海外での取り組み

海外成長市場での取り組み

新興国において、情報通信サービスの普及は、さまざまな社会課題の解決につながります。KDDIは事業戦略の一つとして「グローバル事業のさらなる拡大」を掲げていますが、これはKDDIが国内外で培った通信サービスの経験やノウハウ、技術力を新興国に供給し、安定した通信品質をお届けした結果、国民の皆さまの生活の質の向上と経済発展を同時に目指すものです。
また事業を展開していない途上国においても、KDDI財団を中心に通信インフラ環境の整備などを支援しています。

海外におけるICTソリューション

KDDIは、データセンター、クラウド、ネットワーク、IoTなど、お客さまの業務に最適なさまざまなソリューションをワンストップで提供しています。
データセンター「TELEHOUSE」は、10以上の国、40以上の拠点に展開しており、約30年の運用経験に基づく信頼性とサービス品質に加え、世界有数のIX(インターネットエクスチェンジ)・通信事業者・クラウド事業者などが集積している高接続性が高く評価されています。また、高い電力供給能力を備え、高効率かつ高信頼の電源設備や省電力の空調設備、LED照明や風力・太陽光を利用した街路灯の導入など最新の省エネルギー設備を導入しており、グローバルビジネスのプラットフォームとして多くのお客さまにご利用いただいています。

グローバルネットワークの維持・運用

KDDIは、世界の通信事業者とネットワークを相互に接続し、各社と協力して世界各地を結ぶグローバルなネットワークを維持・運用しています。また、KDDIの国際通信サービスでは、信頼性に優れた光海底ケーブルを基幹ネットワークとして利用し、高品質なサービスを提供するとともに、コネクティッドカーなどの新しいプラットフォームの提供を行っています。
海底ケーブルは、日本の国際トラフィックの99%を収容する重要な社会インフラで、今後も増加が予想されるアジア、太平洋地域の通信需要に対応し、これまで以上に信頼性の高い通信サービスを支えていきます。
また2019年秋に運用開始した海底ケーブル敷設船「KDDIケーブルインフィニティ」は、船舶運航および洋上工事におけるIT改革を推進するとともに、SJC2(Southeast Asia-Japan Cable 2)をはじめとする海底ケーブルの敷設・陸揚工事に従事しました。同じくKDDIグループが有する海底ケーブル敷設船「KDDIオーシャンリンク」とともに、精度の高い海底ケーブル敷設技術を用いて、信頼性の高いグローバルインフラの建設や保守に取り組んでいます。日本と世界を結ぶ基幹ネットワークの上では、新しい国際通信サービスが伸長していますが、その代表的なものとしてIoTのグローバル展開が挙げられます。KDDIはトヨタ自動車と共同でコネクティッドカーのためのプラットフォームを構築しており、グローバルネットワークオペレーションセンター(以下、GNOC)では、2019年からこのプラットフォームの運用を行っています。
さらにGNOCにおいては、インマルサット社やインテルサット社などと提携し、衛星通信を利用するサービスを担当しており、船舶や飛行機、ケーブルの届かない島嶼や僻地・南極など、世界中のあらゆる地域で通話・データ通信を可能にし、日々、国際通信サービスを守っています。

  1. 当社調べ

海外における事業展開

ミャンマーにおける事業展開

ミャンマーにおいて、KDDIは住友商事株式会社とジョイントベンチャーKDDI Summit Global Myanmar(以下、KSGM)を設立しました。
KSGMは、通信事業ライセンスを有して電気通信事業を営むミャンマー国営郵便・電気通信事業体(Myanma Posts & Telecommunications、以下、MPT)との間で2014年に共同運営契約(Joint Operation Agreement)を締結し、同契約のもと、ミャンマーの電気通信事業に関わっています。共同事業開始前の携帯電話普及率は1割程度でしたが、現在では、サービス提供エリアは全国に広がり、スマートフォンによるインターネットや動画視聴など、高品質で便利な通信サービスを利用できるようになりました。
KDDIは、2017年7月より、ミャンマーのお客さま満足度と通信サービスのさらなる品質向上を目指し、次世代を担うMPT職員の長期研修プログラムを実施しています。本プログラムの一環として、KDDIが長年の通信事業で培ってきた24時間365日サービスを提供し続ける日本の高品質なネットワーク技術の知識・ノウハウを、第一線で活躍するKDDI社員が研修生に伝えています。具体的には、伝送システムや光ネットワークの設計・建設から運用に至るまで、信頼性向上につながる取り組みや、災害時の対策、さらに情報システムの高度化など、多岐にわたる内容の研修を行っています。
営業・業務系の研修生は、営業、マーケティング戦略やCX(CustomerExperience)、ライフデザインサービスの基礎、財務会計、管理会計などを学んでいます。研修生はミャンマーに帰国後、日本で身につけたスキルをミャンマーの発展に活かしていきます。2017年から累計12名の研修生を受け入れてきました。本研修は今後も継続していきます。
また、ミャンマー情勢の緊迫を受け、2021年4月にKDDIとしてのステートメントを発表しました。関係者の安全確保を念頭に置きつつ、ミャンマー国民の生活に不可欠な社会インフラの維持に努めています。

モンゴルにおける事業展開

KDDIの連結子会社であるMobiCom Corporation LLC(以下、モビコム)は、2021年にはMassive MIMOなどの先進的な技術の導入を予定しています。今後もサービス品質の向上、新技術の導入により、お客さまに快適なデータ通信環境をお届けすることに努め、モンゴルのお客さま満足度向上と事業の成長を目指していきます。
KDDIは、2018年以来、人財交流プログラムとして計8名のモビコム社員を受け入れ、法人営業やセキュリティについて、KDDIでの業務を通じた研修を実施しています。このような人材交流を通じ、モンゴルにおける通信ビジネスの高度化に貢献しています。
また、同国初の電子マネー事業である“monpay”の展開により、有料道路の料金を自動で支払いできるようにするなど携帯電話を活用した金融サービスの発展にも貢献し、さらにその技術やノウハウをモンゴル国外へも提供しています。

  1. 従来よりも多数のアンテナ素子を用い、高速通信を実現する技術

KDDI財団の取り組み

KDDI財団は、旧KDDからの国際協力事業を継承し、現地の実情と人々の立場に寄り添いながら、60年以上にわたり途上国を中心とした国際社会の持続的な成長に貢献してきました。2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けながらも、オンラインの活用や支援の現地化を一層進めました。

モンゴル極寒地での簡易工法による光ファイバーネットワークの構築

モンゴルにおいて、2018年に着手したAPT(アジア太平洋電気通信共同体)プロジェクトでは、広帯域アクセスネットワークが整備されていない地区のうち、①遊牧民定住化推進地区、②気温が摂氏マイナス40~50度を記録する極寒地や寒暖差のある砂漠地帯、③観光に注力している地域であるテレジ、アルクハンガイ、バヤンホンゴルの3ヵ所へ簡易工法により光ファイバー網を構築、および極寒地で露出した光ファイバーの耐寒試験も実施しました。
モンゴル主管庁の要請に基づき、今回新たに、APTプロジェクトでカバーできなかったテレジ地区の広大な公園部分をカバーする広帯域網ネットワーク構築を支援するための光ファイバーを寄贈しました。SDGsの実現に向けて、ルーラル地区のデジタル・ディバイド解消、ならびにルーラルツーリズムの発展に貢献します。

ベトナムでの災害対策改善

ベトナムは高温多湿で、森林伐採や異常気象などの影響により、特にベトナム中部山岳部で高降雨量による河川災害の頻度・被害が増えています。山岳部では気象観測装置などの設置数が少ないことから、2015年にAPTで採択されたプロジェクトにて、同国通信省、同省郵政電信工芸学院、カンナム州政府とともに、センサーとM2M技術を組み合わせて、鉄砲水に対する廉価な早期警戒警報システムの実証実験・研究を行いました。
2020年度からは、新たなAPTプロジェクトとして、同地区にて被災時および被災後の状況をいち早く収集・分析して災害対策に役立てるように、UAV(Unmanned Aerial Vehicle:無人航空機)を活用し、速やかに被災後の画像情報を取り込み、被災前の情報と比較して、災害状況の把握・分析を迅速に行う手法の調査研究を実施し、災害対策の改善に取り組んでいます。新型コロナウイルスの影響下でも、オンライン会議を活用し、できる限り現地で調達できる機材を使用してシステムの開発と現地でのフィールドテストを進めています。

  1. M2M(Machine to Machine)技術:機械と機械が通信ネットワークを介して互いに情報をやり取りすることにより、自律的に高度な制御や動作を行うこと

ネパールでの地域ネットワーク構築による遠隔医療支援

KDDI財団はネパールの通信主管庁や現地NGOを中心メンバーとするプロジェクトチームを2019年に立ち上げ、国際機関のAPT(アジア太平洋電気通信共同体)に「スマートネットワーク技術を活用した地方行政サービスの展開強化」プロジェクトを提案し、2020年2月より同プロジェクトを始動しました。
遠隔医療を始めとする行政サービスの向上を目指し、「海底光ファイバーケーブルネットワークの技術を取り入れた堅牢かつ細い光ファイバーをDIY(Do It Yourself)で低コストにて敷設する」方式をベースとしたITU-T勧告による光ファイバーと、Wi-Fi機器を組み合わせ、広帯域な地域ネットワークを構築。今後は、この地域ネットワークとその活用の拡張に向け、光ファイバーの追加とレジリアント無線機の導入を進めるとともに、更なるアプリケーション活用、特に地域健診・医療の拡充を行います。
コロナ禍で海外への渡航が制限された2020年は、オンライン会議を活用してプロジェクトを遂行。また地域健診・医療の拡充面では、コロナ禍で苦しむダル地区全域の医療・健診環境を改善すべく、これまでダル地区とカトマンズの医療施設に配備したポータブル訪問健診キット(計3セット)に加え、新たにX線検査器、超音波診断器およびポータブル訪問健診キット(3セット)を寄贈しました。

  1. レジリアント無線機器:災害や危機的な状況に対して、強靭さや適応力のあるネットワークを提供することを目的とした無線機器

ネパールでのコロナ禍での学習支援

ネパールでは、コロナ禍により2020年3月から約10ヵ月間、ほとんどの公立の小中学校が閉鎖され、KDDI財団が2019年から実施している「楽しみながらロボットプログラミングを学び論理的思考力などを育むロボットプログラミング教育」も中断となりました。
KDDI財団は、家庭へのインターネット環境が普及していない環境下で児童生徒の学習継続を支援するため、教科書と学習コンテンツを事前に保存したタブレット(インターネット接続不要)を自宅に持ち帰る仕組みを構築。2021年2月よりラリトプール市6校で利用を開始しました。
また視聴覚障がいのある児童生徒が利用できるeラーニング教材の制作と導入も優先的に取り組む課題と考え、活動内容を策定し、関係機関へ申請を行っています。なお、この取り組みにはユニセフからの資金援助も行われる予定です。

社会