特集: お客さま一人当たり売上 (ARPU) の最大化に向けて

2014年7月現在

お客さま一人当たり売上 (ARPU) の最大化に向けて

日本の通信市場においては、モバイル通信事業者間における端末・ネットワークの同質化が進み、競争上の差別化が困難となる中、1人のお客さまがスマートフォンに加えてタブレット・モバイルWi-Fiルーターなど複数の端末を利用する「マルチデバイス」化の時代が本格的に到来しつつあります。

こうした環境下において、KDDIでは、これまでに構築してきた顧客基盤のさらなる拡大を図るとともに、今後の競争環境変化に左右されない安定成長を可能とするためのARPU拡大にも取り組んでいます。

au通信ARPUは2014年3月期第4四半期に対前年同期比で反転、今後もスマートフォン浸透率の上昇による拡大を土台としつつ、マルチデバイス化の推進を通じた新たなARPUの創出に加え、日本特有とも言える非通信領域における付加価値ARPUの拡大を図ることにより、お客さま1人当たり売上 (ARPU) の最大化を目指します。

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お客さま数 (ID) の拡大

当社は、モバイルと固定通信の両方のネットワークを生かした「3M戦略 (マルチデバイス・マルチユース・マルチネットワーク)」を事業戦略の中核に据え、お客さまの満足度向上と収益の最大化を図っています。2012年3月から、スマートフォンと固定通信のセット販売である「auスマートバリュー」を販売戦略の中心に据え、KDDIグループが保有するモバイルおよび固定通信の顧客基盤に加え、全国の固定系事業者との「提携」をベースとした新たな顧客基盤を活用、クロスセルを通じて、モバイル・固定通信の両方における顧客基盤の大幅な拡大を実現しました。

この結果、au携帯電話の累計契約数は2014年2月に4,000万を突破、2014年3月末時点におけるauスマートバリューの契約数は、モバイル側で705万契約、固定側で358万世帯となり、パーソナルセグメントでのモバイル契約者数に占めるその浸透率 (注1) は22%まで拡大しました。

今後も、引き続き「auスマートバリュー」を中心に、スマートフォンシフトの推進と、モバイルおよび固定通信 (FTTH・CATV) 双方における顧客基盤の拡大を図っていきます。

  • 注1)
    (auスマートバリュー契約数 (モバイル))÷(au契約数からデータ専用端末、モジュールを除く)

au通信ARPUの反転

au通信ARPUは、データARPU、音声ARPUおよび割引適用額 (毎月割影響 + auスマートバリュー影響) の3つで構成されています。au通信ARPUは、長らく対前年同期比で減少傾向が続いていましたが、「スマートフォンシフトの促進によるデータARPUの上昇」と「音声ARPUの下げ止まり」に加え、携帯電話端末の販売奨励金の一部を24ヶ月間の月額通信料から値引きする「毎月割」の設定額をコントロールしたことにより、2014年3月期第4四半期において12期ぶりに対前年同期比での反転を実現しました。

  • 注2)
    au通信ARPU= [音声 (割引前)]+[データ]-[割引適用額]
    au通信ARPU (旧定義): タブレット・モジュールを除く、モバイル累計契約数

スマートフォンシフトの促進と毎月割設定額のコントロールを両立

スマートフォンシフトの促進によるデータARPU上昇

スマートフォンシフトの促進により、スマートフォン浸透率は2014年3月末時点で49%と、前年同期比で10ポイント以上上昇しました。中でも、3Gスマートフォンに対して月額料金が+500円となる (注3) LTEスマートフォンの浸透率は35% (全スマートフォンの70%超がLTE) となっており、データARPUの上昇に寄与しています。

  • 注3)
    iPhoneキャンペーン料金を除く
  • 注4)
    (au LTEスマートフォン+au 3Gスマートフォン)÷(au契約数からデータ専用端末、タブレット、モジュールを除く)

毎月割設定額のコントロールによる割引影響の縮小

「毎月割」は、携帯電話端末の販売奨励金の一部を24ヶ月間の月額通信料から値引きするサービスです。端末販売時における営業費用を抑制する効果がある反面、将来のau通信ARPU減少を招く要因となります。スマートフォン販売の開始とともに導入した割引制度であり、スマートフォン浸透率の上昇とともに、ARPUに与える割引影響が拡大するトレンドにありました。

2014年3月期に入り、au通信ARPUの反転を実現させるため、端末販売奨励金における毎月割部分を抑制し、営業費用の割合を拡大するなど、毎月割抑制に向けたコントロールを実施しました。

これにより、2014年3月期における毎月割影響は、各四半期において約-750円とフラットに推移し、au通信ARPUの減少トレンドに歯止めをかけました。

「スマートフォンシフトの促進」と「毎月割設定額のコントロール」の両立に成功したことにより、当初計画どおり、2014年3月期第4四半期において、2002年3月期以来12期ぶりとなる対前年同期比でのau通信ARPUの反転を実現させることができました。

今後の見通し

スマートフォン浸透率は、今後も着実に上昇を続け、数年後には70%を超えると見ています。一方、毎月割については、引き続き割引影響のコントロールを徹底していきます。2015年3月期のau通信ARPUは、通期ベースで前期を上回る前期比1.2%増を見込んでおり、今後は純増モメンタムに大きく依存しない安定した利益成長を可能とする基盤が整いました。

  • 注5)
    au通信ARPU=[音声 (割引前)]+[データ]-[割引適用額]
    au通信ARPU (新定義): データ専用端末・タブレット・モジュールを除く、モバイル累計契約数

新デバイスARPUの拡大

マルチデバイス化の時代が本格的に到来しつつある背景を踏まえ、今後は、お客さまのマルチデバイス化を推進し、ご利用の通信デバイスのすべてから創出される「通信料+付加価値サービス収入」の合計額拡大を目指していきます。

マルチデバイス化の推進に当たっては、主にタブレットとモバイルWi-Fiルーターを対象に、料金プランの強化と合わせて拡販に取り組んでいます。

世帯普及率が20% (注6) に達し、今後のさらなる普及が見込まれるタブレットについては、スマートフォンとのセット割引キャンペーンとして販売を強化しています。

また、単身者向けには、固定ブロードバンド回線よりもモバイルWi-Fiルーターに対するニーズが高いこともあり、スマートフォンとのセット割引「auスマートバリューmine」としてモバイルWi-Fiルーターの販売を強化しています。

スマートフォンおよびフィーチャーフォンを対象とした従来のau通信ARPUに、タブレットおよびモバイルWi-Fiルーターなどの新たなデバイスから創出されるARPUを加えることで、お客さま (ID) 当たりARPUの拡大につなげていきたいと考えています。

  • 注6)
    出所: 内閣府平成26年3月実施調査結果: 消費動向調査

付加価値ARPUの拡大

通信事業者がコンテンツビジネスを収益化できる理由

当社は、非通信領域における付加価値売上 (注7) の拡大にも積極的に取り組んでいます。現在、付加価値売上の中心は、モバイルユーザーがデジタルコンテンツを購入する際の課金収入となっています。日本におけるモバイルコンテンツビジネスの特徴として、お客さまがコンテンツを購入する際の決済手段については、通信事業者が提供する料金回収代行サービス (キャリアビリング) を利用することが一般的となっています。特に、Android (TM) 端末においては、全決済額の7割強をキャリアビリングが占めるほど定着しており、通信事業者はコンテンツビジネスにおける収益化を実現しています。
  • 注7)
    auスマートパスをはじめ、auスマートパスをベースとしたアップセルサービス、既存の協業サービス、事業者決済手数料、広告収入を対象とした売上を、パーソナルセグメントの契約者数で割った値

当社においてそのベースとなっているのが「auスマートパス」です。「auスマートパス」は、500以上あるスマートフォン向けの人気アプリ取り放題をはじめ、クーポン・オンラインストレージ・セキュリティサービスなど、オープンなインターネットの世界を安心・安全に楽しんで頂くための機能を月額372円 (税抜) で提供するサービスです。

フィーチャーフォン時代においては、お客さまは通信事業者が提供するポータルサイトを通じてコンテンツを購入し、決済では通信事業者によるキャリアビリングサービスを利用することにより、通信事業者が一定の手数料収入を得る通信事業者による垂直統合型のビジネスモデルが確立されていました。一方、スマートフォン時代のオープンインターネットの世界においては、通信事業者のサービスを利用することがお客さまにとって唯一の選択肢ではなくなりました。そこで、膨大なオープンインターネットの世界においてお客さまが安心・安全にコンテンツを利用することができ、且つ、通信事業者にとってはお客さまとの接点の再構築が可能となる「auスマートパス」を2012年3月より開始しました。サービス開始から2年が経過した2014年3月末時点における会員数は、auスマートフォンユーザー全体の6割超に相当する1,025万会員にまで達しています。auスマートフォンを新たにご購入のお客さま (注8) のうち約8割が本サービスに新規契約される状況が続いており、会員数は順調に拡大し続けています。

  • 注8)
    既存auスマートパスユーザーの機種変更を除く

付加価値ARPUの推移

我々は、コンテンツビジネスの強化を通じて、お客さま1人当たりの付加価値売上である付加価値ARPUの着実な成長を実現しており、2014年3月期第4四半期には前年同期比32%増となる330円まで上昇しました。

なお、スマートフォンユーザーのみに限定した場合、付加価値ARPUは560円まで上昇しており、今後のスマートフォン浸透率上昇に伴い、付加価値ARPUもさらなる成長が期待できます。

さらに、auスマートパスをベースとして、音楽・映像・電子書籍のような定額制・使い放題型サービスへのアップセル推進を図るとともに、O2O (Online to Offline) ビジネスも推進することにより、付加価値ARPUのさらなる拡大を目指しています。2014年3月末におけるauスマートパス会員の付加価値ARPUは720円となっており、スマートフォンユーザーの付加価値ARPUを大きく上回る水準となっています。

  • 注9)
    表記の金額はすべて税抜

「au WALLET」による、リアル経済圏での新たな収益源の確保

付加価値ARPUのさらなる拡大を図るための施策として、従来のオンライン上におけるコンテンツ課金を中心とした経済圏に加えて、リアル店舗における決済の経済圏についても新たな収益源として取り込んでいきます。これを具現化したものが、2014年5月21日より開始した新しい電子マネーサービス「au WALLET」です。「au WALLET」は、auの各種ネットワークサービスを利用するための認証キーである「au ID」に、リアル店舗でも利用可能な決済機能を追加した新しい電子マネーサービスです。

MasterCard (R) との提携により世界約3,810万店舗で利用可能であること、且つ、回収率が99%と非常に高いキャリアビリングの強みを活かしてチャージ (入金) の利便性を高めたことにより、所有者が限られるクレジットカードと利用場所が限られる電子マネーの弱点を同時に解決している点が強みです。この強みを活かすことにより、早期に市場での浸透率を高め、まずは2017年3月期における流通規模1兆円を目指しています。なお、お申込み受付開始後の状況については、2014年5月30日に累計100万件を、同6月30日には累計300万件を突破しており、想定を大幅に上回るペースで推移しています。

また、本サービス導入のために要した設備投資などの関連費用は限定的であり、早期の利益創出が可能である点も大きな魅力です。

将来的には、ネットとリアルの融合を本格化し、新たな「ネット+リアル経済圏」の創出を通じて新たなビジネスに発展させることにより、付加価値ARPUの最大化を図っていきたいと考えています。

  • 注10)
    一部の店舗・サービスは対象外です

KDDI

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