一億総活躍社会、実現の要は『働き方改革』

 安倍政権は、『新三本の矢』と銘うって、『希望を生み出す強い経済 (GDP600兆円)』、『夢をつむぐ子育て支援 (希望出生率1.8倍)』、『安心につながる社会保障 (介護離職ゼロ)』を実現することで50年後も人口1億人を維持し、『一人ひとりの日本人、誰もが、家庭で、職場で、地域で、生きがいを持って充実した生活を送ることができること』の実現を目指しています。
 政府を挙げた取り組みの一環として、関連する緊急対策を盛り込んだ平成27年度補正予算も2016年1月20日に成立しました。
 こうした取り組みが企業活動にどのようにかかわってくるのか、少子化ジャーナリストであり、一億総活躍国民会議の民間議員である白河 桃子さんにお話を伺いました。

男女ともに働き方を変えることが必要

 安倍政権になり、女性の活躍は成長戦略の柱と叫ばれるようになってから、いろいろなことが変わってきたと思っています。
 女性をいくら活躍させようと思っても、土台である社会、企業、そして男性、さらに働き方そのものが変わらないと女性だけが活躍せよと言われてもそれは無理だということを多くの方が理解するようになってきました。この『働き方改革』こそが一億総活躍社会の実現には最も重要だと思っています。
 これは、女性活躍の議論が新たなフェーズに入ってきた証拠でもあります。まず『男女雇用機会均等法』ができ、女性が男性と同じように働けるようになりました。ただこれは長時間働ける男性中心の労働慣行に合わせるということでした。となると、多くの女性が結婚・出産を機に職場を離脱することになってしまいます。そこで次に『両立支援』という言葉がでてきました。育児などをしながら働けるように支援するという流れです。
 ところが、育児中の女性だけは早く帰ってもいいというのは当の女性も居心地が悪く、普通の働き方から排除されていると感じてしまいます。女性にだけ優しくしても、ほかの人は『長時間労働』で『有休もとれない』働き方をしている。さらに時間短縮勤務や育休中の女性の仕事のしわ寄せが『独身者』や『子供のいない人』にくる。こうなると、職場は不公平感が増し混乱してしまいます。女性自身も居心地が悪くて活躍できませんでした。そしてこれでは駄目だということで、女性のためだけの制度ではなく、男女ともに企業全体の働き方を変えていこうという流れになってきたのです。

『労働時間コントロール』と『ICT (注1) による柔軟な働き方』で実現へ

 では『働き方改革』とは具体的にはどんなことをすればよいか。それは『労働時間のコントロール』と『ICT活用による柔軟な働き方』になると思います。
 『労働時間のコントロール』は、例えば、社員全員19時前に退社してもらうなど、企業が働く時間をコントロールしていくことです。労働時間をある程度限定することは、女性もフェアに競争できる環境を整えることになります。自分は時間短縮勤務で16時に帰るとします。その後、ほかの人が22時まで働き、会議も開催されていたら、次の日にキャッチアップするのは容易ではありません。これがほかの人が残業したとしても19時までならどうでしょう? フェアな競争ができる環境があるとやる気も出るし、その中から昇進する人も出てくるでしょう。全員にとって、これは仕事量を減らすのではなく、いかに時間内に集中し、生産性高く働けるかの生産性革命になります。独身者も、子どもや介護のケアがない人も、ダラダラ残業せず、インプットの時間を持ち、プライベートも充実します。
 もうひとつが『ICT活用による柔軟な働き方』です。場所と時間にとらわれない働き方を実現するためにテレワークの活用があります。これを男性も含めて全社的に導入、活用すると効果があります。自律的な働き方ができるようになり、何時間オフィスにいたかではなく、仕事の生産性が厳しく評価されるようになります。通勤時間が片道1時間としたら2時間が削減されるだけでもものすごく違ってきます。心身共に健康に過ごせるライフスタイルにつながるのです。また全員が決まった時間にオフィスにいる必要がなくなると、今まで休みにくかった職場が休みやすくなったりもします。そうなると職場にいる意味も、評価軸も変化し、職場で直接コミュニケーションを取ることの意義に大きな変化が起こってきます。

ダイバーシティのある職場づくりがイノベーションにつながる

 人口拡大期は、大量生産をして、人はできるだけ長く働き、同じものをたくさん作って売ることが適した社会でした。人口減少期のこれからは、多様なニーズに合わせた競争力のあるものを生み出していかないと成長できません。多様なニーズに対応した商品は、やはりダイバーシティ (多様性) のある職場でないと生まれないと思います。
 ダイバーシティの観点では、特に意思決定や企画の仕事から排除されがちだった子どものいる女性も重要なステークホルダー (注2) になるのは間違いありません。その人たちがエンジンになって働き、その人たちに職場にいてもらわないと困るという流れができるところから働き方の見直しが起きてくると思います。
 性別はもちろん年齢、国籍問わずいろいろな方が一緒に働いていくことが重要です。また仕事に時間をいくら投入してもかまわない人もいれば、私は自分の人生のここまでしか仕事に投入したくないという人がいてもよいのです。いろいろな考えの人が一緒に働くことこそダイバーシティです。
 なぜそれをやらなければならないかというと、人手不足が目に見えているからです。2060年には労働人口が半分になるともいわれています。さまざまな人に働いてもらわないと日本は労働者不足に陥ります。
 体力的に自信がない人、もちろん育児や介護のケアワークがある人も含めてさまざまな人が活躍できる社会をつくる。仕事以外のことができることによってインプットの時間が増え、その経験が増えることで、労働不足を補うだけでなく、生産性向上やイノベーションにも寄与するようになるでしょう。
 『一億総活躍社会』とはその結果として実現されるものではないかと思います。

 今回のインタビューで、白河さんは『一億総活躍社会』の実現には、働き方改革、ダイバーシティが重要であることを分かりやすく解説してくださいました。
 たとえば会社で、上司が子育てに直面した男性社員に対して「育休を取るの?」ではなく、「いつ育休を取るの?」と言い方を変えるだけで育児休暇取得に成果が上がった事例や、人材不足が叫ばれる地方においても、柔軟な働き方の導入が有効な人材獲得につながったお話など興味深いお話を伺えました。
 ICT活用についても、常に最前線に向けたアンテナを張りさらなる成長を考えている企業ほど導入への意欲が高く、通信端末やソリューション・サービス導入のためのコストは安くなっているので経営者の考え方ひとつでどんどん改革できるとおっしゃっていたのが印象的でした。

 KDDIでは、『ICTによる柔軟な働き方』に貢献できるクラウドを活用したサービス・ソリューションを豊富にご用意しています。
 あなたの会社では『働き方改革』進んでいますか?

  • 注1)
    ICT: Information and Communication Technologyの略。
    IT=情報技術の概念をさらに一歩進め、通信コミュニケーションの重要性を加味した言葉。
  • 注2)
    ステークホルダー: 企業の活動によって直接的・間接的に影響を受ける人々や団体など利害関係者のこと。

関連サービス・ソリューション

CPA

「CPA (Closed Packet Access)」は、多様な通信端末 (モバイルPC+データ通信カード、スマートフォン、タブレット) を利用し、外出先からイントラネットアクセスを可能とするセキュアなリモートアクセスサービスです。

KDDI Flex Remote Access

さまざまな通信デバイス・通信環境からお客さまの社内ネットワークへリモートアクセスを行えます。場所を問わず、スマートフォン・タブレット・パソコンから、安全に社内システムへ接続いただけます。

KDDI GoToMyPC

インターネット接続環境があれば、世界中からいつでもどこでも社内PCへアクセスできるリモートデスクトップサービスです。

Office 365 with KDDI

Microsoft Officeに加えて、コミュニケーションや業務に必要なツールがオールインワンで使えるクラウドサービスです。

Google Apps for Work (TM)

使い慣れたメールやカレンダーなどをビジネスでもご利用いただけるクラウド型グループウエアサービスです。

Google Drive for Work (TM)

すべてのファイルをクラウド上に無制限に保存できます。パソコン、スマートフォンから必要なファイルに必要な時にアクセスできます。

新規ウィンドウが開きますクラウドワークスタイル

ここが変わった! リモートアクセス編

白河 桃子 (しらかわ とうこ)
少子化ジャーナリスト・作家・相模女子大学客員教授・昭和女子大学女性文化研究所客員研究員・「一億総活躍国民会議」民間議員

 

東京生まれ、私立雙葉学園、慶応義塾大学文学部社会学専攻卒。
住友商事、リーマンブラザースなどを経て著述業に。婚活、妊活、就活、キャリアプランなど女性のキーワードについて発信する。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活」を提唱。婚活ブームを起こす。少子化対策、女性のライフデザイン、キャリア、男女共同参画、女性活躍推進、不妊治療、ワークライフバランス、ダイバーシティ、働き方改革などがテーマ。

著書: 『婚活症候群』『女子と就活』『格付けしあう女たち』『産むと働くの教科書』『専業主婦になりたい女たち』など。最新刊『専業主夫になりたい男たち』2016年1月発売

 

新規ウィンドウが開きます白川桃子オフィシャルブログ
新規ウィンドウが開きます白川桃子オフィシャルツイッター
新規ウィンドウが開きます白川桃子オフィシャルFacebook

  • 外部サイトに移動します。