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企業にとって業務のクラウド化を進めることは、効率化に大きく貢献する戦略の一つです。取引先や出張中など社外にいても社内の情報にアクセスが可能になったり、在宅勤務や本店と支店間の情報共有もリアルタイムでできたりと、さまざまな効果が期待できます。しかしクラウド化を進めることで、ネットワーク回線への負担は増大します。特にインターネット経由の通信が増大し、通信コストの増大、アクセス速度の低下、不安定化を引き起こし、結果としてビジネスそのものの効率を下げてしまうリスクもあります。そこで今回は、事例を交えながら、クラウド化で進むトラフィック増大によるトラブルを解決する方法について考えていきます。
メールやグループウエア・ファイルサーバーなど日常的に活用する業務システムがクラウド化されることの主なメリットは、業務効率化やリアルタイムでの情報共有などです。業績が上がり、業務が忙しくなればなるほど、これらの業務システムの利用が増え、インターネット経由でのネットワーク回線の負担は増大していきます。
これを道路に例えてみましょう。同じ台数の自動車が走る道路でも、片側一車線の道路と三車線の道路では、状況が全く異なります。一車線道路では自動車の間隔が狭くなり、渋滞になりますが、三車線道路では、余裕がありスムーズに自動車が走れます。
【ネットワーク回線に掛かる負荷の影響を「道路」に例えると…】
渋滞が起こると自動車の到着時刻が遅れるのと同じで、ネットワーク回線でも通信速度が遅くなるという現象が起こりがちです。
タクシーやハイヤー、バスなどの旅客自動車運送事業をグループ会社で手掛けるA社では、少ない人員で効率的な配車を行うために、これまで無線で行っていた配車を、ネットワーク経由に変更していました。また、車両に取り付けられたGPSのデータをもとに配車することで、的確な配車を実現できることを期待していました。ところが、車両と配車センター間の通信に遅延があり、配車センターでは車両の正確な位置が把握できないことがありました。そのため、配車の連絡をしても、的確な連絡ではなく、お客さま、ドライバーともに不満の声が出てきていました。
そこで、A社では、ネットワーク回線の改善によって、課題の解決に取り組みました。具体的には、「KDDI Wide Area Virtual Switch 2 (KDDI WVS 2)」のトラフィックフリー機能を活用、コストアップを抑えながら、通信速度の改善を図りました。その結果、車両と配車センター間の通信に遅延がなくなり、的確な配車が実現するようになりました。特に通信が集中する、週末の夜などの繁忙時間帯でも通信に遅延が生じず安心して利用することができるようになりました。
クラウド化の検討をしている段階では、業務効率化やリアルタイムでの情報共有といったメリットのほうに目が行ってしまいがちです。それによってネットワーク回線の負担が増大するといったことに気づかないケースが少なくありません。しかし実際にはクラウド化が進めば進むほどネットワーク回線にかかる負担は増え続けます。
例えば、最近増えている映像授業を中心とする予備校などでは、映像を配信するデータセンターとのトラフィックが急激に増大、生徒が受講中に映像が止まるといったトラブルが起こるケースがあります。
こうした問題を回避するには、クラウド化を行う前にネットワーク環境の整備を行うことが重要です。クラウド化だけを先行して進めてしまうのではなく、ネットワーク環境の増強と同時進行で検討することがもっとも重要なポイントです。
中小企業がクラウド化を進めた場合に生じる、『ネットワークの課題』について解説し、その予防策、解決のヒントをご紹介