BCM (事業継続管理) 編 [第1話] 「BCM (事業継続管理) の必要性」
BCM (事業継続管理) の必要性
普段、何の不具合もなく稼働しているシステムであっても、突然、動かなくなるといったことは起こります。その原因は、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどの不具合や人為的なミス、地震などの自然災害などさまざまです。このような不測の事態に備え、予防したり、事後の対策を考えておくなどして、事業の継続に影響が出ないようにすることを、BCM (事業継続管理) と言います。
BCMを行っていなかった場合に、どのようなことが起きるか考えてみましょう。突然のシステムダウンが、そのまま業務の停止に結びついてしまい、顧客情報や販売情報などの重要な機密情報も失われてしまうかもしれません。また、業務の停止が長引いた場合、収益や顧客関係に大きなダメージを与え、企業価値の低下や倒産の危機に陥ることも憂慮されてきます。さらに、事業活動の停止は、当該企業だけでなく、取引先や得意先などの関連企業、および提供されていたサービスを享受するエンドユーザーなど、広く社会全般に影響を及ぼす可能性があります。このような被害を最小限に防ぐために、BCMは、障害による業務への影響をできる限り少なくすることと、可能な限り早く復旧することをめざして計画が立てられます。

BCMという考え方が注目されるようになったのは、2001年に米国で発生した同時多発テロによって企業の事業継続への関心が高まったことと無縁ではないようです。ISO (国際標準化機構) では事業継続計画(BCP)の標準化が進められ、日本でも、2005年に「事業継続ガイドライン 第一版 -わが国企業の減災と災害対応の向上のために-」が内閣府から発表されました。また、これに先立って経済産業省からは「企業における情報セキュリティガバナンスのあり方に関する研究会 報告書 参考資料 事業継続計画策定ガイドライン」が公表されました。このガイドラインではBCMの実現に不可欠であるICT環境に対するBCPの策定手順や検討項目などについて解説がなされています。
ICT (情報通信技術) については、一般に企業の情報通信リソースを有効に活用して積極的な経営戦略を実現する「攻め」の側面が強調されることが多いようですが、BCMによってしっかりと「守り」を固めることで、はじめてICTは事業の健全な成長と、CSR (企業の社会的責任) の遂行に貢献することが可能になると考えられます。
今回からのネットワークワンポイント講座では、企業の事業継続に必要とされるBCMについて、ネットワークやシステム面などの具体的な対策方法も交えながら解説していきます。
ワンポイント
BCMで「守り」を固めるこが「攻め」の経営を可能にする。
(2007年06月20日掲載)




