コンプライアンス

コンプライアンスに対する基本的な考え方

法令遵守はもとより、社会的責任を果たす企業行動を徹底する上で規範意識の浸透は企業経営の基盤となる課題と認識しています。KDDIはグローバル企業として、グループ全体で一貫したコンプライアンス体制の拡充を推進しています。

コンプライアンス推進体制

KDDIは従業員がコンプライアンスを意識した倫理的な行動をとるための指針として「KDDI行動指針」を定め、その周知と行動を徹底するために、イントラネットへの掲載に加え、従業員に貸与する業務用移動機に「KDDI行動指針」に関するWebショートカットも配信し、判断に迷った際には常に確認できるようにしています。また、KDDIグループのコンプライアンス関連事項を審議決定する機関として、「KDDIグループ企業倫理部会」を設置しています。
KDDIグループ企業倫理部会は、取締役執行役員専務CFO(コーポレート統括本部長)を部会長とし、部会長が必要に応じて任命する者で構成されています。毎年、半期ごとに開催し、KDDIグループ各社の状況把握をするとともに、コンプライアンスの体制構築・強化を支援しています。
またKDDIグループ企業倫理部会のもと、啓発活動の方針策定やコンプライアンスに反する事項が発生した場合の対処、社外への情報公開、再発防止策などの検討を行っています。KDDIグループ企業倫理部会の活動状況は、イントラネットを通じて全従業員に公開しています。
なお「KDDI行動指針」および順守するための推進体制、違反防止策、報告体制は独立した第三者の検証を受けています。

コンプライアンス推進体制

腐敗防止

KDDIグループは贈収賄・汚職などの法令違反を含むあらゆる腐敗行為を禁止するため、「KDDIグループ贈収賄等防止に関する方針」を定めています。

KDDIグループ贈収賄等防止に関する方針

1. 基本方針

KDDIグループは、事業を行う国・地域で適用される贈収賄・汚職等の法令違反を含むあらゆる腐敗行為(以下「贈収賄等」という)を禁止し、法令遵守と高い倫理観に基づいた企業活動を推進します。
本方針はKDDIグループの全役員・全従業員に適用されます。また、サプライヤーやパートナーに対しても贈収賄等の防止に関連する法令を遵守して行動することを求めます。

2. 禁止行為

以下の行為を禁止行為と定義し、直接・間接を問わず、全役員・全従業員による行為を禁止します。

  • 贈収賄
  • 不適切な接待・贈答の授受
  • 不正なリベート・キックバック等の収受
  • 利益相反行為、職権濫用行為、詐欺・強要、横領・背任
  • 不当な便宜の目的での政治献金・寄付
  • 談合・癒着等の不正競争行為
  • インサイダー取引
  • その他、不法・不当に金員、物品等の価値のあるものを提供、勧誘、受領等する行為
3. 体制整備

贈収賄等を防止するため、コンプライアンス担当部門、内部通報制度、内部通報対応規程、接待・接受に関するガイドライン等の体制・規程・ガイドライン等を整備します。また、内部通報窓口への通報者は匿名で通報することができ、通報者・調査協力者が不利益な取り扱いを受けたり、報復を受けたりするようなことがないよう、その防止に努めます。

4. 周知・教育研修

本方針を全役員・全従業員に周知し、贈収賄等を防止するため研修を行います。

5. 適正な会計処理と記録

贈答・接待・寄付等の記録の正確な作成と保管を行います。

6. モニタリング・報告

定期的に贈収賄等の防止体制が機能しているかを確認します。その結果を踏まえ、必要に応じて体制の改善、是正等を実施します。
コンプライアンス担当部門は、モニタリングの結果を定期的にリスクマネジメント委員会企業倫理部会に報告します。

7. 違反への対応

禁止行為が確認された場合は、社内規定・就業規則等に従って厳正な処分(懲戒処分含む)を実施します。

8. 本方針の承認・見直し

本方針はKDDI代表取締役社長が承認します。
本方針はコンプライアンス部門により定期的に見直しを行います。

制定・改定履歴

2025年9月20日制定

サステナブル調達

お取引先さまに対しては、「KDDIグループ持続可能な責任ある調達ガイドライン」において、汚職・賄賂、優越的地位の濫用、不適切な利益供与および受領の禁止などを定め、遵守をお願いしています。

au Style/auショップに対する取り組み

2023年3月末時点で、KDDIの製品・サービスの専門店舗であるau Style(直営店含む)は全国に279店舗、auショップは全国に1,780店舗、UQスポットは全国に238店舗あります。これらのau Style、auショップなどのau/UQ mobile取り扱い店は、お客さまが実際にau/UQ mobileと対面する場です。また、au Style、auショップ、UQスポット以外にもトヨタ販売店や家電量販店をはじめとした併売店においても広くKDDIの製品・サービスの取り扱いを行っています。
中でも、お客さま体験価値を最大化するためには、通信事業者としての専門店舗であるau Style、auショップ、UQスポットのサービスレベル向上が最も重要だと考え、各種支援を行っています。
店舗全体でのサービス向上においては、スタッフの育成が欠かせないため、基礎的業務知識や新商品情報を学ぶeラーニングやオンライン研修によるセールストレーニングの実施など、スタッフの学習が効率的かつ効果的に進められるよう工夫しています。また、スタッフのスキルを評価する資格認定制度を導入しており、お客さま満足度の高いセールス力および店舗マネジメント力などを評価する資格「アドバイザー」「マスター」「ライフスタイルコンサルタント(au Styleのみ)」「エキスパート」を設け、プロフェッショナル育成を行うとともに、販売代理店の人財育成マネジメントを推進いただく「Xスーパーバイザー」を育成し認定しています。さらに、au Style、auショップの各種取り組みをプレゼンするコンテスト「CX AWARD」を毎年開催し、称賛と好事例の共有を図っています。
また、au Style、auショップ、UQスポットに対し、情報セキュリティや法令遵守のための運用ルールの履行状況を定期的な監査により確認し、監査結果に基づくフィードバックを実施することで、個人情報を取り扱うスタッフのセキュリティ意識およびコンプライアンス意識の向上と、オペレーションの精度向上に努めています。

販売代理店に対するサポート

KDDIは、販売代理店へのサポートとして、店舗の新設・移転時の開設支援や、店舗運営に関する体制支援、各種研修や資格取得サポートなどを通じた店頭スタッフの育成支援など、さまざまな営業活動支援を行っています。
なお、KDDIは販売代理店との契約に際し、反社会的勢力に加担しないことや公正な取引を行い適正な事業活動を行うよう求めています。

主に実施した教育啓発活動

対象 取り組み内容 回数
代理店経営層向け 不適切な販売事例を用いた統括商談を実施
(経営層から代理店スタッフへの落とし込みを実施)
随時
全店頭スタッフ向け eラーニング「コンプライアンス総合講座」の実施
動画・各種研修資料(不祥事事例集など)の配付
年1回

反社会的勢力排除(基本的な考え方と整備状況)

KDDIは、「KDDI行動指針」および「内部統制システム構築の基本方針」に、反社会的勢力に対しては毅然とした対応をとり、一切の関係遮断に取り組む旨を規定しています。

KDDIは、反社会的勢力に対し、以下の指針に則り対応します。

  • 組織としての対応
  • 外部専門機関との連携
  • 取引を含めた一切の関係遮断
  • 有事における民事と刑事の法的対応
  • 取引や資金提供の禁止

競争法違反防止

KDDIは、「KDDI行動指針」において、反競争的行為の禁止を定め、全従業員に競争法の遵守を徹底しています。また競争法以外でも、労働法・税法・環境法・消費者保護法・データ保護法などをはじめとした各国の現地法制を十分に調査し、遵守することを定めています。さらに、「KDDIグループ持続可能な責任ある調達ガイドライン」において、取引先に対し、公正・透明・自由な競争を阻害する行為を行わないことを要請しています。総務省など行政から受けた要請・指導に対しては速やかに対応し、関連法令の遵守を徹底するとともに、これからも適正な事業運営に取り組んでいきます。

企業倫理ヘルプライン(内部通報制度)

KDDIは2006年より、KDDIおよびKDDIグループ会社の従業員などを対象に規程や法令違反を含む企業倫理についての相談または申告を受け付ける「企業倫理ヘルプライン」を設置し、常時、メールや電話、書面などで相談や申告を受け付けています(多言語対応窓口あり)。「企業倫理ヘルプライン」への相談や申告は、KDDIのコンプライアンス部門が受け付ける社内窓口またはKDDIが業務委託契約および秘密保持契約を結んだ第三者の窓口に対して行うことができ、いずれの窓口でも、匿名での相談や申告も受け付けております。
相談・申告された案件は、KDDIのコンプライアンス部門を中心にプライバシー保護と守秘義務の徹底に配慮しながら調査を行い、その結果、問題が発覚した場合は、速やかに経営幹部および監査役に報告し、是正措置および再発防止措置を講じています。
「企業倫理ヘルプライン」は、2022年6月に改正された「公益通報者保護法」に則して運営しており、内部通報対応規程においても、通報したことまたは通報に関する事実関係の調査に協力したことを理由として、通報者および調査協力者に対して不利益な取り扱いを行ってはならない旨を明記しています。
また、セクハラ・パワハラを含むハラスメント全般の申告、相談のためのKDDIグループ共通窓口として、社外の専門カウンセラーが対応する「ハラスメントホットライン」を設置しています。
「企業倫理ヘルプライン」「ハラスメントホットライン」の利用については、「内部通報カード」を配布し、積極的に従業員への周知を行っています。
2024年度は、KDDIグループ全体で寄せられた相談・申告のうち、社外への公表を要する相談・申告案件はありませんでした。

適切な税務

税務基本方針

KDDIグループは、お客さまご満足の向上と利潤を追求するとともに、各国、各地域における国際ルールや税務関連法令などを遵守し、また、その精神も尊重し税の公平性を担保した適切な納税を行い、企業の社会的責任を果たすことで企業価値の最大化を図っています。
2024年度の法人所得税費用は、338,517百万円で税引前当期利益に対する税負担率は30.6%でした。KDDIグループは、独立性を担保した外部の会計監査人による会計監査を受け、最高財務責任者(取締役執行役員専務CFO)および代表者(代表取締役社長CEO)の承認を経て、有価証券報告書の提出を行っております。

税務ガバナンス体制

KDDIグループとして、実際の事業活動において税務基本方針の着実な履行を確保するため、KDDIグループ税務管理規程が定められています。KDDIグループ各社は、当該規程を順守することが義務づけられています。
当該規程は、代表者の承認をもって制定され、最高財務責任者によって統括されています。
実務運営はKDDIの税務担当部門に移譲されており、KDDIグループの税務に関する重要な事象・リスクを認識した場合には、最高財務責任者および必要な会議体へ報告されています。

税務ガバナンス維持・向上のための取り組み

代表者をはじめとした経営層は、グループ企業の多国籍化および国際取引の増加に伴い、国際的な税務リスクを正しく認識し、経営に直結する重要な課題であるという観点から、最新の税務知識向上のための外部専門家の活用も含め、税務戦略の立案・推進に努めています。また、本社主導で国内・海外の従業員に対する指導を行うとともに、外部専門家による税務サポートの提供を受けるなど、税務ガバナンスの維持・向上に取り組んでいます。
さらに、KDDIは、作成した税務申告書に関して、外部の税理士法人による確認および最高財務責任者の承認を経て、税務当局へ提出しています。

税の透明性および税務当局との関係性

税務に関する透明性を確保すべく、日本の税法に従って、国別の活動状況に関する情報をまとめた国別報告事項を毎年作成・提出するとともに、事業活動を行っている各国・地域の関連法規や開示基準などに従って、グループの活動の全体像に関する情報をまとめた事業概況報告事項などの税務情報の適時適切な開示などを行うことで各国税務当局との信頼関係を築き、必要に応じて事前照会などを実施し、税務リスク低減に努めています。

租税回避防止に対する取り組み

OECD(経済協力開発機構)が提示した、BEPS(Base Erosion and Profit Shifting)各行動計画に従い、日本を含め各国においてBEPS対応の税制改正への対応作業を進め、経済活動・価値創造の場所と課税地を一致させ適正に納税するよう取り組んでいます。
とくに、国際税務において重大な問題となる移転価格税制、タックスヘイブン対策税制については、以下の通り対応しています。

移転価格税制への対応

KDDIグループのビジネスの大部分は、日本国内における通信事業その他附帯事業であり、同等規模の多国籍企業と比較して、国外関連取引は少ないものとなっております。
実際に国外関連取引が行われる場合には、各国の法令を遵守し、独立企業間原則にのっとった国外関連取引の合理性を検証し、移転価格文書を作成しています。また、国外関連取引の規模に応じて税務当局と協議の上、各種制度を活用し、適切な納税に努めています。

タックスヘイブン対策税制への対応

租税回避を目的として無税または低税率国・地域(いわゆるタックスヘイブン地域)を利用しません。事業遂行上の理由により、タックスヘイブン地域へ投資を実施する場合には、各国の法令に従ってタックスヘイブン対策税制の適用判定を行います。結果として、タックスヘイブン対策税制の対象となる場合には、適正に申告納税を行います。

納付税額

  2023年度(単位:億円)
日本 2,536 97.31%
モンゴル 18 0.69%
フランス 18 0.69%
ドイツ 10 0.37%
中国 5 0.21%
その他 19 0.73%
合計 2,606 100.00%

コンプライアンスの教育・研修・啓発

2024年度の取り組み事例

対象 事例内容
KDDI社員
  • eラーニング『「接受」の取り扱いについて学ぶ~お取引様とのお付き合いにおける基本的な考え方~』
  • KDDIグループ企業倫理セミナー
KDDI新任ライン長、中途・新入社員
  • eラーニング『コンプライアンス実践の基本』
  • 内部通報制度のご紹介
KDDIグループ役員
  • eラーニング『グループ会社役員研修(漫画で読み解くコンプライアンス)』