国際ネットワークサービス編 [第2話] 「インターネットVPNの危うさ」
インターネットVPNの危うさ
インターネットVPNは、ISPが提供するインターネット接続サービスを利用し、IPsec (注) などにより簡単にVPNを構築することができます。価格的にもほかのVPNと比べて安く利用することができます。しかし、通信品質の保証がないことが多く、遅延が許されないテレビ会議や、公衆網をベースとしていることから、顧客情報などの機密情報を送受信するには不向きなVPNだといえます。
また、海外では、その国や地域にもよりますが、突然インターネット接続が途切れたり、時間帯によって十分な速度が出なかったり、度々遅延するなど日本国内では考えられないような状況に遭遇します。ときには、東京と上海間の通信に、米国や欧州を経由してくるデータを目にすることもあります。
インターネット接続代金だけを見れば、IP-VPNなどの網型ネットワークに比べインターネットVPNは確かに安いのですが、ネットワークの不具合は、利益の損失や事業継続の危機に直結します。たとえば、ネットワーク障害によって海外の現地工場に送るはずの設計データが、ルーティングの途中で破棄されたり、あるいは、ISP側で何らかの不具合が発生し、不達となり、結果、生産ラインが停止してしまうなどの事態を、事業計画や予算を事前に組み入れなければなりません。ネットワーク品質の水準が不確かな海外では、インターネットVPNをビジネスに利用することのリスクは大きいといえるでしょう。
そこで、推奨できるのがIP-VPNなどの企業向けネットワークサービスです。通信事業者が専用に構築したネットワークを利用するため、IPネットワークであっても、その網内の稼働率や通信品質をSLAとして保障するサービスもあります。可能性の高いネットワーク障害による潜在的な損失を考えれば、安さだけに目を奪われることの危険が理解できると思います。

- 注) IPsec: (Security Architecture for Internet Protocol) IPパケットの暗号化と認証を行なう仕組み。
ワンポイント
国や地域によっては、インターネットの品質への常識は通用しない
(2006年11月28日掲載)




