KDDIホーム 法人のお客さま イマサラ時事 『デジタル教科書』2020年度に導入へ、通信環境の整備が課題に

『デジタル教科書』2020年度に導入へ、通信環境の整備が課題に

子どもたちが学校で個々の情報端末で学習するためのデジタル・コンテンツ、いわゆる『デジタル教科書』が2020年度から本格的に導入される見通しになりました。2016年4月に開催された文部科学省の有識者会議『デジタル教科書の位置付けに関する検討会議』において、副教材ではなく、紙の教科書と併用しつつも教科書と位置付けて導入することを前提とした『中間まとめに向けた論点整理』が提出されたのです。検討会議の最終報告は2016年度中にまとまる見込みです。

デジタル教科書をめぐる学校現場の現状や意識を整理しながら、本格導入に向けた課題などについて考えてみましょう。

指導者用デジタル教科書が先行

2011年4月に文部科学省が公表した『教育の情報化ビジョン』では、デジタル教科書を『デジタル機器や情報端末向け教材のうち、紙の教科書の内容と、それを閲覧するためのソフトウェアに加え、編集、移動、追加、削除などの基本機能を最低限備えるもの』と定義し、さらに電子黒板で先生が利用することを想定した『指導者用デジタル教科書』と子どもたちが個々に利用する『学習者用デジタル教科書』の2種類に分類しています。

指導者用デジタル教科書の公立学校 (小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校) での利用率は、2015年3月時点で39.4%に達しています (図1)。都道府県別の利用率が最も高いのは佐賀県で、96.1%とほぼすべての公立学校で活用されています。

『デジタル教科書の位置付けに関する検討会議』では、こうした指導者用デジタル教科書の導入状況も踏まえながら、学習者用デジタル教科書を紙の教科書と同等に扱うことについて議論が進められてきました。デジタル教科書は動画や音声などの機能によって学びの充実を図れる一方で書く力・考える力の育成につながらないのではといった意見も出されました。ただし、検討会議で説明されたPTAを対象としたアンケート結果によると、現状でも学習者用デジタル教科書の使用に賛成する意見が多く、導入に向けた機運は高まりつつあると言えそうです (図2)。

無線LAN環境の整備が急務

図3は文部科学省が毎年3月に定期的に実施している学校の情報化調査結果の一部です。子どもたちが普段の授業を受けている普通教室の校内LAN整備率は2015年3月時点で86.4%に達しているものの、校内LANに加えて無線LANも整備している割合は23.5%に過ぎません。学習者用デジタル教科書を利用する主な情報端末はタブレット端末になるでしょう。学習用デジタル教科書を利用できるようにするには、タブレット端末が接続できる教室の無線LAN環境を早急に整備する必要があります。これに対して、環境整備を後押しすべく、総務省は学校への無線LANの導入補助予算を概算要求していく考えであることを一部メディアが報じています。

家庭などの校外での利用にはLTEや5Gを活用へ

学習用デジタル教科書を十二分に活用するには、校内だけでなく、家庭などの校外においても活用できる通信環境整備も課題となります。

この課題の解決のヒントになるタブレット端末活用事例があります。工学院大学附属中学校では、2015年4月から中学1年生全員にタブレットを貸与し、一部の双方向型授業で活用を開始しました。導入したタブレットはKDDIのLTE対応モデルです。LTE対応としたのは、無線LAN環境が整備された校内だけではなく、通学中や自宅などでも主体的に学習してほしいという考えからでした。

文部科学省の検討会議の中間まとめの論点整理には『紙の教科書との併用制であれ、デジタル教科書を導入する場合には、導入形態に応じたネットワーク環境の整備を前提とすべき。ただし、宿題や家庭学習など、家庭におけるデジタル教科書の使用については、家庭にネットワーク環境が整備されていない児童生徒に配慮した形態が必要。』と記載されています。2020年度からの本格導入が見込まれる学習用デジタル教科書用タブレット端末にも無線LAN機能だけでなく、LTEあるいは次世代の『第5世代移動通信システム (5G)』の活用が求められるでしょう。

KDDIでは、今後も学校の情報化支援などで現場のニーズや課題について理解を深めるとともに、第5世代移動通信システムの研究開発などを通じてデジタル教科書の本格導入に貢献して参ります。

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