公正競争確保に係るNTT東・西殿の活用業務に関する要望書の提出について〈別添〉

総務大臣 片山善博 殿

イッツ・コミュニケーションズ株式会社
代表取締役社長 市来 利之
株式会社STNet
代表取締役社長 古賀 良隆
株式会社エネルギア・コミュニケーションズ
取締役社長 佐野 吉雄
沖縄通信ネットワーク株式会社
代表取締役社長 仲宗根 朝整
関西ブロードバンド株式会社
代表取締役社長 三須 久
九州通信ネットワーク株式会社
代表取締役社長 秋吉 廣行
株式会社ケイ・オプティコム
代表取締役社長 藤野 隆雄
株式会社ケイ・キャット
取締役社長 辻村 順一
KDDI株式会社
代表取締役社長 田中 孝司
彩ネット株式会社
代表取締役 井上 太郎
ジャパンケーブルネット株式会社
代表取締役社長 近藤 一朗
株式会社ジュピターテレコム
代表取締役社長 森 修一
ソフトバンクテレコム株式会社
ソフトバンクBB株式会社
ソフトバンクモバイル株式会社
代表取締役社長兼CEO 孫 正義
中部テレコミュニケーション株式会社
代表取締役社長 湯淺 英雄
東北インテリジェント通信株式会社
代表取締役社長 柴田 一成
株式会社新潟通信サービス
代表取締役 本間 誠治
フュージョン・コミュニケーションズ株式会社
代表取締役社長 相木 孝仁
北陸通信ネットワーク株式会社
取締役社長 河合 成海
北海道総合通信網株式会社
取締役社長 宮本 英一
株式会社マイメディア
代表取締役社長 秀浦 実晴
(五十音順)

2011年6月8日

●公正競争確保に係るNTT東・西殿の活用業務に関する要望書

日本経済の活性化のためにはICTの活用が不可欠であり、その際に、多様な事業者による公正競争を促進することがそのダイナミズムを通じてイノベーション、サービス多様化や料金低廉化、ひいては国民利便の向上に繋がることは、これまでの競争政策の成果から見ても明らかです。しかし、現状ではNTTのシェアは高まる傾向にあり、独占化がこのまま進めば公正競争を阻害することになり、日本再生の大きな障害となります。

これまでの経緯を振り返れば、1999年に、NTTの独占部門と競争部門を分離し、競争の一層の促進、独占力行使の防止を目的として再編成されましたが、その後も持株体制の下、国内通信市場で圧倒的な存在であるNTTグループ各社が一体経営を行うことができる組織形態が残されたままです。

そのような状況において、2001年の法改正により、ボトルネック設備を保有する東日本電信電話株式会社および西日本電信電話株式会社 (以下、NTT東・西) 殿に対して活用業務という制度を認めたことは、上述のNTT再編の趣旨をないがしろにするものであり、これまで認可されてきた活用業務は公正競争に支障を生じさせており大きな問題であることから、本来同制度は直ちに廃止すべきです。

今まで、総務省殿は公正競争条件を確保した上で活用業務を認可しているため問題ないとの立場を示してきましたが、市場の実態を見ると、これまでに認可されたIP電話やFTTH、法人向けイーサネット等においてNTT東・西殿のシェアが着実に上昇し、NTTグループが独占に回帰しているという事態が現実に起きています。これは同等性の確保やグループドミナンスの排除が担保されておらず、現在の公正競争条件が機能していないことの証左であると考えます。

今次国会において成立した改正NTT法では、現行の認可制から届出制へと規制緩和することとされていますが、届出制の場合、NTT東・西殿は、公正競争上問題のあるサービスであってもまずは活用業務として届け出てサービス開始することを繰り返して既成事実化し、なし崩し的に業務範囲を拡大する恐れが濃厚であると言わざるを得ません。

したがって、今後活用業務届出制においては公正競争に回復不能なダメージを与えないように、省令・ガイドラインにおいて十分な事前届出期間や競争事業者の意見を反映する公の場を設ける等を規定し、同等性の確保やグループドミナンス排除の実効性を担保した上で、慎重に運用していただくことを要望いたします。
また、移動体事業やISP事業等への参入は、現状のままでは上述のように公正競争上支障があることが明白であり、移動体事業分離やNTT再編の趣旨に反する独占回帰を助長するものであると考えますので、明確な禁止事項として省令・ガイドラインに追加していただきたいと考えます。

併せて
・現状の競争評価 (グループドミナンス含) 機能
・公正競争に係る市場の監視機能
・上記項目の判断、ルール策定機能
のある公正競争確保のための委員会等を設置することにより、透明性を確保し検証機能を強化することを検討していただきたいと考えます。

上記追加項目と機能による是正を重ねた上で、さらに3年後に実施される包括的検証において公正競争上の問題があると認定されれば、NTT東・西殿が地域網を独占したまま活用業務を実施すること自体に根本的な間違いがあることが立証されることになるため、その際には、活用業務制度のみならずNTTの在り方を含めた競争政策全体を見直すべきと考えます。

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