第31回
[後編]テレビとネットワークの融合 ~デジタル機器の共存と繁栄
株式会社アクトビラ 取締役 (兼) 経営企画グループGM 広報・法務・経営企画担当 坂下 弘典 氏

株式会社アクトビラ
取締役 (兼) 経営企画グループGM
広報・法務・経営企画担当
坂下 弘典 氏
テレビ向けに映像を配信するという点で、「アクトビラ」はテレビ局に似ています。また、インターネット経由でコンテンツを視聴できるという点では、パソコン向けの動画サービスと似ています。「アクトビラ」は放送と通信の境界をまたぐサービスと言えるかもしれません。「テレビとネットワークの融合」後編となる今回は、ほかのビデオ関連サービスとの違いや、デジタル機器との連携について、前回に引き続き、株式会社アクトビラ取締役 (兼) 経営企画グループGMの坂下弘典氏にお話を伺います。
テレビ局と「アクトビラ」
「アクトビラ」は、インターネットに接続されたデジタルテレビに対して、さまざまな情報や映像コンテンツなどを配信していますので、テレビ局と似ているとも言えます。テレビは、電波帯域を使ってブロードキャストで番組を放送し、不特定多数の視聴者に向けて、番組を配信しています。チャンネルを合わせることで、テレビ局が編成した番組を視聴することができます。民放テレビ局の場合は、テレビ局が権利を所有するコンテンツをスポンサーのコマーシャル (CM) とともに放送するので、視聴者は無料で番組を見ることができます。
一方「アクトビラ」では、視聴者が見たいものを自分で選び、インターネット経由で配信されるコンテンツをストリーミング再生するしくみです。番組の途中などにコマーシャルが入らない代わりに、1本いくらといった視聴料金がかかります。映画やコンサート、過去のテレビドラマやドキュメンタリー番組などがコンテンツとして提供され、個別に料金を払うことで視聴する、いわばビデオのような存在と言えば、わかりやすいかもしれません。最近では、コンテンツの冒頭でCMを流すことで、視聴料を無料にしているものもあります。

さまざまなビデオサービス
さきほど、「アクトビラ」はビデオと同じようなものだとご説明しましたが、そうした意味で、レンタルビデオやインターネットの動画サービスなどとも似ている面もあります。レンタルビデオの場合、レンタルビデオ店で好きなビデオを選び、自宅に持ち帰り視聴します。最近では、インターネットを使って、自宅からDVDやCDのレンタルを申し込めるサービスも登場しています。
次にBSやCS放送などの有料放送サービスの場合は、入会して基本料を払うことで、自分の好みに合った番組やビデオ・オン・デマンド (VOD) 型で提供されるコンテンツを見ることができることなどが特徴と言えるでしょう。また、PC向けの動画配信サービスの場合は、テレビのようにリビングで家族で楽しむということよりも、やはりパーソナルに視聴することに向いているでしょう。
一方「アクトビラ」では、対応テレビとブロードバンド回線さえあれば、申し込みや基本料は不要で、好みのコンテンツをいつでも楽しむことができます。家族みんなで、大画面で高画質、高音質なコンテンツを楽しむには、魅力的な選択肢になると思います。

しかし、いくら魅力的なサービスを提供しても、コンテンツが魅力的でなかったら意味がありません。「アクトビラ」では最新のものや話題性の高いコンテンツ、ほかでは見られないコンテンツなどを提供し、質と内容でコンテンツを充実させていきたいと考えています。現在進めているのが、50万本という膨大な番組数を持つNHK様と、レンタルチェーン大手のTSUTAYA様との提携です。放送法が改正されたことで、NHK様の番組を有料配信することが可能になりました。「アクトビラ」でのNHKコンテンツの配信は今年の12月からを予定しています。
PCや携帯電話との連携
これまでビデオの配信サービスについてお話ししてきましたが、「アクトビラ」には、パソコンのようにWebコンテンツを楽しめる「アクトビラ ベーシック」もあります。ここではこのサービスについて、少しお話ししていきたいと思います。
「アクトビラ ベーシック」は、天気や株価、地図などのサイトにアクセスできるサービスです。もちろん、テレビにはマウスやキーボードは付属していないため、リモコンで操作できるように、操作性や表示画面などは工夫されています。また、テレビとパソコンや携帯電話を連携させることで、これまでにない利便性を提供するようなサービスも行っています。その例としてショッピングサイトの「楽天市場」とブログサイトの「Ameba (アメーバブログ)」を紹介します。
「楽天市場」は有名ですので、パソコンや携帯電話でアクセスしたことがあるという人も多いと思います。「アクトビラ」のトップページにも登録されていて、パソコンにくらべて、大画面に表示でき、操作も簡単という特長があります。これまでオンラインショッピングを敬遠していた人にとっても、ネットショッピングが身近に感じられるようになると思います。商品の購入に関しても、テレビ画面上に表示されたQRコードを携帯電話のカメラで読み取り、携帯電話で決済を行うことが可能です。テレビ画面で商品を選び、携帯電話で決済をするといった連携がすでに始まっています。

また、ブログサイトの「Ameba」は、芸能人ブログが多いことで有名です。テレビ番組で見かける芸能人や著名人が、「Ameba」でブログを書いている場合も多く、お気に入りの芸能人の今日のできごとや、最近では携帯電話を使って書き込む芸能人の“今”をリアルタイムで知ることもできます。テレビを見ていて、気になった芸能人のブログを、テレビでいつでも見ることができるのは、魅力的なことだと思います。また、アクトビラ上の「Ameba」にはQRコードが表示されます。これを携帯電話で撮影すれば、お気に入りの芸能人のブログを携帯電話でも楽しめるようになります。
現在でもテレビは、日常生活の中で、エンターテインメントやニュースなどの情報とわたしたちをつなぐ中心的な役割を担っていますが、今後はさまざまなデジタル機器がテレビと連携し、テレビは常にその中心にあって、わたしたちの暮らしをさらに豊かなものにしていってくれるだろうと思います。

編集後記
これまで放送と通信の間には法律の壁がありましたが、2011年には放送と通信を融合した情報通信法の施行が見込まれています。「アクトビラ」のユーザーが1000万を超えると予想される3年後には、インターネットにつながったテレビを通してビデオやコンテンツ、番組を見ることが当たり前になっているのかもしれません。
(2008年7月9日掲載)
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