地球環境のこれからを、
良い方向へつないでいく。

エネルギー課題と
向き合う

ソリューション事業本部
ビジネスIoT推進本部 IoTイノベーション推進部

姥山 俊樹

入社後、労務厚生部や人事部で4年ほど勤務。通信モジュールの企画部門へ異動して販促を担当した後、2011年から現在に至るまで営業職に従事。IoTに関する法人営業部隊にて営業グループ統括を行っている。

社会インフラ事業をIoTでサポート

今、あらゆる分野で進められているIoT化。もともと通信機能を持っていなかった製品やサービスであっても、「通信」を付加することで、業務効率化や新たな価値の創出が期待できます。私が所属するIoTイノベーション推進部では、様々な業界のお客さまに対し、IoT化に必要な通信回線やデバイス、クラウド、アプリケーションなどを提案。通信サービスを軸に、お客さまの事業を裏方で支援しています。

私たちが行うのは単なる通信サービスの提供だけではありません。まずは、お客さまの事業の意義やそこでの課題、その先にいらっしゃるエンドユーザーにとっての価値を理解すること。そのうえで、お客さまごとに適した提案をすることが重要な業務となります。

私たちのお客さまには、電力やガス、鉄道、ビル設備など、社会インフラ事業を担う企業がいらっしゃいます。10年以上の長期間にわたり、高セキュリティで安定した通信サービスを要求されることがほとんどで、社内の関係部門が一丸となって臨む場面が多くあります。

国内初の試みで、ガス業界のIoTを加速

ガスメーター会社のお客さまとは、LPガススマートメーターのシステムを構築しました。IoT化されていないLPガスメーターに通信モジュールを組み込むことで、直接メーターを確認しなくとも、セキュアな通信環境を経由し、遠隔からリアルタイムに使用量を把握できるというものです。収集したデータをもとに、AIがガスシリンダーを運ぶ適切なタイミングや効率的な輸送ルートを解析し、事業者にフィードバック。さらに、エンドユーザーであるガス需要家が利用量や料金データを確認できるよう、スマートフォンアプリも開発しました。ガス資源の使用量を最適化したり、配送車両を効率的に管理したりすることは、お客さまの業務効率化や人件費削減に貢献できるだけでなく、事業全体におけるCO2の削減にもつながります。

また、低い消費電力で長距離通信を行うことができる通信技術「LPWA (Low Power Wide Area)」を活用し、国内で初めてガスメーターに電池駆動のIoTデバイスを搭載するプロジェクトも推進しました。従来、ガスメーターのように電源が確保できない場所では、通信モジュールの設置は諦めざるを得ませんでした。しかし、このプロジェクトによって、厳しい環境でもIoT化が実現可能に。今後はインフラ事業のみならず、農業や漁業など別の産業へと展開しようとしています。

通信の力で、
持続可能な社会と地球環境を

電力に関しても、お客さまのIoT化をサポートしています。東日本大震災後に計画停電が行われ、エネルギー政策が転換したことをきっかけに検討が本格化したのが、電力スマートメータープロジェクトです。震災当時スマートメーターは普及しておらず、各家庭の消費電力は人力で確認している状態。しかし、通信の力を組み合わせればほぼリアルタイムで消費量がわかり、必要な分だけ発電することができます。

現在、プロジェクト開始から約10年。電力スマートメーターが大多数の家庭へ普及したことで、効率的なエネルギー消費を実現することができています。他にも、電気保安設備や太陽光発電設備、蓄電池、空調設備などの遠隔監視を行い、様々な分野でエネルギー生産量の最適化や再生エネルギーの利用を後押ししています。

このように、私たちがお客さまやパートナー企業と取り組むビジネスは社会的意義の高いものが多く、お客さまの事業を支えることが、社会課題の解決にも結びつきます。社会インフラをアップデートするだけでなく、IoTによって業務や設備運営を効率化し、地球環境やエネルギー資源の保全に寄与できることにやりがいを感じています。

KDDIの仕事で生み出す"これからの豊かさ"

今、多くのインフラ企業がお客さまから求められるのは、単なるインフラ提供に留まらず、社会的意義や付加価値のあるサービスを提供すること。そのため、私たちは直に接する法人のお客さまだけでなく、その先にいらっしゃるエンドユーザーの豊かさとは何かを考える必要があります。新型コロナウイルス感染症をはじめ、様々な困難に直面しているときですが、私自身、後世も含めていかに心豊かな生活ができるか、ということに一層関心を寄せるようになりました。

持続可能な環境へ近づけるためには、私たちの生活に何らかの制限を課したり、利便性を犠牲にしたりと、マイナスのイメージがつきまとうこともあるでしょう。しかし、できることなら楽しみながら良い方向に変えていきたい。「通信で人やモノをつなぐ」という役割を担うKDDIの仕事を通じて、環境保全に取り組みながらも、ワクワクできる社会の構築に貢献していきたいと思っています。

  • 所属・内容等は取材当時のものです。