データセンター編 [第4話] 「海外でのデータセンター利用」
海外でのデータセンター利用
海外に拠点や現地法人を持つ企業が現地でシステムを運用していくにあたって、気をつけておくことがあります。それは、文化や言語、商慣習が国ごとに違うように、システムやネットワークを構築する基盤となるICTインフラも異なり、回線引き込みなどに関わる手続きや、機器の調達なども、日本と同じようにはいかないということです。
海外拠点でシステムを自社内に構築し、運用する場合の困難としては、例えば、サーバールームを設置しようとした場合、行政への工事申請の手続きが分かりにくかったり、許可が下りるまでの時間がかかるなどの問題が、最初の障害になるかもしれません。また、現地の工事会社では、免震技術のノウハウなどがない場合もあります。サーバールームを設置できた後も、サーバーや機器の調達、システムインテグレーションなどを、言葉や文化の違いを乗り越えてスムーズに進めることは、非常に大きな労力が必要になります。また、運用においても、システムやネットワークの管理スタッフを現地で新たに雇用したり、あるいは、日本から呼び寄せたりする必要もあります。政治情勢や業績などの変化によっては、現地から撤退することもあり得るため、コストをかけて自社にサーバールームを構築することは、経営上大きなリスクとなります。
そこで現地のデータセンターを利用することが選択肢となってきますが、日本のデータセンターと同等のサービス品質を期待できるとは限りません。まず、建物の基本的な構造において、耐震などの対策が不十分なことがあります。セキュリティ面でも、入退室のチェックが甘いことも多く、機器やデータの物理的な盗難の可能性もあります。電源設備に関しても、必要な電源が確保できないことがあったり、UPSや自家発電装置が完備されていないこともあります。運用体制においては、十分な運用監視サービスが提供されず、障害発生時の対応が遅いなどの問題や、バックボーンネットワークの脆弱性から、自社のシステムがウイルス感染やサーバー攻撃の脅威にさらされることもあるようです。
こうした事情により、現地のデータセンターを利用する際に日本と同等のサービス品質が得られないこともあるようです。そこで、賢明なのは、日本のデータセンター事業者が海外に設置した施設を利用することです。こうした施設では日本語での対応や取り次ぎが可能なため、契約時の手続きや運用後の障害対応などもスムーズに行うことができます。また、日本のデータセンターと同等レベルの設備を整えているケースも多く、システムの構築や運用、保守などのサービスも安心して任せることができます。

ワンポイント
海外では、国内と同じ企業が運用・提携するデータセンターを利用すれば安心
(2008年5月28日掲載)




