シンクライアント編 [第1話] 「情報資源を安全に活用できるシンクライアント」
情報資源を安全に活用できるシンクライアント
ネットワーク技術の進展により、地理的な条件を意識せずにコミュニケーションが行えるようになりました。しかし、インターネット経由で感染したウィルスやスパイウェアによって、PCに保存した情報が盗難に遭うといった被害も起きるようになりました。ウィルスやスパイウェアに対抗するための手段にはいくつかありますが、シンクライアント (注1) を利用することで、ネットワーク上で安全に情報を活用する方法が注目されています。
シンクライアントは、アプリケーションの実行やデータの保存などはサーバーで行い、クライアントには、最小限の機能だけを持たせるというシステムで、クライアントの多くは、サーバー側で処理された内容を画面に表示するだけの役割しか持ちません。Windows XP EmbeddedなどのOSは搭載されるため、ウィルスやワームに感染する可能性をゼロにはできませんが、従来のPCよりは低く抑えられるメリットがあります。また、端末の区別なく、認証したユーザーごとに画面を表示できるため、クライアントマシンを共有利用できるという特徴もあります。故障の原因となるハードウェアが単純なことと、サーバー側で一括して運用管理できるため、TCO (注2) 削減の有効手段として90年代後半に開発されました。最近では、有効なセキュリティ対策として注目されています。日経マーケット・アクセスの調査 (注3) では、3割を超える企業がシンクライアントの導入を2年以内に検討しています。一方、使い勝手を理由にシンクライアントを有望視しないという回答もあり、今後のシステム導入ではそれぞれを検討する必要があると言えます。
シンクライアントの主なメリット
- ハードディスクを持たないため、データの持ち出しができない
- 画面表示のみを行うため、ウィルスやワーム感染リスクがない
- 個々のクライアントの管理が不要で、管理コストを削減できる
- サーバー側で起動するため、アプリケーションを一括管理できる
- 場所を問わず、自分の環境になる
- 注1) シンクライアントとは、必要最小限の機能のみを持ち、サーバーで行った処理結果を表示させる端末を使用するシステム。従来のPCをfat (太った) クライアントと例え、thin (やせた) クライアントと呼ぶ。
- 注2) TCOとは、Total Cost of Ownershipの略で、システムを導入し、運用していくのに必要となるコストの総額。運用費までを含めることで、正確なシステム費用を試算できる。
- 注3) 日経マーケット・アクセス (「日経ソリューションビジネス」4月30日号) の調査によると、シンクライアントの導入企業比率は現在5%に過ぎないが、2008年には35%、長期的には57%を超える見込み。逆に、シンクライアントを有望視しない企業の約55%が、従来PCとの使い勝手の差を理由にあげている。
ワンポイント
シンクライアントはウィルスに感染しづらい!
(2006年06月13日掲載)




