KDDI株式会社
株式会社KDDI研究所
株式会社電通国際情報サービス


2001.10.15

KDDI、KDDI研究所、ISID、
ブロードバンド配信ビジネスを目指した共同研究開始



KDDI(社長:小野寺 正、本社:東京都新宿区)、KDDI研究所(所長:浅見 徹、本社:埼玉県上福岡市)、電通国際情報サービス(ISID、社長:瀧浪 壽太郎、本社:東京都中野区)はブロードバンドや次世代インターネットプロトコルIPv6を活用し、学会中継、イベント中継、放送素材の配信、遠隔医療などを視野にいれたコンテンツ配信ビジネスのための共同研究を開始いたします。

その最初の試みとして、本年10月17日から京都国際会館で開催される、日本消化器病関連学会(大会長:馬場滋賀医科大学教授)において、独立行政法人通信総合研究所(CRL、理事長:飯田 尚志、東京都小金井市)と株式会社ユグドラジルテクノロジー(社長:野原 広、東京都千代田区)の協力を得て、次世代インターネット技術を駆使した多地点中継の実験を行います。

従来、テレビ中継による学会等の多地点配信が試みられてきましたが、コストがかかりすぎるなどの問題から、利用が限られてきました。また従来のインターネット中継では、学会等が要求する画質や音質の確保が困難でしたが、ブロードバンドを活用することにより、低コストでハイクオリティのコンテンツ配信が可能になります。またIPv6を使用することにより、医学系分野のコンテンツの配信で要求される通信セキュリティの設定が簡単に行えるようになります。

今回の実験の概要は次のとおりです。

(1) 京都のメイン会場、札幌医科大学、東京医科歯科大学、滋賀医科大学および琉球大学医学部の5地点同時中継により、会長講演や特別講演等を配信します。
(2) KDDI大手町ビルにマルチキャストサーバーを設置し、IPv6による5地点の双方向IPマルチキャストを行います。
(3) 通信回線としては研究開発用ギガビットネットワーク(JGN)を使用する。京都国際会館、札幌医科大学、滋賀医科大学、琉球大学は光ファイバーを用いてJGNに接続し、東京医科歯科大学は光無線LANを用いてKDDI大手町ビルのJGNアクセスポイントと接続します。
(4) 10月1日に始まった次世代インターネットプロトコルIPv6サービス(JGNv6)を利用します。
(5) 映像・音声の配信には、WIDEプロジェクトとCRLが共同開発したデジタルビデオ配信装置(DVTS)を用います。

JGNv6とDVTSのIPマルチキャストによるインターネット多地点中継は、今回が国内初の試みとなります。

KDDI、KDDI研究所、ISIDは、今回の実験成果を踏まえて、今後さらにブロードバンドビジネスに向けた取り組みを進めてまいります。

用語説明
WIDEプロジェクト : 人と社会に貢献するコンピュータ環境の構築を目標として'87年から活動を開始した非営利組織。メンバーは、大学の研究者や企業、政府の研究者と技術者で構成されており、いくつかの研究グループに分かれて次世代技術の実験や開発に取り組んでいる。代表者は村井純慶応大学教授。
IPv6 : 現在インターネットで使われている基盤技術は IPv4 (Internet Protocol Version 4) と呼ばれている。IPv4 では、約43億のアドレスしか提供できない。これは、世界人口よりも少ない数字であり、IPv4 だけではインターネットが単なるコンピュータのためのネットワークに留まることを意味している。 それに対しIPv6 (Internet Protocol Version 6) が提供するアドレスは実質的に無限であり、またセキュリティ対策が容易である、端末や機器のネットワーク接続が簡単に行えるなどのメリットを持つ。日本は国家的戦略としてIPv6の普及を推進している。
マルチキャスト : インターネット上で効率よく多地点配信を行うための手法。
JGN : 通信・放送機構が構築した超高速光ファイバ通信網(ギガビットネットワーク通信回線)および共同利用型研究開発施設(ギガビットラボ)。平成15年までの間、光ファイバ通信社会の実現を目指した研究開発のために大学、研究機関、行政機関、地方自治体、企業等に解放されている。


DDW2001実験システム構成図
DDW2001実験システム構成図



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