守り抜く。
なくては
ならないものを。

災害時の
迅速な回線復旧

技術統括本部 運用本部
東日本運用センター

福島 圭史朗

全国に設置される運用部門において、北海道・東北エリアを担当し、日々通信品質の管理や改善に努める。災害時には全国の拠点と協力し、地域を横断して復旧作業にあたっている。

"いつでもどこでもつながる"を
守るために

多くの人がスマートフォンを所持する今、日本全国あらゆる場所で不便なく通信・通話を利用できることが求められています。私の仕事は、そんな"当たり前"をお客さまに届けること。通信・通話を快適に利用していただくために、テクニカルセンターから基地局を遠隔操作してネットワークを最適化したり、現場に出向いて基地局の調整や故障対応を行ったりしています。

また、災害が起こったときには、通話・通信ができなくなったエリアの復旧作業も担当します。被災地でお客さまから切実に求められるのは、離れ離れになった大切な人たちとの安否確認。だからこそ、一分一秒でも早く通信を復旧する必要があり、迅速な作業が求められます。

私の部署では、通信エリアの被害状況をシミュレーション等で確認し、復旧すべき基地局の優先順位を考え、復旧プランを提案。ときには担当エリアを問わず全国の事業所から現場に駆けつけて、被災した基地局の復旧作業や移動型基地局の設営も行います。

災害復旧で感じた、人々の想いをつなぐ大切さ

災害時、刻一刻と変わり続ける被害状況。通信障害エリアの範囲も変化していくなか、効率良く的確に作業を行わなければならないことが復旧作業の難しさであり、プレッシャーを感じる部分です。寸断された道路の先にある基地局へ向かったり、土砂が崩れた近くを通ったりと、危険が伴う場面も多くあります。

苦労や重圧は大きいものの、その分やりがいも一層感じる復旧作業。提案したプランが通り、早期に復旧を果たしたときの喜びは計り知れません。両親に仕事の話をすると、災害現場での危険を心配しつつも、誇らしく感じてくれているようで、それもまた仕事をするうえでの喜びとなっています。

そして何より嬉しいのは、お客さまから喜びの声をいただくこと。千葉県の台風被害の復旧にあたり、車載型基地局 (通信に必要な設備を搭載した車両) で被災地を移動している際、お客さまから「auがつながったおかげで、やっと家族と連絡が取れました。ありがとう」と声をかけていただいたことが忘れられません。その安心した笑顔に大きな力をいただき、自分たちの仕事が人々の想いをつないでいることを実感しました。

さらにスムーズに、
効率よく作業できる環境を作りたい

台風や大雨災害の現地対応を経て、今後やりたいことも見えてきました。被災地で感じた大きな課題は、災害対応の全体像が捉えにくく、近隣の対応状況も把握しづらいこと。災害対策本部の指示を待つことも少なくはなく、能動的に復旧作業にあたれない時間をもどかしく感じることもありました。

もし現場の状況をリアルタイムで全体に共有できたならば、災害時の復旧作業をより効率よく進められるのではないか。そんな思いから、将来的には現場の復旧作業の支援となるツール開発をやってみたいと思っています。

KDDIでは、車載型基地局のほか、船舶型基地局やドローン基地局、衛星回線を利用した基地局など災害対策が充実しており、それぞれの分野に精通した高い技術を持つ"プロフェッショナル"が集っています。そんな現場で戦うメンバー全員が、そのスキルを最大限に発揮できるような環境を整えていきたい。現場を経験したからこそ、そう強く感じるようになりました。

目指すのは、どんな状況にも対応できる強いネットワーク

災害は誰にも止めることができないものであり、激しい気候変動の時代、そうした環境とも共存していかなければなりません。だからこそ、日頃からネットワークの品質改善に努め、災害時にも素早く復旧できる強靭な通信基盤と復旧体制を作っておく必要があります。そのことも、災害復旧作業を経験してきた中で実感していることです。

災害にも負けない強くしなやかなネットワークを構築し、守っていくこと。それが私たちの使命です。KDDIのプロフェッショナルの一人として、誇りと責任を持ちながら"いつでもどこでもつながる"を守り、人々の想いをつなぐために、これからも邁進していきます。

  • 所属・内容等は取材当時のものです。