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『IT成熟度診断アンケート』について、前回解説した『コスト』に続き、今回は『運用体制』についての課題です。いわゆる『一人情シス』という言葉がありますが、アンケート結果では、企業規模によってその実態に差があることが分かりました。
前回の『コスト』の課題に続いて、今回は『IT環境の運用体制』のアンケート結果から考えていきます。コストではアンケート結果に企業規模別の大きな違いは見られませんでしたが、『運用』では、中小企業と中堅企業・大企業で顕著な違いが見られました。大企業では1/4の企業で5名以上の情報システム部門が存在しています。2名以上の複数体制であれば8割以上の大企業が当てはまります。中堅企業では2~4名体制が6割となります。ところが中小企業では、兼務を含む1名以下が約半数という結果になっています。中小企業では8割の情報システム担当者が兼務をしているという結果でもあり、『兼任の情報システム担当者が一人で社内のIT環境を管理している』という実態が見えてきます。
多くの企業がIT課題として『人材不足』を挙げているなか、特に中小企業では『一人体制』『他業務との兼務』から脱却できていない現状があります。その対策として取り組む『運用効率化』では、『使いやすいシステムへの転換』『クラウド化』『システムのスリム化』『保守・運用のアウトソース』といった取り組みが上位に来ています。
しかし、これを企業規模別に見ると、どの取り組みでも中小企業の数値が低くなっています。さらに1/4の中小企業が『人材不足』に悩んでいながら、その解決となる運用効率化に『そもそも取り組んでいない』と回答しているのです。
運用効率化に取り組めない理由として、企業規模にかかわらず『知識・情報の不足』『人的リソースの不足』『コスト不足』が挙げられています。その中で、中小企業はコスト不足を理由に運用効率化への取り組みに消極的になっている現実が見えてきます。『人が足りないから、効率化しなければならない』のに、『人とお金がないから、効率化が進まない』という、ニワトリが先か、卵が先かというような状態に陥っているのです。
企業規模が小さいうちは、社内の担当者の頑張りである程度は対応できるかもしれません。ただ、それも相当な無理があり、システムのスリム化・クラウド化といった『本来、情報システム担当者が取り組むべき業務』に取り組めずに、負担が大きくなっていると言えるでしょう。しかも、情報システム担当者が一人しかいない状況では、担当者が病気で休む、突然の退職といった場合に、誰もすぐに代わりを務められないという状況が生まれてしまいます。
そこで、まず取り組む第一歩は『社内でやらない業務をはっきりさせる』ことです。その上で、社内でやるべき業務とアウトソースできる業務を考えます。例えば、サーバーなどハードウエアの管理やメンテナンスなどは、クラウド化により相当な部分が社内の業務から切り離されます。サーバーのトラブル対応などは、クラウド事業者が対応します。従業員のパソコンに入っているソフトウエアの管理も、クラウド化すれば、ほとんど社内で管理することはなくなるでしょう。バージョンアップなどもクラウドサービスならば、サービス事業者が行うことになります。グループウエアなどで、管理状況を共有できるようにしていれば、担当者の突然の休みにも、代わりの人が対応しやすいでしょう。
こうして社内の情報システム担当者を、負担となっている『日々の管理業務』から解放することが先決です。これによって、社内でなければできない業務とクラウド化で効率化できる業務が分離できます。コストが見合えばさらにアウトソースできる業務もあるかもしれません。
まず、社内の情報システム担当者がどんな業務に時間が取られているかを把握し、そこから解放することです。そのためには、クラウドサービスの導入を視野に入れると、実現への道筋が見えてくるはずです。
次回は『ワークスタイル変革』について解説します。
より規模の大きい『中堅企業』へとステップアップしていくために必要なクラウド化、モバイル化について、5つの視点から考察します。