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働く環境の改革に具体的に何が必要なのかを全4回にわたってお伝えする本シリーズ。前回は、働き方の多様化に対応し業務を効率化するための『テレワーク』という働き方をご紹介しました。今回は、前回にひきつづき<テレワークのためのグループウエアに必要な3つの機能>のうち、2つ目の『必要な情報にいつでもアクセスできるようにする機能』と、3つ目の『安全なアクセスを実現する機能』について解説します。
ファイルなどのデータを共有するとき、これまではフラッシュメモリーや持ち運び可能な記録メディアにファイルを入れて外出先で利用する、あるいは社内で共有フォルダにデータを入れて共有するといった方法がありました。しかし最近では、その利便性から、インターネットを通じてクラウド上に必要な情報を保存し、必要に応じて共有・使用することが一般的になっています。ここでは、テレワークのためのグループウエアに必要な『必要な情報にいつでもアクセスできるようにする機能』について、2つの事例をご紹介します。
<メールをクラウド化して活用したケース>
全国展開する中堅資材メーカーのL社。外出先でメールの添付ファイルが開けないことが、営業担当者から苦情となっていました。また、パソコンが壊れるとバックアップが取れていないために過去のメールが復元できない、などといった問題もあり、社内のパソコンの更新時にも大きな負荷になっていました。
そこで、グループウエアを導入。パソコン上にメールデータを保管せず、クラウド上に保存することで社外からでもスマートフォンやタブレットなどを使ってメール添付のファイルの確認ができるようになり、顧客対応の効率が上がりました。メール機能だけでなく、営業報告やスケジュール、顧客リストなど、必要な情報にアクセスでき、外出先でも社内と同様の作業環境が整うことになりました。
<ファイルストレージを活用したケース>
情報通信サービスのK社では、早期に社内のシステム環境が整備されていましたが、課題も山積していました。まず、共有のサーバに利用者それぞれがファイルをアップロードしているのですが、必要なファイルがどこにあるのか分かりにくい、外出先から社内サーバにアクセスできないなどの声が聞かれました。さらに、外出先からアクセスできないので、使いそうなファイルをノートパソコンにその都度ダウンロードしてから外出する手間がありました。
そこで、クラウド上でファイルを保管するファイルストレージを導入して必要なデータにアクセスできるように。ミーティング用資料や、お客さまへの提案書など、外出先でもタブレットやスマートフォン・ノートパソコンから、打合せ直前でも簡単に情報を修正できるようになりました。
テレワーク・在宅ワークのためのグループウエアを導入する際に、もっとも重要なのは情報セキュリティが保たれていることです。グループウエアにより業務効率が向上するとしても、情報の機密性が維持されなければ導入することができません。以下でテレワークで導入すべきグループウエアに必要な3つ目の『情報セキュリティ機能』について2つの事例をご紹介します。
<スマートデバイスの管理サービスを導入するケース>
全国に先駆けて在宅勤務制度を推進しているM市役所。個人情報を多く抱える官公庁では、当然ながら情報セキュリティ面は厳重に管理する必要があります。M市役所では、在宅勤務用にタブレットを支給していますが、スマートデバイス管理用のアプリケーションも合わせて導入。データをタブレット本体に保存できない設定にし、万が一、故障・紛失した場合も、遠隔操作で端末をロックすることで情報漏えいが発生するリスクを低減しました。
<リモート接続サービスを導入するケース>
官公庁同様に高い情報セキュリティが求められる保険業。保険代理店であるK社は、情報セキュリティを保つため顧客情報を持ち出すのに複雑な事務手続きが必要です。当然、外出先から顧客情報にアクセスすることは厳禁でしたが、訪問先ではその情報が必要になることがほとんど。社内でプリントアウトした書類を持ちだすことも紛失の危険があり、安全に情報を持ち歩く方法に苦慮していました。そこで、社外から社内ネットワークに安全に接続できるリモートアクセスサービスと、パソコンやタブレット、スマートフォンを紛失しても、リモートロック、リモートでのデータ削除ができる端末管理ツールを合わせて導入。
高い情報セキュリティを保ちながら、社外で顧客情報にアクセスできる環境を作りだしました。
外出先や自宅から仕事を行うテレワークを実現するためには、グループウエアの導入が必要不可欠です。さらに、グループウエアの持つ多彩な機能は、実際にテレワークを行う人でなくても、業務を効率的に進める効果があります。例えば、これまではクライアントとのミーティングを行う際、こちらから先方へ会議資料を持参し、プレゼンを行うのが一般的でした。しかし、ビデオ会議の機能を持つグループウエアを導入すれば、先方へ出向く移動時間や会議のための準備、資料の共有が簡単にでき、業務効率が格段にアップします。このように、テレワーク以外でも業務をスムーズに行うツールとしても、グループウエアの需要が高まっています。次回は、テレワークを推進する際によく挙がる課題として『なぜ社内に浸透しないのか』という原因と効果的な対応方法について解説します。
スマートフォン×ネットワーク×クラウドを徹底的に活用した、テレワーク導入法をご紹介します。