No.2003-522003.3.14

「接続料規則の一部を改正する省令案に対する当社意見」
の提出について



KDDIは、総務省の諮問機関である情報通信審議会による「接続料規則の一部を改正する省令案に対する意見募集」に対応して、本日、総務省に意見書を提出しました。
概要は以下のとおりです。

1.基本的考え方
我が国においては、未だ公正競争条件の整備が実現していないと言わざるを得えず、NTT東西の接続料金に関わる議論も、加入者回線(ラストワンマイル)の99%を支配する独占的事業者に対する競争促進政策の本質に関わる問題と考えます。今回、接続料金の値上げ案が示されていますが、競争政策の原点に立ち返り、あらゆる低廉化策を議論すべきと考えます。
また、NTT東西の接続料金を均一にするという案についても、独占的事業体であるNTT東西間の外部相互補助により接続料金を均一にし、東西間のヤードスティック競争を形骸化することは独占への回帰を助長するものであり、認められるべきではないと考えます。


2.接続料金の算定方法と課題
(1)バランスを欠いた議論
トラヒックの減少傾向のため値上げ要因である分母(トラヒック)に議論が集中し、値下げ要因である分子(コスト)の議論が不十分であると考えます。公平性を担保する観点から、コストについて議論を深めるべきと考えます。
(2)前回の省令改正との整合性
トラヒックが増加傾向にあった前回の省令改正においては精算の規定はなかったにも関わらず、トラヒックが減少傾向に転じた今回の省令改正案においては精算の規定があり、これは公平性を欠くもので、精算は実施すべきではないと考えます。  
(3)改正案の問題点
前述の通り、精算は実施すべきではないと考えますが、精算に関する改正案には以下のような問題も見受けられます。このことからも、精算は実施すべきではないと考えます。
1)精算発動条件
1: 精算発動条件がトラヒックのみでコストの見直しについて考慮されていない。
トラヒックが15%乖離する場合でも分子であるコストを見直した場合、接続料金(単金)で比較すれば乖離幅が15%以下となる事も想定されます。しかしながら改正案では、精算発動条件にコストの見直しが考慮されていないことから、バランスを欠いており、精算が発動しやすくなっています。
2: 精算発動条件であるトラヒックも加入者交換機の時間のみを対象としている。
加入者交換機のトラヒック(時間)が15%を超えて乖離する場合でも、その他の機能の乖離幅は15%以下である事も想定されます。機能によっては乖離が小さい場合も精算対象となります。また、トラヒックの回数の要素が加味されていません。
2)具体的精算条件等
1: 精算額の算定はトラヒックだけに基づいて行われる。
精算の際、トラヒックは入れ替える規定ですが、コストは見直す規定ではありません。コストの見直しが行われないことにより、精算額が過大となることが考えられます。
2: 精算発動条件をトラヒック15%としたにもかかわらず精算を行う対象は5%を超える部分全てとしている。
精算を行う場合、NTT東西に対しては負担範囲を5%と限定し、それを超える部分全ては接続事業者の負担としています。これによりNTT東西が負うリスクが限定されている一方、接続事業者はNTT東西より大きなリスクを負担します。
3: NTT東西がトラヒックを増大させるインセンティブが働きにくい。
トラヒックが15%を超えて減少すると、NTT東西の接続料収入が増えるため、NTT東西がトラヒックを増大させるインセンティブが働きにくい状況が生じる可能性があります。
3)その他
接続事業者にとって、事業年度経過後、追加の支払いが発生するために、事業計画に支障が生じ、経営に大きな影響を及ぼします。
(4)議論の在り方
行政の透明性・公平性を確保する観点からも、精算を含むすべての事項について関係事業者等が議論に参加する機会を担保すべきと考えます。
(5)コストの見直し
1)伝送装置の経済的耐用年数の適正化
伝送装置の経済的耐用年数について見直しがなされていますが、事業者は議論に不参加であり、具体的算定方法が不明です。今回の省令改正案においても、米国や英国と比べて耐用年数が短く、更に議論を深めるべきと考えます。
2)効率化係数の見直し
NTT東西の効率化が進んでおり、その効果を効率化係数にどのように見込むべきか検討すべきと考えます。今回の省令改正案においては効率化係数は変更されておらず、議論を深めるべきと考えます。


3.議論を尽くすべき事項等
(1)NTSコストの扱い
接続料金の問題は、NTSコストの取扱いと併せて結論をえるべきと考えます。お客様料金(基本料等)の値上げを回避しつつ、NTSコストを接続料金から除外する方法について、検討する場を早急に設け、結論を得るべきと考えます。
(2)パブリックコメントの機能強化等
今回のパブリックコメント期間終了後、審議会が示す「判断(案)」や「考え方(案)」等を基に、1)再意見募集を行う、2)ヒアリングを行う等の方法によって、十分に議論を深めるべきと考えます。



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