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山梨県で高精度位置測位サービス(PPP-RTK)を活用した
水道インフラメンテナンスの効率化実証を実施
~水道設備の正確な位置情報が簡易に取得可能に、水道事業のDX化に貢献~

KDDI株式会社

2025年11月14日

KDDI株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:松田 浩路、以下 KDDI)は、山梨県(知事:長崎 幸太郎)の「第8期TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」において、新規ウィンドウが開きますKDDI 高精度位置測位サービス(PPP-RTK)を用いた水道インフラメンテナンス作業の高度化・効率化を実現する実証(以下 本実証)を実施したことをお知らせします。

■本実証について

1. 背景

近年、全国的に水道インフラの老朽化や人手不足が深刻化し、漏水による水資源の損失や、水道サービスの安定供給への懸念が高まっており、持続可能な水道インフラの維持管理が重要な社会課題となっています。
山梨県は、年間給水量に対する技術職員数が全国平均よりも少ない状況で、より効率的かつ正確な水道設備の管理が重要な課題です。より効果的なメンテナンスには水道設備の位置把握が重要ですが、従来の正確な位置測定には高価で大掛かりな機器が必要となるため、実現が難しい状況でした。
KDDIはこれらの課題について、通信や高精度位置測位技術の活用による解決に向け、「第8期TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」における山梨県のサポートのもと、山梨県内の自治体と協議を行い、本実証の実施に至りました。

2. 実証内容

(1)水道設備(弁栓類など)の高精度な位置取得

通常のGNSS(該当項目へジャンプします※1)より高い精度で位置の特定が可能なKDDI 高精度位置測位サービス(PPP-RTK)を活用し、小型のGNSS受信機とスマートフォンを用いて、水道設備(弁栓類など)の位置を簡易かつ正確にマッピングする検証を行いました。検証場所は実際の利用シーンを想定し、実際の水道設備(弁栓類など)から上空視界の良い場所と遮蔽物が多い場所を、東部地域広域水道企業団、韮崎市上下水道課とともに複数選定しました。
検証の結果、実際の設備位置と測定結果との位置誤差は、上空視界の良い場所では数センチメートル、上空視界が十分に取れない場所(山間部など)でも実運用において問題なく活用できる高い精度で位置情報を取得することができました。
また、実際に測定を行った調査担当者から、小型のGNSS受信機とスマートフォンを用いるため、約1分と短時間かつ1名でも位置情報が簡易に取得可能で、調査担当者の業務経験に関係なく活用ができそうだとの声を得られました。

積雪で発見が難しい弁栓、密集して判別が難しい弁栓

従来の一般的な手法と本実証の手法の比較図

(2)漏水調査時の報告書作成効率化

漏水調査時の報告書作成に、wavelogy株式会社(本社:東京都大田区、代表取締役:道上 竣介)が提供するレポート業務効率化アプリを用いる手法を検証しました。
漏水調査の現場で撮影した写真や位置情報を、従来の報告内容にあわせてスマートフォンから簡単に送信できるアプリにより、通常は漏水発見から報告まで約2時間要していたところ、約2分で現場から報告することができました。

3. 場所・期間

山梨県大月市・韮崎市内の計6エリア

  • 見通しの良い場所、遮蔽物が多い市街地や山間部などで実施。各エリアで複数の弁栓類の位置情報を取得。
  • 2025年7月10日~11日
    韮崎市にて弁栓類の位置を本実証の手法で取得・活用し、効率化を検証
  • 2025年8月12日~13日
    大月市にて弁栓類の位置を本実証の手法で取得・活用し、効率化を検証
  • 2025年9月2日
    大月市にて漏水調査時の報告書を本実証の手法で作成し、効率化を検証

4. 各者の役割

KDDI
  • ・
    本実証の全体統括・主管、KDDI 高精度位置測位サービス(PPP-RTK)の提供
  • ・
    位置情報の取得・活用に使用する機材の提供
  • ・
    検証結果の評価・分析
山梨県
  • ・
    本実証のサポート(山梨県内関係者との調整など)
東部地域広域水道企業団
  • ・
    本実証で使用する大月市内のフィールド提供、実証当日の作業者の調整・提供
韮崎市上下水道課
  • ・
    本実証で使用する韮崎市内のフィールド提供、実証当日の作業者の調整・提供
wavelogy
  • ・
    漏水調査時の報告書作成効率化アプリの提供

■今後の展開

高精度な位置情報の活用により、土砂や枯葉、積雪などで弁栓が見つけにくい状況や、弁栓が密集している場所でも、必要な弁栓をすぐに発見できることが期待できます。また、移動しながら軌跡の取得もできるため、水道管敷設時などでも活用の可能性があります。
KDDIは本実証の結果をもとに、限られた人員でも高水準な水道設備のメンテナンスができる仕組みを全国各地に展開していきます。
将来的には、活用の幅を広げ、水道設備に限らず様々なモノの位置を把握し、デジタルマップ化や防災などへの活用、ほかの産業に活用していくことで、地域の抱える様々な社会課題の解決への貢献を目指します。

KDDIは今後も先端技術を活用し、パートナーと共に社会インフラの持続的な発展と、地域住民の安全・安心な暮らしの実現に向けて、社会課題の解決に積極的に取り組んでいきます。

■Te to Teについて

「Te to Te」は、KDDI VISION 2030「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」の実現に向け、地域の未来に情熱を持ち、より良い地域づくりを目指すみなさまと手と手を取りあって、新たな可能性の扉を開きたいという思いから生まれたブランドです。
KDDIグループは、人と人、モノゴト、地域の思いをつなぎ、地域とともに持続的な発展を築いていきます。

ロゴ:KDDIの地域共創「Te to Te」

  • ※1)
    Global Navigation Satellite System(全球測位衛星システム)の略。

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