〔別紙〕


1.山口衛星通信所パラボラアンテナの無償譲渡
KDDI山口衛星通信所第4施設アンテナ(以下、山口第4アンテナ)は、1979年3月にインテルサット衛星の管制制御用として運用開始した設備を、1993年4月にインド洋衛星向け商用設備に転用した口径32mの大型パラボラアンテナで、急増する国際通信需要を支える重要な役割を果たしてきましたが、近年、大容量光海底ケーブルが相次いで開通したことから、本年2月に運用停止しました。
KDDIでは、山口第4アンテナの学術利用等への活用を検討してきましたが、電波天文観測用に山口第4アンテナを活用することにより、日本の天文学の発展に寄与することが期待されることから、本年9月1日に、国立天文台へ無償で譲渡することに合意しました。
国立天文台では、今回譲渡されるアンテナと野辺山45m電波望遠鏡等を使って、クェーサー(準星)の精密な観測を行う予定です。また、同台が推進している天文広域精測望遠鏡(VERA)計画と本アンテナを連携することも予定しています。


2.国立天文台との共同研究
山口第4アンテナの譲渡に伴い、KDDIは国立天文台との間で、電波天文観測に関する共同研究を行うことに合意しました。研究期間は本年9月より2年間の予定で、譲渡したアンテナのVLBI電波望遠鏡としての能力評価を行います。
また、将来は、電波望遠鏡群をギガビットクラスの超高速光ファイバネットワークで結び、リアルタイム観測を行う広域光結合型VLBI観測ネットワークを構築するための研究も行なう予定です。




〔参考〕
KDDIの海底ケーブル譲渡実績

KDDIは、これまでも、運用停止した海底ケーブルを研究機関に無償譲渡しており、地震観測、海流観測を始めとする学術研究に活用されています。
(1)第1太平洋横断海底ケーブル(TPC-1)
運用開始:1964年6月
運用停止:1990年9月
譲渡時期:1990年11月
全長:2,800km
回線容量:128回線(電話回線換算)
譲渡区間:二宮〜グアム間
譲渡先:東京大学地震研究所

(2)第2太平洋横断海底ケーブル(TPC-2)
運用開始:1976年1月
運用停止:1994年3月
譲渡時期:1995年9月
全長:9,350km
回線容量:845回線(電話回線換算)
譲渡区間:沖縄〜グアム間
譲渡先:東京大学地震研究所

(3)日本海ケーブル(JASC)
運用開始:1969年6月
運用停止:1995年7月
譲渡時期:1996年6月
全長:890km
回線容量:120回線(電話回線換算)
譲渡区間:直江津〜ナホトカ間
譲渡先:東京大学地震研究所

(4)日韓ケーブル(JKC)
運用開始:1980年11月
運用停止:1997年6月
譲渡時期:1997年12月
全長:285km
回線容量:2,700回線(電話回線換算)
譲渡区間:浜田〜釜山間
譲渡先:東京大学海洋研究所

(5)沖縄ケーブル
運用開始:1984年12月
運用停止:1997年6月
譲渡時期:1998年3月
全長:1,720km
回線容量:1,600回線(電話回線換算)
譲渡区間:具志頭〜二宮間
譲渡先:東京大学地震研究所

(6)沖縄・台湾間ケーブル(OKITAI)
運用開始:1979年7月
運用停止:1997年4月
譲渡時期:1998年3月
全長:680km
回線容量:480回線(電話回線換算)
譲渡区間:具志頭(沖縄)〜頭城(台湾)間
譲渡先:東京大学海洋研究所

(7)日中ケーブル(ECSC)
運用開始:1976年10月
運用停止:1997年12月
譲渡時期:1998年11月
全長:1,036km
回線容量:480回線(電話回線換算)
譲渡区間:苓北(熊本)〜351kmまでの区間
譲渡先:東京大学地震研究所


戻る