KDDIホーム 法人のお客さま イマサラ時事 長野から世界へ、マルコメ流『地方創生』モデルとは

長野から世界へ、マルコメ流『地方創生』モデルとは

政府が重点施策と位置付ける『地方創生』。このコラムでも具体事例として『地方創生応援税制 (企業版ふるさと納税)』や『ふるさとテレワーク』を取り上げてきました。

施策の効果として期待されているのは、生産性向上による地域経済の活性化、地域の雇用創出などです。ただし、これらは政府や自治体の旗振りだけでなく、地域の元気な企業の事業活動の発展によって初めて具現化するものと考えられます。

そこで今回、長寿で有名な長野県に本拠地を構えながら、発酵食品を通じて和食の価値を世界に発信し、いわば率先して地方創生に取り組んでいるマルコメ株式会社に焦点をあて、同社マーケティング本部 情報システム部兼システム企画課の菊川 慎一部長と情報システム部 システム管理課の箭内 史樹課長代理にKDDIのシステム採用を背景としてマルコメ流の地方創生モデルについてお聞きしました。

発酵技術を起点に世界市場へ

マルコメ株式会社は日本古来の発酵技術を起点にしながら、『カワイイ 味噌汁 原宿味』など他社にはない商品を続々と開発。また味噌の輸出拡大にも貢献しています。こうした積極的な事業展開を支えている企業理念についてお聞かせください。

「企業理念は、日本古来の調味料である味噌との技術を駆使して生活者の健やかな暮らしに貢献するというものです。最近では味噌だけではなく、麹や飲料なども含めて総合食品メーカーとして新商品を積極的に開発しています。
お米の消費が減少しつつあることから、国内の味噌市場は右肩上がりではない状況です。その中で次世代を担う若者に対して和食には欠かすことのできない調味料である味噌と麹を広める取り組みを進めています。一方海外では和食ブームもあいまって、グローバル市場は堅調に推移しています」(菊川部長)

若者向けの市場開拓や世界展開を長野県に本社を置きながら進めているわけですね。

情報システム部 兼務システム企画課部長 菊川 慎一氏

「東京に本社を置くメリットはあると思います。例えばICTひとつを取っても圧倒的に多くの情報を得られるでしょう。ただ、生産現場がすべてこちらに集積していることもあり、地盤は長野県という考え方をもっています」(菊川部長)

徹底してマーケティング力を強化

他社にない商品を続々と生み出せる原動力はなんでしょう。

「マーケティング力が強く、さらに強化する姿勢が徹底されていることがあると思います。我々の所属する情報システム部がマーケティング本部のなかにあるのもひとつの例です。こういう会社はあまりないと思います。情報システム部はこれまで社内でも下請け的な立場となっており、新しい取り組みは進められなかったのですが、我々は違います。自らがまずはやってみようという発想で仕事をしていますし、それを後押しする風土が経営層にあります」(菊川部長)

情報システム部 システム管理課 箭内 史樹氏

「情報システムをいかに事業に直接役立つものにしていくかという視点もポイントです。例えば本社が長野県にあるので必然的に出張、移動が多くなります。そのなかで営業担当が仕事を進めるにはモバイル環境整備が不可欠です。さらに今回のKDDIのスマートフォンの一斉導入では、工場の現場や守衛所の方にも使ってもらうことにしました。モバイル機器を使いこなす中で、次はこう使いたいなど声が上がってくることを期待しています。たとえば工場ラインの写真や動画を撮影して情報を共有することで改善の気付きが得られることもあると思います」(箭内課長代理)

情報システム部 システム管理課 箭内 史樹氏

情報システム部が現場の声を聞いてシステムを企画していく姿勢は、社員は誰でも新しい商品を提案できるマルコメ流の企業風土と通じるところがあります。今回の導入がきっかけとなり、工場の現場から生産性向上プランが上がってくるかもしれませんし、さらにはIoT (注) による生産設備のスマート化などに結びつく可能性もありそうですね。

「我々もスマートフォンをツールとして提供することでそうした効果を狙っています」(菊川部長)
「ただし、あまり要望が上がりすぎると、企画として採用するのがたいへんになりますね (笑)」(箭内課長代理)
「いずれにせよ、IoTは直近5年のメインの課題になってくるでしょう。現状の売上高400億円を2020年には500億円にするという目標もあります。それに向けてシステム改革を進めていきたいと思います」(菊川部長)

菊川部長、箭内課長代理は、情報システム部のご担当という枠にとどまらず、全社を俯瞰した経営者的な目線で雄弁に語ってくださいました。お二人が主導して導入されるシステムの活用を通じてどんなユニークな新商品が登場してくるのか、大いに楽しみです。

  • 注)
    IoT: Internet of Thingsの略。モノのインターネットのこと。パソコンやスマートフォン、プリンターなどといったIT関連機器だけでなく、家電をはじめとするあらゆる『モノ』をインターネットと接続することで、より利便性を高めようとする概念。