PLC (高速電力線通信) 編 [第1話] 「『第3のLAN』として注目されるPLC」
『第3のLAN』として注目されるPLC
PLC (Power Line Communication: 高速電力線通信) は、電力線を利用してデータの送受信を可能にするネットワーク技術です。コンセントにプラグを差し込んで電気を使用するのと同じ感覚で、手軽にネットワークに接続できます。今回からのネットワークワンポイント講座は、法的にも認可され、モデムなどの具体的な製品も登場しはじめたPLCについて、その概要や利用方法のポイントなどを解説致します。
PLCは、電力線に高周波信号を乗せることで通信を可能にします。この高周波信号を利用するには法律 (電波法) に基づいた認可が必要となりますが、PLCにはノイズを発生させるなどの課題もあったため、これまでの日本では認可がされていませんでした。しかし、技術の発展による飛躍的なノイズの抑制に成功。2006年10月の電波法改正にあわせ「屋内に限り」という限定はつくものの、ようやくPLCの利用が認可され、2006年末からはさまざまなPLC機器が発売されるようになりました。
もともとはインターネットのアクセス回線というイメージが強かったPLCですが、現時点では屋内での利用に限られているため、無線LANと同じような利用イメージというとわかりやすいかもしれません。有線LAN、無線LANに次ぐ『第3のLAN』と言われることもあります。たとえば一般家庭でPLCを利用しインターネットに接続するには、インターネット接続用のADSLや光ファイバーなどのアクセス回線が必要になります。そして、そのアクセス回線のモデムやONU (光回線終端装置) とPLCモデムをつなぐことで、はじめてそこから先のコンセントを介したインターネット接続が可能になります。

PLCモデムには、ADSLや光ファイバーなどに流れているネットワーク信号を屋内の電力線 (電気コード) に流すための親機と、信号を電力線から取り出してパソコンなどに接続できるようにする子機があります。設置場所が複数あれば、必要に応じて子機を追加することも可能です。

(写真は、アイ・オー・データの「PLC-ET/Mシリーズ」の親機と子機)
PLCのメリットは、LANケーブルなどを新たに敷設しなくても、コンセントからすぐにネットワークを利用できることにあります。PLCが広く普及しているヨーロッパでは、建物を傷つけられない老舗ホテルなどでの活用事例があげられます。天井や壁に穴を開けるLANケーブルの敷設工事ができないため、客室など施設内の各所に配置されている電気のコンセントを利用するというものです。無線LANもケーブルを引き回す必要がない点では便利ですが、電波が届く範囲内にアクセスポイントを設置する必要があるため、手軽さという点ではPLCが有利といえます。
ワンポイント
PLCはコンセントさえあれば、無線LANの届かない場所でも利用できる。
(2007年01月30日掲載)




