株式会社KDDI 研究所
KDDI 株式会社


2002.6.25

au 携帯電話からのIPv6ネットワークアクセス実験を開始



株式会社KDDI研究所(本社:埼玉県上福岡市、所長:浅見 徹)とKDDI株式会社(本社:東京都新宿区、社長:小野寺 正)は、本年7 月より、au携帯電話 のインターネット接続サービスである「au.net(エーユードットネット)」からのIPv6 ネットワークアクセス実験を開始します(図1)。


1.概要
現在、「au.net」 のネットワークはIPv4 ベースで運用されていますが、KDDIがAPNIC※1より割り当てを受けたIPv6空間からお客様にIPv6アドレスを配布し、トンネリング技術※2により、KDDIのIPv6 公開接続実験網※3に接続します(図2)。
IPv6 はアドレス空間が膨大であり、家電や車などの様々な機器にIP アドレスを付与することが可能となることから、今後のユビキタスネットワークの基本技術と考えられています。一方、現在のIPv4 ネットワーク機器をIPv6 に置き換えるには膨大な設備投資が必要であり、移行期間の技術やIPv4 ネットワーク上でのIPv6 アクセス技術の開発が重要となっています。本実験は、au 携帯電話からのIPv6 アクセスを実証・評価するとともに、IPv6 の普及に貢献することを目的としています。
今後もKDDI研究所はIPv6ネットワークの普及・促進に向けて、様々なIPv4-IPv6接続の研究・実験を進めていく予定です。


2.実験期間
平成14年7月〜15年3月(予定)


3.参加条件
au携帯電話利用者で「au.net」をご利用頂いているお客様を対象とします。なお、実験参加費は無料ですが、au.netのパケット通信料は別途必要です。
接続方法等の詳細は、
本プロジェクトのホームページ:http://isatap.kddilabs.jp/をご覧ください。

「au.net」-cdmaOneのパケット通信サービスPacketOneを使って、プロバイダとの契約なしでモバイル インターネットサービスをご利用いただけるサービスです。


※1 APNIC:Asia Pacific Network Information Centre
アジア太平洋地域の組織に対してIPアドレスの割当業務などを実施している非営利組織。
※2 トンネリング技術
IPv6のパケットをIPv4のパケット内に格納して、既存のIPv4インターネットを介して、IPv6ネットワークに接続する手法。IPv4からIPv6への移行時の初期に利用されると見込まれている。
※3 KDDI IPv6公開接続実験概要
期間: 2000年10月23日〜2003年3月末日予定(IPv6商用サービス開始時には、対応する公開接続実験のメニューは終了します。)
実験概要: KDDIインターネット常時接続型サービスをご利用いただいているお客様に、KDDIがAPNIC より割当を受けたIPv6アドレスを配布し、IPv6 over IPv4トンネリング接続によるIPv6ネット ワークへの接続を行なうトンネリング実験を行なっています。更に、トンネリング実験の参加 者を対象に、IPv6ネットワークからIPv4サーバへのアクセスを可能とするIPv6/IPv4トラン スレータ実験、及び、ISDN回線などを利用してIPv6ネットワークへのリモートアクセスを可 能とするIPv6リモートアクセス実験も行なっています。
参加者数: 現在、数十社のお客様にご参加いただいています。


[参考]
トンネリング技術: 現在、6to4とISATAP (Intra-Site Automatic Tunnel Addressing Protocol)と呼ばれる2つの方法がIETF(Internet Engineering Task Force:TCP/IPなどのインターネットで利用される技術を標準化する組織)により標準化されています。
6to4技術: IPv4ネットワーク内の任意の場所に置かれる6to4リレールータで実現されます。6to4ルータはオープン利用形態で、IPv4のグローバルアドレス(世界で一つのアドレス)を持つ端末であれば、どのネットワークからでもアクセス可能です。現在、世界にはこのような6to4ルータが10台程度稼動しています。KDDI研究所では、WIDEプロジェクトの協力を得て、平成14年3月から日本で最初の6to4ルータを実験運用しています。
ISATAP技術: 特定のネットワーク(今回はau.net)のエッジに置かれるもので、そのネットワーク内の端末からのIPv6アクセスを提供します。6to4と比較して、IPv4がプライベートアドレスであっても機能することが特徴です。このため、企業のイントラネットなどからのIPv6アクセス技術としても利用できます。



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