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第12回

[前編]SNSで広がるビジネスチャンス ~ネットワーク上の現実社会

株式会社ミクシィ 取締役 経営管理部部長 小割 洋一 氏

写真: 小割 洋一 氏

株式会社ミクシィ
取締役 経営管理部部長
小割 洋一 氏

今や多くの人に知られるようになったSNS (ソーシャルネットワーキングサービス) ですが、友人たちとのプライベートな交流の場として利用するほかに、情報収集や人脈づくりなどのビジネス用途にも活用されていることはあまり知られていないようです。今回は、2006年流行語大賞のトップテンにもなったSNS「mixi」を運営する、株式会社ミクシィ経営管理部取締役部長の小割洋一氏に、SNSにおけるコミュニケーションの特徴やビジネス活用の可能性などについてお話を伺いました。

ユーザー同士が交流できるのがSNSの魅力

弊社は現在、mixi (ミクシィ) というSNSを運営しています。SNSという言葉は、今でこそ日記やコミュニティの代名詞のようになっていますが、企画を開始した2003年当時は、"友人関係の可視化" とでも言えるプロトタイプ的なものしかありませんでした。

この友人関係を可視化するしくみは非常に興味深いものでしたが、使い始めて2、3日で他にすることがなくなってしまう弱点がありました。そこで、当時企画・開発に携わっていた弊社社長の笠原健治や開発のバタラケスマたちは、日々使っていただくため「日記」や「足あと」などのコミュニケーション機能を加えることで、そのしくみを生かしたいと思ったのです。

40代、50代の方も利用し始めたSNS

SNSは現在1,000以上あると言われており、利用者数は急激に増えています。総務省が2006年4月に発表した調査報告によると、SNSのユーザー数は2006年3月末で1,600万人に達し1年間で約6.5倍にも増加しています。

図: 1年間でSNSのユーザー数は111万人から716万人と、6.5倍増加した (出典: 総務省2006年4月13日発表)

このユーザー数増加の背景には、SNSを利用する20~35歳の層への浸透と利用世代の拡大、そして紹介制というしくみによるものと考えられます。mixiの場合、ネットでのコミュニケーションを活発に行う20代や30代に加え、40代や50代といったユーザーも増加しています。また、新規登録は、通常既存ユーザーからの紹介によって行われるため、ユーザーの母集団が増えるに従って、その増加の割合も増えることになります。

ユーザー間のつながりが強いSNS

日記を書いて公開したり、コメントを残したりできるという点では、ブログもSNSも同じ機能を備えています。では、なぜブログよりSNSのユーザーが増加しているかというと、情報を発信するにも受信するにも、不特定多数の未知の相手を対象に行うのではなく、もともと友人・知人など日常を共有できる相手とのコミュニケーションを求めるユーザーが多いためと考えられます。コメントやコミュニティでのやりとりから、新しい人間関係を築くことも可能になります。

ほとんどのブログサービスでは、インターネット全体に公開できるというメリットがある反面、なかなか読んでもらえない、まただれが読んでくれているのかわからないというもどかしさがあったり、関係のない広告サイトへのリンクが書き込まれるなどのデメリットがあったりします。一方SNSでは、ユーザー同士に何らかの関係があり、日記などで公開相手を制限したり、書き込んだ人の情報を知ることができるなど、コミュニケーションに抑止力が働くことが多いと思います。SNSでは現実社会での人間関係がネットワーク上でも成立しており、この関係をより深められるサイトであると言うことができると思います。

SNSはビジネスにも活用できる

ビジネスへの活用という点でも、SNSはブログに比べ注目すべき特徴を持っています。ブログの場合は、社長が自社の活動内容を綴ったり、企業が製品やサービスをアピールしたりと、広報的要素が強くなる傾向があります。SNSでも、ブログのように日記を書いたり、業務に関するコミュニティを作ったりしてPRしていくという方法も考えられますが、多くのSNSでは、日記やコミュニティの商用行為を禁止しています。それは、往々にして行きすぎた「売らんかな」的書込みが、読者を不快にさせてしまうことを懸念するためです。

SNSのビジネス活用は、ビジネス上の人間関係を深めたり、コミュニティを通じて企業やサービスのファン層を広げるなどのコミュニケーションを、SNSという場を上手に使って展開するということが大切だと思います。後編では、こうした活用方法についてお話しします。

(2006年12月12日掲載)

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