事業等のリスク

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
また、現時点では必ずしもリスクとして認識されない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。
なお、当社は、これらのリスクによる問題発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適時適切な対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありませんのでご留意ください。

1. 他の事業者や他の技術との競争、市場や事業環境の急激な変化

日本の情報通信市場は、従来型の携帯端末からスマートフォンやタブレット等の「スマートデバイス」への移行が進む中、携帯電話事業者が提供するサービス等の同質化や、MVNO各社による格安SIMサービス等の普及が進んでおります。また、通信事業者は新たな収益の確保に向けて通信以外のサービスへ事業領域を拡大しつつあり、各社の事業戦略は大きな転換期を迎えております。さらに、総務省による「スマートフォンの料金負担の軽減および端末販売の適正化に関する取組方針」を踏まえた携帯電話事業者への要請およびガイドラインの策定 (本年4月1日適用開始) 等もあり、情報通信事情全般の事業環境は新たな局面を迎えております。
当社は、このような事業環境の変化に対応し、競争力の更なる強化を図り、中長期での事業成長を目指していくために、「3M戦略」と「グローバル戦略」を推進しております。
国内については、「3M戦略」に基づき、ネットワーク・端末・サービス・サポート・料金等、あらゆる面で「auらしさ」を磨き上げ、更なる顧客基盤の拡充、スマートフォンの普及、マルチデバイスおよびマルチユースの推進を図っております。マルチデバイスでは、タブレット等の利用促進を成長の新たな推進力としております。マルチユースでは、「au経済圏の拡大」に向けて、物販事業、金融・決済事業の強化に加え、2016年4月からは電力小売事業に参入いたしました。なお、マルチデバイスおよびマルチユース推進に伴い、マルチデバイスによる収入を反映したお客さま一人当たりの「au通信ARPA (Average Revenue Per Account)」とお客さま一人当たりの「付加価値ARPA」を当期の重要KPIとし、両ARPAの最大化を図ってまいりました。
海外については、データセンター等の法人向けICTビジネスの基盤強化を図るとともに、ミャンマーにおける通信事業をはじめとした新たな成長機会への取り組みを進めておりますが、他の事業者や他の技術との競争、市場や事業環境の急激な変化により、主に以下の事項に不確実性が存在し、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

  • 当社グループの期待通りの需要が存在するかどうか
  • 当社グループの期待通りに契約数を維持拡大できるかどうか
  • 新規事業への参入等により期待通りの収入をあげられるかどうか
  • 競争激化に伴う料金値下げによる通信料収入の低下、販売コミッションやお客さま維持コストの増大
  • 契約者のサービス利用頻度が下がることによる通信料収入の低下
  • 不測の事態が発生した場合であってもネットワークおよびコンテンツの品質等がお客さまの満足度を維持できるかどうか
  • 他の事業者と比較して、常により魅力のある端末やコンテンツ等の商品、サービスを提供できるかどうか
  • 物販事業拡大に伴う商品不具合への対応
  • 端末の高機能化等に伴う端末価格の上昇、販売コミッションの増加
  • 迷惑メール、主にスマートフォンのセキュリティ脆弱性がもたらす脅威によるお客さま満足度の低下や防止対応コストの増加
  • 新周波数対応による基地局建設やデータトラフィック急増に伴うネットワークコストの増加
  • 当社の必要に応じた周波数を獲得できるかどうか
  • 新たな高速データ無線技術による競争激化
  • 通信方式、端末、ネットワーク、ソフトウェア等における特定技術への依存による影響
  • 無料通話アプリ等の拡大に伴う音声通話料収入の縮小
  • 他の電気通信事業者との接続料金値上げの可能性
  • 異業種との提携、通信と電力等のその他商品とのセット販売、MVNO事業者の新規参入、他事業者の事業領域の拡大等の事業環境の変化に伴う競争の激化

2. 通信の秘密および顧客情報 (個人情報) の保護

当社は電気通信事業者として通信の秘密の保護を遵守するとともに、顧客情報保護に関して、情報セキュリティ委員会を設置して内部からの情報漏洩防止、および外部ネットワークからの不正侵入の防止に関わる全社的対応策の策定および実施に取り組んでおります。
また、「KDDI行動指針」の制定、「KDDIセキュリティポリシー」および「KDDIプライバシーポリシー」の制定、「顧客情報保護ハンドブック」の配布、企業倫理委員会の設置等、KDDIグループとしてコンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。
さらに、顧客情報を管理している顧客情報システムの利用権限の管理、利用監視の強化、アクセスログの保存、社内データの持ち出しや業務パソコンから外部メモリーへのコピーの禁止等、技術的、組織的、人的の観点から各種安全管理措置を強化しております。
これらの啓発活動として、当社全社員に対しては継続的に通信の秘密および顧客情報の保護に関する教育を行い、また、業務委託先、特に販売店であるauショップに対しても、店舗業務の改善、監査、ならびに教育を徹底し、管理強化を図っております。
ただし、将来において情報の漏洩が発生しないという保証はありません。情報の漏洩が発生した場合、当社グ ループのブランドイメージや信頼性の失墜、莫大な補償を伴う可能性があり、当社グループの財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、将来的に通信の秘密および顧客情報保護体制の整備のため、更なるコストが増加する可能性があります。

3. 自然災害・事故等

当社グループは音声通信、データ通信等のサービスを提供するために、国内外の通信ネットワークシステムおよび通信機器等に依存しております。当社グループは自然災害・事故等によるサービスの停止、中断等のリスクを可能な限り低減するため、ネットワークの信頼性向上とサービス停止の防止対策に取り組んでおります。しかし、ネットワークシステムや通信機器の障害などによるサービスの停止や大規模な誤請求・誤課金、販売代理店の閉鎖や物流の停止に伴う商品・サービスの提供機会損失等が発生した場合、当社グループのブランドイメージや信頼性の失墜、顧客満足度の低下により財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループのサービスの提供が停止する主な事由として以下のものが考えられます。

  • 地震および津波、台風、洪水等の自然災害やそれに伴う有害物質の飛散等の2次災害
  • 感染症の流行
  • 戦争、テロ、事故その他不測の事態
  • 電力不足、停電
  • コンピューターウィルス、サイバーアタック、ハッキング
  • オペレーションシステムのハード、ソフトの不具合
  • 通信機器等の製品やサービスに係る欠陥

4. 電気通信等に関する法規制、政策決定等

電気通信をはじめ、電気事業や金融事業等に関する法律、規制の改廃または政策決定等が、当社グループの財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループのブランドイメージや信頼性に悪影響を与える社会的問題を含め、こうした法規制や政策決定等に対して当社グループは適切に対応していると考えておりますが、将来において適切な対応ができなかった場合には、当社グループの財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、今後の競争政策の在り方について、総務省等におけるさまざまな審議会や研究会や意見募集等を通じて、他の電気通信事業者等との公正競争を有効に機能させるための措置の必要性を訴えておりますが、この取り組みに関わらず結果として当社の競争優位性が相対的に損なわれた場合にも、当社グループの財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
電気通信等に関する法律、規制の改廃または政策決定や当社グループの競争優位性等の観点で、主に以下の不確実性が存在しています。

  • 事業者間接続料金の算定方式、会計制度の見直し
  • 指定電気通信設備制度、禁止行為規制の見直し
  • ユニバーサルサービス制度の見直し
  • MVNO等による移動通信事業への新規事業者参入
  • 電波利用ルールの見直し
  • NTT東・西の固定電話網のIP網への移行に関するルール
  • NTT東・西、NTTグループの事業の在り方に関する規制
  • 消費者保護に関するルールの見直し
  • 有害サイトの増加等によるインターネットに対する規制
  • 携帯電話の利用に対する規制
  • 携帯電話の料金その他の提供条件に関するルール
  • インターネットのサービス品質計測および広告表示に関するルール
  • 電気小売の自由化に関するルール
  • 電波の健康への影響に関する規制

5. 公的規制

当社グループは、事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障、さまざまな政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止法、特許、消費者、租税、為替、環境、労働、金融等の法規制の適用を受けております。これらの規制が強化された場合や当社グループおよび業務委託先等において規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限され、コストの増加につながる可能性があります。

6. 訴訟・特許

当社グループの商品、技術またはサービスに関して、知的財産権を含む各種権利等の侵害を理由とする訴訟が提訴され、当社グループの財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

7. 人材の確保・育成

当社グループは、技術革新に即応すべく全社をあげて人材育成に注力しておりますが、期待通りの効果が出るまで一定の期間を要することがあります。また、将来的に人材投資コストが増加する可能性があります。

8. 退職給付関係

当社グループは、確定給付企業年金制度 (基金型) および退職一時金制度 (社内積立) を設けており、なお、連結子会社の一部においては確定拠出年金制度を設けております。定期的に退職給付債務の将来予測に基づく資産運用方針、運用機関の見直しを行っておりますが、今後、当社グループの年金資産の運用利回り低下により年金資産の時価が下落した場合、または、退職給付債務を計算する上での前提条件 (割引率、人員構成、昇給率等) が大幅に変更になった場合に損失が発生する可能性があります。

9. 減損会計

当社グループは、2016年3月期において、通信設備の一部を含む稼働率が低下している資産等について減損損失を計上しております。なお、将来において、保有する固定資産等の使用状況等によっては、さらに損失が発生する可能性があります。

10. 電気通信業界の再編および当社グループの事業再編

国内外における電気通信業界の再編は、当社グループの財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、将来的に当社グループにおいて事業の再編を行う可能性もありますが、この再編が当社グループに好影響を与えるかどうかの保証はありません。

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