PLC (高速電力線通信) 編 [第4話] 「PLCとセキュリティ」
PLCとセキュリティ
PLCは電力線を通信に利用するため、必要のない場所までケーブル伝いに信号が届く可能性もあります。ここで気になるのが、PLC利用時のセキュリティリスクです。その点について、無線LANと比較してみましょう。
PLCでは、データ信号をAES128bit (注) などで暗号化しています。一方、無線LANで最も一般的に用いられているのは、13文字のWEPキーを使用するWEP128bitです。PLCで利用されるAESはWEPよりも複雑な暗号方式なので、信号を受信されたとしても解読される可能性は非常に低いと言えます。また、無線LANが目に見えない電波を近隣ビルまで送信してしまうのにくらべ、物理的な電力線を利用するPLCでは、信号が伝わる範囲をあらかじめ想定できる分リスクを把握しやすいと言えます。
さらに、暗号化の方式以外にも、PLCには専用のモデムを使用することでのメリットがあります。無線LANの場合、接続するコンピュータなどの端末ごとに、面倒なセキュリティの設定を行う必要がありますが、PLCでは、モデムの親機と、その親機に登録された子機の間で暗号化通信が行われるため、子機の配下に接続されるコンピュータ側ではセキュリティの設定を行う必要がありません。
親機への子機の登録は、親機と子機のボタンを押すだけで簡単に行えるものもあります。ここで気をつけたいのが、親機の設置場所です。だれでも親機のボタンが押せる状態にあると、子機を簡単に増設されてしまうからです。配線場所が限られている有線LANとは違い、電源のコンセントは社内随所に存在しますので、不正に接続された子機をすぐに発見できない可能性もあります。不正アクセスを防ぐためにも、親機はきちんと管理しておく必要があります。
セキュリティなどの懸念から無線LANの使用を控えていた企業にとっても、PLCは新たな選択肢となるでしょう。

- 注) AES128bit: 米国商務省標準技術局 (NIST) によって選定された米国政府の標準暗号化方式であるAESの内、128bitの暗号鍵を利用するもの。
ワンポイント
簡単接続のPLCはセキュリティも強固。親機の適切な管理で不正接続を防げる。
(2007年03月13日掲載)




