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第9回

[後編]メンタルヘルス・マネジメント ~ストレスへの対処方法

コミュニケア・マネジメント 代表取締役 産業カウンセラー 金子 深雪 氏

写真: 金子 深雪 氏

コミュニケア・マネジメント 代表取締役
産業カウンセラー
金子 深雪 氏

寝不足や胃痛、頭痛を感じることはありませんか?その原因はストレスかもしれません。ストレスの発散に、テレビゲームをしたり、一人で飲んだりされる方も多いでしょうが、実はそうした行為は状況を悪化させているに過ぎません。前編では、ストレスのチェック方法についてコミュニケア・マネジメント代表取締役 産業カウンセラーの金子深雪氏にお話を伺いました。後編となる今回は、仕事や生活面で受けたストレス発散の秘訣や、ストレスが気になったときの相談先についてアドバイスしていただきました。

変だなと思ったら受診を

前編では、ストレスの体や心への影響についてお話しました。そして今回の後編では、その対処方法についてお話したいと思います。コップの水があふれるようにストレスが許容量を超えると、体に何らかの影響が出てきます。

身体的に異常を感じたとき、たとえば、頭痛が取れないとか、胃の調子が悪いとき、一般的には内科で診察を受ける人が多いと思います。しかしストレスが原因である場合、根本的な解決にはなりません。内科では主に体の臓器を診るため、血液検査やレントゲンには現れないストレスはわからない場合があります。もし内科で異常がないと診断されても不調感が残る場合は、心療内科、神経科、精神科を受診することをお勧めします。
こうした科で診察を受けると、ストレスが体にどのような影響を与えているかが把握でき、対処方法のアドバイスを受けたり、薬を処方してもらうことができます。カウンセリングが必要な場合には、臨床心理士に診てもらったり紹介してもらうこともできます。

カウンセリングの効果

病院にいくほどではない、またはいく決断がつかないようなときでも、体調や心理状態の変化を感じたら、社内の産業医やカウンセラー、保健師に、カウンセリングを受けると良いでしょう。民間の相談室も増えています。カウンセリングを受ける目的は、「気づくこと」にあります。なんとなく考えたり感じているけれどはっきりしていないことや全く意識していなかったことが、専門家に話すことで明確になっていく、つまり右脳で感じていることを左脳に入れ、きちんとした言葉にすることによって、自分自身を客観視することができるのです。

図: 右脳のままでは漠然としている 左脳で言葉にすることで気づく

「具体的に言うと?」といったカウンセラーとの会話で、自分の内面が明らかになっていきます。自分では気にしてないと思っていたことが、実は、そこに一番こだわっていたこと、職場で自分の立場や役割を気にして、ストレートに言葉にしなかった思いなど自分自身では気がつかなかったことに気づくことができるわけです。
このようなやりとりは、ストレスというコップの水を蛇口からこぼす働きをします。話をすることで水が減り、心にもゆとりが出てくるのです。そして問題に立ち向かうことができるようになります。

ストレスに関する受診、相談先

最近では、産業医やカウンセラーを置く企業も増えています。ストレスを感じている場合には、まずは相談すると良いでしょう。しかし勤めている会社にそのような機会がなかったり、臨床心理士や産業カウンセラーも自分の周囲にいない場合や、受診する勇気がないこともあるでしょう。そういった場合には電話やメールなど直接会わずに利用できる無料相談などもあります。電話やメールを通じて、カウンセラーや専門医を紹介してもらえることもあります。まずは健康診断を受けるつもりで気軽に利用してみてください。

不調を感じた場合の相談先

1 産業医
2
各病院、診療所、医院
  • 精神科、神経科、心療内科
3
全国の労災病院
  • 勤労者心の健康相談(14:00~20:00)
4
その他相談窓口
  • 各都道府県の精神保健福祉センター
  • 各市区町村の保健所
  • 産業保険推進センター、地域産業保険センター
5
ストレス病の予防、早期発見・早期治療のためのプログラム
  • 全国の労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター

ストレスとの上手なつきあい方

悪玉ストレスをゼロにすることができれば良いのですが、実際はなかなか難しいでしょう。ならばストレスと上手につきあう方法を知ることが有効です。それには2つのポイントがあります。まず、自分がストレスをどうすれば発散できるのかストレス対処法をもつことです。

最近の傾向として、まっすぐ家に帰り、だれとも会話をせず、ネットゲームやパソコンなどに興じる人が、特に20~30代に増えています。本人は気分転換のつもりで行っていると思いますが、あまりストレス解消にはなっていません。寝不足になったり、視神経の疲労を招き、却って身体への負担が増していることが多いのです。

ストレス対処法としては、趣味のカラオケやスポーツなどをするのも良いでしょう。大声を出したり体を動かすことである程度のストレスを発散することはできます。しかし、ストレスがあまりに蓄積され、コップの水があふれると、こうしたことをする気持ちも体力もなくなってしまいます。その場合は、前述のように、カウンセラーなどに話をすることで、何がストレスになっているのか気づき、きちんと向き合うことで、心に蓄積されたストレスを減らすことができます。話をする相手はカウンセラーに限るわけではありません。身近な人で悩みを相談できる人を「メンター」と言いますが、愚痴を聞いてくれる人や相談に乗ってアドバイスをしてくれる人ならだれでもいいのです。そういう人を一人でもいいからつくり、話を聞いてもらうと良いのです。ストレスによって追い詰められてしまう人は、人に話すことができない傾向があります。話せる相手がいる…そのような人間関係をつくることが、ストレスをためないコツでもあるのです。

ストレスと上手につきあうためのもうひとつのポイントは、認知(出来事への捉え方や考え方)の癖を知ることです。ある出来事に対して受け止め方や考え方によって、善玉ストレスにも悪玉ストレスにもなるからです。(1)何が起こったのか?(2)その時どのように感じたのか?(3)ほかの見方や考え方はないか、これらを書き出してみることをお勧めします。この作業を繰り返すことで、現実的な考え方ができるようになり、気持ちの変化につながります。

日頃からリラクセーションを心がけることも大切です。睡眠や休養、半身浴などで内面の緊張がほぐれ、体の疲れが取れます。ハーブティー、アロマオイル、ヒーリング音楽などで五感を刺激するとリラックス効果が高まります。呼吸法を身につけることで自律神経に作用して落ち着きを取り戻すことができます。最近は、アロマテラピー、リフレクソロジー、指圧、岩盤浴などリラクセーションビジネスも盛んです。ご自分にあったリラクセーション法をぜひ見つけてください。

編集後記

IT化により効率的に仕事を行えるようになった反面、顔を合わせたコミュニケーションの機会が減り、ストレスが増加している時代です。自分が受けるストレスに対して正しく理解して向き合い、人に話すことがストレス解消のコツです。精神科やカウンセラーといったプロに相談することや気軽に相談できる同僚などをもつことも、IT社会で心の健康を維持し、元気に働くためには大切なことのようです。

(2006年10月3日掲載)

  • ※ 掲載日以降、最新情報ではない場合があります。あらかじめご了承ください。

  • No.1 7年連続利用率 (注)
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注) 出典: 日経コミュニケーション2008年9月1日号ブロードバンド/モバイル/NGN時代の企業ネットワーク実態調査「広域イーサネット部門」で「KDDI Powered Ethernet」が7年連続第1位



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