の3点です。

[1] 特定動労者派遣事業 (届出制) と一般労働者派遣事業 (許可制) の区別を廃止し、全ての労働者派遣事業を許可制とする ② 派遣労働者の雇用安定とキャリアアップ ③ 派遣期間規制の見直し

このうち、特に『② 派遣労働者の雇用安定とキャリアアップ』および『③ 派遣期間規制の見直し』について詳しく見ていきましょう。
まずは『② 派遣労働者の雇用安定とキャリアアップ』のための具体的な取り組み内容について、派遣元、派遣先それぞれに分けて見ていきたいと思います。


派遣元企業がやるべきこと
キャリアアップ支援と雇用安定化への取り組み

派遣社員に関する課題の一つとして、派遣社員は体系的な研修を受けにくいということが挙げられます。派遣先企業においては正社員ではないという理由で社内研修の対象とならないことが多いのですが、実は派遣元企業 (派遣会社) においても教育研修を受ける機会があまりなかったのです。従って、派遣社員という雇用形態で働いている限りは、キャリアアップの機会が持てないという問題がありました。そのため、派遣社員の雇用環境が安定しないということにもつながっていたのです。

今回の改正では、派遣元企業に、計画的な教育訓練や希望者へのキャリア・コンサルティングが義務付けられました。しかし派遣社員はさまざまな派遣先企業で働いていますので、一箇所に集めての研修などは困難です。そのため、eラーニング (インターネットを利用した研修・訓練) などを検討している企業も多いようです。eラーニングには、各人が都合のいい時間に無理のないペースで学習ができる教育方法であることから、派遣社員に限らず正社員の研修に導入する企業も増えています。

加えて、派遣期間終了時の派遣労働者の雇用安定措置も義務付けられました。派遣元が行うべき内容は、具体的には、下表のうちいずれかとなります。

具体的な内容 注意点
派遣先への直接雇用の依頼 派遣先に対しても一定の条件において、対象となる派遣労働者への労働者募集の周知が求められている。
新たな就業機会 (派遣先) の提供 派遣労働者のすべての希望を満たすことが必須ではない。
派遣労働者以外の無期雇用労働者としての雇用機会の確保とその機会の提供 派遣会社に所属する社員とは異なる就業規則で、無期雇用労働者として雇用することができる。
教育訓練そのほか雇用の安定を図るために必要な措置 (紹介予定派遣など) 教育訓練は、その結果取得できる資格などが就職活動に直結するようなレベルのものに限定される。

派遣先企業がやるべきこと 待遇の均等化とキャリアアップ推進

派遣先となる企業も配慮すべきことが増えています。まず、派遣労働者と派遣先労働者 (派遣先企業の正社員・契約社員など) の待遇の均等化のために、下記2点が"配慮義務 (努力義務より強い責務があり、当事者は何らかの対応・措置が求められる)"とされました。

[1] 派遣先の労働者に業務に密接に関連した教育訓練を実施する場合は、派遣労働者にも実施すること
[2] 派遣労働者に対し派遣先の労働者が利用する福利厚生施設 (給食施設、休憩室、更衣室) を提供すること

また、派遣労働者のキャリアアップ推進のため、派遣元企業の求めに応じて、派遣元のキャリアアップ支援に必要な情報を提供することが努力義務となりました。
さらに、派遣元企業が派遣社員向けの教育訓練を行う場合、派遣先企業は派遣社員が教育訓練を受けられるように可能な限り協力し、また必要な便宜を図るよう努めなければならないという事も、本改正法に記載されています。

このように、今回の派遣法改正は派遣社員の雇用の安定化を目指すために、キャリアアップや雇用安定化のための対応を、派遣元・派遣先双方に強く求めているのです


『最長3年という期間制限』への派遣先企業の対応

今回の改正で派遣先企業にとって影響が出るもう1つのポイントが、『派遣期間規制の見直し』です。これまでは、特定28業種 (注) ならば、ほぼ無期限に派遣社員を雇い続けることができました。つまり、有能な人材を派遣という形で長く雇用することができたのです。

  • 注)今回の改正に先だつ、平成24年の派遣法改正で、従来「特定26業務」として事実上の無期限派遣を可能としていた業務を再編し、「特定28業務」としています。内容に大きな変化がないこと、今回の改正までの期間が短いことなどもあり、現在も「特定26業務」と紹介しているところもあります。

ところが、今回の改正では、特定28業種でも派遣期間は原則として『最長3年』です。3年が経つと労使間で話し合いを持つことが必要になり、そこで条件が折りあえば「直接雇用」することになります。雇用条件が合わなければ派遣終了です。

派遣終了となると新たな派遣社員を探す場合が多いかと思われますが、すぐには探せなかったり、前任者とまったく同等のスキルを持った派遣社員を雇用することはなかなか困難なのが事実です。
そこで、派遣先企業としては、3年以内で派遣社員が入れ代わることを前提に仕事のフロー、情報の共有化を進めておく必要があるのです。
『情報の共有化』は、特定の個人の能力、知識、経験に依存しない仕事の進め方の推進につながり、派遣社員のみならず、全社員の仕事の平準化を実現できるというメリットもあります。『情報の共有化』を実現するには、社内のノウハウやナレッジの共有ができるITサービスの導入が有効です

長期派遣を利用している派遣先企業にとっては、この法改正でどのような影響が出るのか、今後はどのように派遣スタッフを活用していくかなど、対応策や体制作りについて考える必要があるでしょう。

次回コラムでは、特に派遣社員のキャリアアップのために取り組まれる、より具体的な事例を紹介していきます。




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