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サービス業といっても幅広いビジネスがあります。お客さまに物品ではない『サービス』を提供する以上、実際にお客さまに相対する従業員のサービスが、品質評価に大きく影響します。今回は、その『サービス品質の向上』に取り組んだケースを紹介します。
現在、サービス業全般で非正規労働者 (パート・アルバイトを含む) の従業員比率が増加傾向にあります。下図のように、非正規労働者の比率を見ると、『宿泊業・飲食サービス業』『生活関連サービス業・娯楽業』『サービス業 (他に分類されないもの)』が上位を占めています。
社会全体でも、パート・アルバイトを含む非正規労働者の比率は増えており、その理由も『自分の都合のよい時間 (日) に働きたいから』が過半数を占める調査結果 (注) があります。多様な働き方が認められつつある今、サービス業界はその最前線にいるといえるでしょう。
一方で、それぞれシフトの時間帯が異なる、毎日出勤しているわけではないなど、就業形態が異なる従業員が混在することで、コミュニケーションが取りにくくなることが考えられます。出勤シフトの調整、本社からの連絡事項なども、うまく伝わらないこともあるでしょうし、習得スキルに差が出てしまう可能性もあります。
そこで、スマートフォンをうまく活用して、それらの課題を解決したケースを紹介します。
ネイルサロン A社 | 関東近県に15店舗を展開 正社員 12名 パート・アルバイト40名 |
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課題: 本社からの連絡、シフト連絡は電話かメールで行っていたが、パソコンは各店舗に一台しかなく、連絡が行き渡らないことが多い 社内連絡のために電話を使うとお客さまからの予約電話の妨げになってしまう 個人携帯でSNSのプライベートアカウントを使って連絡をとる店舗が増えていた |
A社の悩みは、パート・アルバイト従業員とのコミュニケーションでした。正社員同士は、出勤時間が同じため業務連絡を朝礼で伝えれば、一通り周知できていましたが、勤務時間が異なるパート・アルバイトの従業員に関しては、周知できるタイミングがバラバラのため、全員に連絡がいきわたるまでに日数がかかっていました。メールやFAXで店舗に連絡を入れても、パート・アルバイトは、事務所のパソコンを使うこともほとんどなく、FAXも見落とされがちで結果、メモで伝言を残すこともありました。また、大きな問題点として、社内外共通で同じ固定回線を使用していたため、電話で本社から店舗に連絡する際に、お客さまから「予約の電話が通話中でつながらない」という声があがっており、各店舗で同じ悩みを抱えていました。
そこで、私物のスマートフォンでSNSを介して、従業員やお客さまとのコミュニケーション連絡をとる店舗が出てきました。連携がしやすくはなったのですが、従業員からは「自分の休みに関係なくプライベートのスマートフォンに連絡が入るのは嫌だ」という声が出ていました。本社としても、お客さまの個人情報管理の問題もあり、私物のスマートフォンでのやりとりは避けたいと思っていました。
A社は、まず従業員全員にスマートフォンを支給、ビジネス用SNSを導入しました。お客さまとの連絡もビジネス用SNSを通じて行うことで、お客さまの情報の一元管理ができるようになり、プライベートと仕事の区別をはっきりさせることができました。お客さまからも、「予約のとり方が電話だけでなく、SNSでもできるので助かる」という声が寄せられています。
さらに、本社と従業員との連携も、個々のスマートフォンに直接話したいときは電話で、簡単なやり取りや一斉周知したいときは、SNSで連絡が可能になり、コミュニケーションがスムーズになりました。シフトの管理・共有なども、ちょっとした休憩時間にも確認しやすくなり、連絡漏れが減りました。既読チェックもできるので、連絡に目を通していない人には、別途、メッセージを入れることもできます。
また、写真の共有も簡単なので、ネイルのデザインを投稿して、従業員間で共有しながら、お客さまに喜んでいただけるデザインのバリエーションを多く提案するようになっていきました。ベテランの従業員が、作業手順を動画で撮影、共有することで、新人従業員のトレーニングにも役立っています。ネイルデザインの多様化、従業員の技術向上につながっていると感じています。
A社の改革のポイントは、『会社支給のスマートフォンを全員に支給』『ビジネス用SNSを活用』したという2点です。社内のコミュニケーションが活性化し、お客さまとのコミュニケーションも円滑に行えるようになったことで、サービス品質の向上を実現しました。
詳しくは、こちらの資料でも解説しています。
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