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売上向上のためにモノやサービスの付加価値を高める方法と事例を紹介する本シリーズ。
前回は、価格競争の激化、市場ニーズの多様化が進む今、自社の持つ強みをより活かし、他社と差別化をすることがますます重要になってきていることを解説しました。本コラム以降では、事例を通じて具体的な取り組みをご紹介していきます。
今回は、自らの長所を見極め、付加価値を高める取り組みを成功させた製造業A社の事例です。
工場用器具の部品製造などを行っている製造業A社。国内および海外の他メーカーとの価格競争の激化などでますます市場競争が厳しくなり、売上も伸び悩む中、自社の強みを打ち出していかなければこの先のビジネスは厳しいと考えました。そこで社内の一大プロジェクトとして「自分たちの『強み』は何か?」という検討を開始することにしました。そのときに役立ったのが、取引先である顧客からの評価や意見でした。営業などから顧客の声を集めたところ、次のような評価が多く見られました。
「部品の品揃えが他社より豊富」
「他社では取り扱いのない部品を手配してもらえて助かった」
「さまざまな部品の納入実績があって頼りになる」
このような声から、A社では、『豊富な品揃え』という長所をさらに伸ばし、他社にはない付加価値を高めるための取り組みの検討を開始しました。そして、課題として浮かび上がってきたのが、『紙のカタログを使ったリアルタイム性に欠ける営業スタイル』でした。
数百にも及ぶ商品を扱うA社では、カテゴリーごとに異なるカタログを紙の冊子で数種類用意していましたが、経験の浅い営業担当者からは「該当商品を探すのに時間がかかる」という声が上がっていました。また、経験を積んだベテラン営業担当者にとっても、次々にバージョンアップされる商品情報を紙冊子上で追いかけるのは至難の業。「顧客の要望に沿った商品を、すばやく探し、的確に提案したい」というニーズが高まっていました。
また、商品の在庫管理スタッフからは、「本社の基幹システムで在庫管理しているが、リアルタイムに情報が反映されていないので、正確な在庫情報の確認には時間がかかる」との不満の声が上がっていました。
A社は、『豊富な商品ラインアップ』という付加価値をより高める取り組みとして、目的の商品をすぐに探し出せるようカタログを電子化するとともに、そのカタログを閲覧するツールとして営業スタッフにタブレットの配布を開始しました。
また、あわせて、商談先でリアルタイムに在庫確認できる仕組みも確立しました。
それにより以下の効果が表れました。
カタログを電子化 (商品の画像データやスペック情報、取扱説明書などをデータ化) し、さらにタブレットで閲覧できる状態にしたことで、外出先からでも部品の最新情報を見られ、商談先でも必要な情報をすぐに検索できるようになりました。また、紙のカタログには、持ち運びの不便さや版の管理などの煩雑さがありますが、電子カタログならタブレットひとつですべての商品情報が網羅できるので身軽に外回りへ出かけられます。
商品情報の閲覧性が向上したことで、個人のスキルに頼らず、誰でも的確な商品提案が可能になりました。また、今まで商品について分からないことがあると、先輩の営業スタッフに質問することが多かったのですが、いつでもどこでも電子カタログを開いて確認できるので、スタッフ間の質疑応答の時間を削減することもできました。
最新の商品情報を商談先ですぐに確認できるので、既存製品からの切り替え提案などもスムーズに行えるようになりました。上位機種への乗り換えなど、顧客単価向上につながる営業トークが可能となり、スタッフから「提案しやすくなった」との声が上がっています。
それまでは本社にいるスタッフでしか確認できなかった在庫情報を、ファイル保管・管理ツールに保存しておくことで、タブレットから簡単に確認できるようにしました。商談中に追加注文を受けた場合でも、すぐに在庫が確認でき、業務スピードが格段にアップ。顧客からも好評でした。
■解決策となるツール・サービス
このようにA社では、『豊富な商品ラインアップ』を自社の最も大きな価値として認め、高めていく取り組みを通し、自社の強みをさらに伸ばして顧客満足度をアップすることに成功しました。電子カタログによる提案力向上やリアルタイムの在庫確認による納期短縮は、顧客にダイレクトに恩恵を与えます。このような取り組みを通じて、A社の信頼度は徐々に増していき、伸び悩んでいた売上にも改善の兆しが見え始めました。
すぐに活用できるヒント満載。自社商品・サービスの価値を上げ、他社に差をつけるための具体的な事例もご紹介します。