事業等のリスク

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しています。
また、現時点では必ずしもリスクとして認識されない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しています。
なお、当社は、これらのリスクによる問題発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の適時適切な対応に努める所存です。
本項においては、将来に関する事項が含まれますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありませんのでご留意ください。

1. 他の事業者や他の技術との競争、市場の急激な変化

日本の情報通信市場は、従来型の携帯端末からスマートフォンやタブレット端末といった「スマートデバイス」へのシフトとLTEによる通信ネットワークの高速化が進む一方で、サービスや端末等における同質化が進んでいます。
スマートフォンが普及する中で、通信事業者各社はお客様のニーズに合わせた多様な新料金プランを導入、あるいはMVNO事業者の新規参入が相次ぐ等、今後のスマートフォン移行対象となるレイトマジョリティ層の開拓をめぐり、移動通信分野における競争環境は新たな局面を迎えています。
また、NTTグループによる「光アクセス回線卸売」を利用した「固定・移動のセット (バンドル) 割引」開始に加え、今後のMVNOの更なる普及及びSIMロック解除の推進等、情報通信市場全般の競争環境の変化が予想されます。
そのような環境の下、当社は、新たな成長ステージを目指して、通信料収入と付加価値売上の拡大をベースとした事業成長を図ってまいります。そのために、ネットワーク・端末・サービス・サポート・料金等あらゆる面で「auらしさ」を磨き上げ、差別化を強化することで競争環境の変化に対応してまいります。また、国内の事業成長だけではなく、グローバル分野におきましても、新たな成長機会へのチャレンジをしてまいりますが、他の事業者や他の技術との競争、市場の急激な変化により、主に以下の事項に不確実性が存在し、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

  • 当社グループの期待通りの需要が存在するかどうか
  • 当社グループの期待通りに契約数を維持拡大できるかどうか
  • 競争激化に伴う料金値下げによる通信料収入の低下、販売コミッションやお客さま維持コストの増大
  • 契約者のサービス利用頻度が下がることによる通信料収入の低下
  • 不測の事態が発生した場合であってもネットワーク及びコンテンツの品質等がお客さまの満足度を維持できるかどうか
  • 他の事業者と比較して、常により魅力のある端末やコンテンツを提供できるかどうか
  • 端末の高機能化等に伴う端末価格の上昇、販売コミッションの増加
  • 迷惑メール、主にスマートフォンのセキュリティ脆弱性がもたらす脅威によるお客さま満足度の低下や防止対応コストの増加
  • 新周波数対応による基地局建設やデータトラフィック急増に伴うネットワークコストの増加
  • 当社の必要に応じた周波数を獲得できるかどうか
  • 新たな高速データ無線技術による競争激化
  • 通信方式、端末、ネットワーク、ソフトウエア等における特定技術への依存による影響
  • 無料通話アプリ等の拡大に伴う音声通話料収入の縮小
  • 他の電気通信事業者との接続料金値上げの可能性
  • 異業種との提携、固定通信と移動通信のセット販売、MVNO事業者の新規参入等の事業環境の変化に伴う競争の激化

2. 通信の秘密及び個人情報・顧客情報の保護

当社は電気通信事業者として通信の秘密の保護を遵守するとともに、個人情報・顧客情報保護に関して、リスクマネジメント本部、セキュリティオペレーションセンター、ならびに情報セキュリティ委員会を設置して内部からの情報漏洩防止、及び外部ネットワークからの不正侵入の防止に関わる全社的対応策の策定及び実施に取り組んでおります。
また、「KDDI行動指針」の制定、「KDDIセキュリティポリシー」及び「KDDIプライバシーポリシー」の制定、「顧客情報保護ハンドブック」の配布、企業倫理委員会の設置等、KDDIグループとしてコンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。
さらに、個人情報・顧客情報を管理している情報システムの利用制限、利用監視の強化、アクセスログの保存、社内データの持ち出しや業務パソコンから外部メモリーへのコピーの禁止等、情報漏えい対策を強化しております。
これらの啓発活動として、当社全社員に対しては継続的に通信の秘密及び個人情報・顧客情報の保護に関する教育を行い、また、業務委託先、特に販売店であるauショップに対しても、店舗業務の改善、監査、ならびに教育を徹底し、管理強化を図っております。
ただし、将来において情報の漏洩が発生しないという保証はありません。情報の漏洩が発生した場合、当社グループのブランドイメージや信頼性の失墜、莫大な補償を伴う可能性があり、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、将来的に通信の秘密及び個人情報・顧客情報保護体制の整備のため、更なるコストが増加する可能性があります。

3. 自然災害・事故等

当社グループは音声通信、データ通信等のサービスを提供するために、国内外の通信ネットワークシステム及び通信機器等に依存しております。当社グループは自然災害・事故等によるサービスの停止、中断等のリスクを可能な限り低減するため、ネットワークの信頼性向上とサービス停止の防止対策に取り組んでおります。しかし、ネットワークシステムや通信機器の障害などによるサービスの停止や大規模な誤請求・誤課金、販売代理店の閉鎖や物流の停止に伴う商品・サービスの提供機会損失等が発生した場合、当社グループのブランドイメージや信頼性の失墜、顧客満足度の低下により財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループのサービスの提供が停止する主な事由として以下のものが考えられます。

  • 地震及び津波、台風、洪水等の自然災害やそれに伴う有害物質の飛散等の二次災害
  • 感染症の流行
  • 戦争、テロ、事故その他不測の事態
  • 電力不足、停電
  • コンピューターウィルス、サイバーアタック、ハッキング
  • オペレーションシステムのハード、ソフトの不具合
  • 通信機器等の製品やサービスに係る欠陥

4. 電気通信に関する法規制、政策決定等

電気通信に関する法律、規制の改廃または政策決定等が、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループのブランドイメージや信頼性に悪影響を与える社会的問題を含め、こうした法規制や政策決定等に対して当社グループは適切に対応していると考えておりますが、将来において適切な対応ができなかった場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、今後の競争政策の在り方について、総務省等における様々な審議会や研究会や意見募集等を通じて、他の電気通信事業者との公正競争を有効に機能させるための措置の必要性を訴えておりますが、この取り組みに関わらず結果として当社の競争優位性が相対的に損なわれた場合にも、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
電気通信に関する法律、規制の改廃または政策決定や当社グループの競争優位性等の観点で、主に以下の不確実性が存在しています。

  • モバイルビジネスモデルに関するルール
  • 事業者間接続料金の算定方式、会計制度の見直し
  • 指定電気通信設備制度、禁止行為規制の見直し
  • ユニバーサルサービス制度の見直し
  • MVNO等による移動通信事業への新規事業者参入
  • 電波利用ルールの見直し
  • NTT東・西の次世代ネットワークに関する接続ルール
  • NTT東・西、NTTグループの事業の在り方に関する規制
  • 消費者保護に関するルールの見直し
  • 有害サイトの増加等によるインターネットに対する規制
  • 携帯電話の利用に対する規制
  • 電波の健康への影響に関する規制

5. 公的規制

当社グループは、事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障、さまざまな政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止法、特許、消費者、租税、為替、環境、労働、金融等の法規制の適用を受けております。これらの規制が強化された場合や当社グループ及び業務委託先等において規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限され、コストの増加につながる可能性があります。

6. 訴訟・特許

当社グループの商品、技術またはサービスに関して、知的財産権を含む各種権利等の侵害を理由とする訴訟が提訴され、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

7. 人材の確保・育成

当社グループは、技術革新に即応すべく全社をあげて人材育成に注力しておりますが、期待通りの効果が出るまで一定の期間を要することがあります。また、将来的に人材投資コストが増加する可能性があります。

8. 退職給付関係

当社グループは、確定給付企業年金制度 (基金型) および退職一時金制度 (非積立型) を設けており、なお、連結子会社の一部においては確定拠出年金制度及び総合設立型厚生年金基金制度を設けております。定期的に退職給付債務の将来予測に基づく資産運用方針、運用機関の見直しを行っておりますが、今後、当社グループの年金資産の運用利回り低下により年金資産の時価が下落した場合、または、退職給付債務を計算する上での前提条件 (割引率、人員構成、昇給率等) が大幅に変更になった場合に損失が発生する可能性があります。

9. 減損会計

当社グループは、2015年3月期において、通信設備の一部を含む稼働率が低下している資産および2GHz帯におけるLTE広帯域化に伴い不稼動状態となった設備のうち転用しないこととなった設備等について減損損失を計上しております。なお、将来において、保有する固定資産等の使用状況等によっては、さらに損失が発生する可能性があります。

10. 電気通信業界の再編及び当社グループの事業再編

国内外における電気通信業界の再編は、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、将来的に当社グループにおいて事業の再編を行う可能性もありますが、この再編が当社グループに好影響を与えるかどうかの保証はありません。

当社連結子会社であるDMX Technologies Group Limited (以下「DMX」、所在地: 香港、シンガポール証券取引所 (以下「SGX」) メインボード上場) はDMX子会社の平成20年及び平成21年の不適切な会計処理についてSGXにおいて公表をしております。
現在、DMXでは、新CEOを中心とした新経営体制による社内調査委員会による調査、DMXの会計監査人による会計監査及び社外弁護士によるDMXの過去の取引の事実関係、影響額及び責任の所在等の調査を実施しておりますが、その調査の過程で、上記平成20年及び平成21年の取引に加え、新たに一部の取引に関連した売上債権等の資産の回収可能性及び健全性について疑義が生じております。
当社としては、独自に当該事象の調査を開始しておりますが、それに加え、当社のDMXに対する資本参加及びその後の管理に関する事実関係の調査、分析、並びに、原因の究明及び今後の再発防止策の策定を目的として、外部有識者による調査委員会 (以下「外部調査委員会」) を本年5月12日付で設置いたしました。
今後、外部調査委員会の調査結果等を踏まえつつ、海外子会社のガバナンスを強化し、海外事業の発展につなげていきたいと考えております。

KDDI

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