アカルイミライ Autumn2010

2 ソーシャルメディア視聴 テレビの向こうのみんなの気持ち

言語解析の研究

KDDI研究所 知能メディアグループ 池田 和史 (いけだ・かずし)

文書データや情報の言語解析を軸とした、放送と通信の融合についての研究を行っています。

何ができるの? 今放送しているこの番組、みんなどう思っているのか、すぐにわかる

今見ている番組、どんな人が見てるの? どんな意見を持ってるの? ということが、すぐにわかるアプリです。タブレット型コンピューターやケータイに、番組視聴者の意見の傾向がグラフなどで瞬時に表示されます。視聴者層ごとの意見などがすぐに見られ、それぞれの意見をもっと詳しく見ることもできます。

ツイッターやブログ、掲示板などでも、意見は見られるのでは?

たしかに、そうしたものを見ると、いろいろなコメントがのっています。でも、一人ひとりのコメントは見られても、全体の傾向まではわからないですよね。たまたま目にしたコメントが否定的なだけで、ほんとうは肯定的な視聴者が多いのかもしれない。
このアプリは、そうしたツイッター、ブログ、掲示板などに掲載されているコメントを一気に拾うので、全体の傾向がわかるんです。同時にその人のプロフィールやこれまでのコメントの傾向などから、どんな人なのかも分析するので、年齢や職業なども見えてきます。
賛成派にはどんな職業の人が多いのか、20代男性はどんな意見を持っている人のか、なんてことがわかるんです。

どんな仕組みなの? 言語解析の技術で、視聴者のコメントを判定

画像の認識の研究

まず、ツイッター、ブログ、掲示板など、インターネットの中にある視聴者のコメントをKDDIのサーバーが収集します。ここで登場するのが、言語解析の技術です。サーバーには、肯定にあたるキーワード、否定にあたるキーワードがのっている辞書が登録されています。ここで、収集した視聴者のコメントが肯定なのか、否定なのか、この辞書をもとに判定していきます。
さらに、サーバーでは、そのコメントをした視聴者のプロフィール、日常のコメントなどを取得し、高精度な視聴者層の推定まで行います。例えば、日常のコメントで「期末テスト」という言葉を使う人は10代の学生がほとんどですよね。このように年代や職業、趣味などによって微妙に異なるコメントの傾向を発見し、視聴者層を推定することができます。
単純にコメントを眺めているだけではわからない、世間全体や視聴者層ごとの意見の傾向を集約することができる点が特長の技術だと思います。

どんな仕組みなの? キーとなるのは画像認識技術、認識結果と個人の属性によって情報を表示し分ける

家族でテレビを見ていて、「我が家ではこんな意見が出ているけど、みんなはどうなんだろう」と気になるときに、使ってほしいです。
例えば……サッカー日本代表の試合。ここで○○を下げて、××を入れるのはどうだろう。サポーターはどう思っているの? なんて気になるとき、すぐに他の人の賛成反対がわかります。監督の是非論も、試合が勝っているときは賛成が多いけど、負けると反対が多くなったり。試合の経過にあわせて、リアルタイムでみんなの意見がわかるのはおもしろいですよ。

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大学での研究は、学術的に興味深いテーマの論文を書いて発表やデモをすることが重要でした。企業では実用化を意識した研究が重要となるため、厳しい制約の中で工夫をしながら研究を進めなければなりません。実用化に向けて完成度を高めていくことも求められます。でも、それが企業での研究の魅力であり、高い評価につながるんですよね。自分の研究が世に出て、みんなの役に立つというおもしろさもあります。
今、入社3年目ですが、研究成果の実用化に向けた取り組みに参加できるようになりました。こうした手応えがあると、ますます研究職がおもしろくなってきます。今研究しているこのアプリも、早期の実用化を目指して取り組んでいます。

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