- KDDIホーム
企業情報
地域共創 (Te to Te)
自治体・パートナー企業と連携した事例紹介
事例紹介: スマホひとつで観光! ~徳島県鳴門公園エリアでの観光型MaaS実証実験~
事例紹介: スマホひとつで観光! ~徳島県鳴門公園エリアでの観光型MaaS実証実験~
背景と課題
鳴門公園エリアの観光活性化を促進する

公益財団法人徳島経済研究所 主任研究員
青木 伸太郎さま
徳島県の観光活性化については、10年以上前から地元の皆さんと議論を重ねてきました。2018年には、関西地方を訪れる観光のお客さまに着目し、鳴門公園エリアを四国観光の玄関口にする取り組み「うずしおオーシャンライン構想」を発表。翌年には地域の主要な交通機関・観光事業者・行政による取り組みが開始され、関西からの高速バスと地元バス便の連携などを進めてきました。その流れの中で、鳴門公園エリアの観光活性化をさらに発展させようと議論していたところにKDDIとのご縁があり、観光型MaaSの実証実験を行うことになりました。
公共交通機関の乗り継ぎ・乗り方が観光活性化の課題

鳴門観光興業株式会社 常務取締役
森下 麻実子さま
観光活性化を進めていく上で、公共交通機関の連携は大きな課題の一つです。私たち観光事業者は、お客さまからたくさんのお問い合わせをいただきます。例えば、「観光施設に向かう際の列車からバスへの乗り継ぎはどうなるのか」「路線バスは前から乗るのか、後ろから乗るのか」「バスの整理券はどうすればいいのか、支払いはどうするのか」などです。こうしたお問い合わせに対応するためには案内用のチラシが必要ですが、それを説明するのにも大変苦労しているという現状があります。
このような課題の改善を模索する中、公共交通機関や観光施設などをシームレスに利用できるMaaSの実証実験が行われることとなり、本当にありがたいと感じました。
観光活性化から地域の活性化を期待
地方の公共交通機関がなくなってしまう主な原因は、地元利用者の減少です。電車やバスがなくなるといちばん困るのは、移動する手段を持たない高齢者などの交通弱者といわれる方たちなので、私自身もこれらの交通機関を守っていきたいという想いがあります。
一方で、地方の人口減少が続くなか、地元の利用者だけに頼っていくのは現実的ではありません。地元の利用者が少ないのであれば、外から観光でいらっしゃるお客さまに使っていただくことが必要です。まずは、交通の利便性を上げ、観光のお客さまに快適に周遊していただくことが大切だと思っています。
また、最終的には多くの地元の方たちに公共交通機関を利用していただくことが目標です。観光のお客さまのほとんどは、交通インフラの整っている都市部からいらっしゃるので、今回の実証実験も受け入れていただきやすいと思います。そこでたくさんの方に利用していただければ、地元の方たちにもその便利さが伝わるのではないでしょうか。
交通事業者、観光事業者、シンクタンク×KDDIによる取り組み事例
観光型MaaS「くるくるなるとデジタル周遊チケット」
<取り組みの概要>
観光型MaaS「くるくるなるとデジタル周遊チケット」は、スマートフォン1つで徳島県の鳴門公園エリアを周遊できるサービス。
同エリアでは、公共交通機関の乗り継ぎや整理券方式のバスの乗り方のわかりにくさ、メイン観光地以外の観光資源の認知度不足などの課題があった。
そこで、地元の交通事業者、観光事業者、シンクタンク、通信会社の7者が連携し、エリア周辺の交通利便性の向上、観光活性化を目的とした観光型Maas「くるくるなるとデジタル周遊チケット」の実証実験が実施されることになった。
プロジェクト参加団体: 四国旅客鉄道株式会社、徳島バス株式会社、全日本空輸株式会社、日本航空株式会社、一般社団法人イーストとくしま観光推進機構、公益財団法人徳島経済研究所 及びKDDI株式会社
実施期間: 2021年10月15日~2022年1月31日

「くるくるなるとデジタル周遊チケット」を使うと、
[1] 電車・バスのフリーパス購入・利用
[2] 観光施設の入場券購入・利用
[3] バスの乗り降り
がスマートフォン1つでできるようになる。

[1] JR・徳島バス フリーパス
[2] なると観光チケット
アプリ不要! アカウント登録不要! キャッシュレスで快適観光!
キャンペーンサイトもしくは空港や駅・観光施設に設置されたプレートにスマートフォンをかざし、購入したいチケットを選択。普段自分が使っているアカウント (GoogleID、AppleID) でサインインし、支払いを完了すれば、手持ちのお金を気にすることなく観光が楽しめる。
―購入・利用の流れー


周辺の観光施設や乗り継ぎなどもご案内。
[3] バスのスマホタッチ支払い
日本初! 低コストで導入可能なバス運賃決済システム
鳴門公園エリアの路線バスは、乗車区間に応じて運賃を計算する距離区間制となっており、乗車時に整理券を取り、降車の際に整理券に対応する料金を支払う方式。今回の実証実験では、高精度位置情報で運賃を自動計算し、スマートフォンで登録したクレジットカードで決済するという、日本初のバス運賃決済システムを採用。利用者は、降車時の現金支払いのわずらわしさから解放される。
この決済システムは、交通系ICカードと比べると初期導入コスト・維持コストを低く抑えることが可能で、地方のバス事業者のキャッシュレス化に貢献できる。

―利用の流れー


路線図や乗車履歴も表示でき、周遊しながらルートを確認するにも便利。
操作をどれだけわかりやすくできるかが課題
「くるくるなるとデジタル周遊チケット」の実証実験が始まって約半月ほどが経過しました。私自身も利用してみましたが、支払う小銭の心配をしなくてすみますし、キャッシュレスで観光できるという点ではストレスもありません。乗り換え案内の機能も便利だと思います。
ただ、実際に利用された方からは、操作方法がよくわからないというご意見もいただいています。もっと直感的に操作できるよう、実証実験期間中に対応していきたいと考えています。(青木さま)
観光のお客さまにプラスαの魅力をどう伝えるか
公共交通機関や観光施設がシームレスに利用できる、バス料金も自動で決済されるなど、このエリアでは初めての試みです。ただ、都市部から観光に来られるお客さまにとっては、どれも目新しさを感じていただきにくいと感じています。それを踏まえた上で、「くるくるなるとデジタル周遊チケット」をもっと便利に使っていただく方法をお伝えしていくことが重要です。お客さまに積極的に利用していただけるよう、アプローチ方法を考えていきたいと思います。(森下さま)
今後の展望
実証実験を成功させ、徳島の新たな移動手段とする

ほとんどの家庭が車を持っている時代ではありますが、車ではできないバスならではの楽しみもあるものです。私自身は、今回の観光型MaaSをきっかけに、このエリアにも新たな移動手段が生まれるという期待を持っています。県内のバス会社で専用端末を置くことなくキャッシュレス決済ができる仕組みは初めてで、バス会社も期待していますし、便利なサービスなのでもっと広がってほしいと思います。ぜひとも、この実証実験を成功させ、徳島に根付かせたいという気持ちです。
KDDIにはとても迅速に親身になって対応していただきありがたく感じています。この勢いのまま残りの実証実験期間も、地元の皆さんやKDDIと密に議論しながら、スピード感を持ってさらに機能を向上させていきたいと思っています。
ともに力を合わせ、地域に合わせた施策を推進する

今回のようなプロジェクトを通じて、地元側の意思決定の体制を整えておくことの重要性を改めて感じました。実際に利用する方たちの声を吸い上げ、意思決定機関が窓口となってKDDIに意見を伝え、一緒に作り上げていく。私たち自身が行動する姿勢がとても大事です。
どんなプロジェクトでもそうですが、話し合いやものごとを進めていく上では人と人との縁が大きく、その意味でKDDIの方たちは素晴らしいと感じました。私たちに寄り添い、地元企業に協力をお願いしにいくことにも力を貸していただきました。
地方都市の抱える課題は、全国共通の部分もあれば、県民性・地域性・環境によって違いもあります。これからも地元民の考えやニーズを細かく拾っていただき、地域に合わせてカスタマイズしながら一緒にプロジェクトを進めていただければと期待しています。お互いが協力し、力を出し合わなければ良い施策・良いシステムは生まれません。地方創生は人と人とのつながりがキーになると思っています。
本実証実験についてはKDDI トビラでも紹介されております。是非ご覧ください。
▼KDDI トビラ
<https://time-space.kddi.com/au-kddi/20211122/3218>
▼くるくるなるとデジタル周遊チケットはコチラ
<https://plate.id/LHWPLQ40>
- 自治体・パートナー企業と連携した事例紹介
- 事例紹介: 兵庫県豊岡市 ビッグデータを活用した観光マーケティングの推進
- 事例紹介: 岐阜県白川村 インバウンド需要に対応した通信環境の整備
- 事例紹介: 宮城県東松島市 スマート漁業モデル事業を開始
- 事例紹介: 神奈川県真鶴町 森林資源の保全を目的とする産官学連携プロジェクト
- 事例紹介: 離島応援「しまものプロジェクト」 離島事業者サポート講座実施
- 事例紹介: 福井県小浜市 IoTで日本遺産「鯖街道」復活へ
- 事例紹介: 長崎県平戸市 Kidsジョブチャレンジ2019 in平戸 ~アウトオブキッザニア~ 開催
- 事例紹介: 兵庫県豊岡市 IoTを活用し水田管理を省力化
- 事例紹介: 長崎県五島市 ドローン・AIを活用しマグロ養殖漁業者の事業リスク軽減と作業を効率化
- 事例紹介: 宮城県東松島市 全自動で水と肥料を供給する農業IoT導入
- 事例紹介: 福島県喜多方市 2019きたかたおしごと広場にKDDIがブース出展
- 事例紹介: 兵庫県豊岡市 5Gを見据えたICTを活用
- 事例紹介: 北海道江差町 伝統のお祭りでIoTを活用
- 事例紹介: 中部国際空港株式会社 三重県伊賀市 滋賀県甲賀市 VRを活用し訪日外国人誘客の取り組みを実施
- 事例紹介: 静岡県御殿場市 ドローンを活用した山岳救助支援
- 事例紹介: 鹿児島県長島町 高解像度VRを活用した移住定住施策を実施
- 事例紹介: 福島県国見町 IoTを活用したイノシシ捕獲対策
- 事例紹介: 岐阜県飛騨市 スマート農業システムの実証事業
- 事例紹介: 鹿児島県薩摩川内市 5Gの活用を想定した未来の災害復旧の仕事体験
- 事例紹介: 東京都多摩地域 地元企業と歩む地域マーケティング
- 事例紹介: 福島県檜枝岐村 シカから尾瀬国立公園を守るために自動撮影カメラを活用し対策
- 事例紹介: 宮城県東松島市 MCPC award 2019 モバイルビジネス賞を受賞
- 事例紹介: 福井県小浜市「鯖、復活」養殖効率化プロジェクトの今
- 事例紹介: 福島県檜枝岐村2 ビッグデータを活用して、尾瀬来訪者の属性や行動を可視化。
- 事例紹介: 群馬県片品村 ビッグデータを活用して、尾瀬来訪者の属性や行動を可視化。
- 事例紹介: 東北発の起業家育成支援プロジェクト
- 事例紹介: 不確実な時代を生きるための新たな学び~「デザイン思考」授業の実施~
- 事例紹介: 愛媛県南予地域における観光型MaaSの実証実験〜公共交通の利便性向上・旅のシームレス化を実現〜
事例紹介: 国内初! 自治体運営によるドローン物流事業~空飛ぶデリバリーサービス「ゆうあいマーケット」~
- 事例紹介: 城崎国際アートセンター (KIAC) におけるau5G基地局開局イベント
- 事例紹介: 岩手県立大学での5Gを活用したオンライン授業~5Gで広がる大学教育の可能性~
- 事例紹介: 探究的な学びによる、特色ある学校づくり~KDDIと県内高校による「学校×KDDI共創プロジェクト」~
- 事例紹介: 高校生たちが幼児向け絵本をクラウドファンディングで出版~地域の子どもたちに地元の魅力を知ってもらう活動を応援~
- 事例紹介: 高知県日高村「村まるごとデジタル化事業」の支援~スマホ普及率100%を目指して~
- 事例紹介: スマホひとつで観光! ~徳島県鳴門公園エリアでの観光型MaaS実証実験~
- 事例紹介: Society5.0社会を支えるイノベーション人財を育成する~仙台高専 PBL授業とビジネスコンテストへの挑戦
- 事例紹介: プログラミングを通じて地域の人財育成の裾野を広げる~子どもの未来応援プロジェクト「ロボサバ」~
- 事例紹介: 自治体のデジタル化で、行政窓口の手続きをもっと便利に! ~5つのモデル事業を通して自治体のBPR推進を図る「東京都 区市町村における行政手続等デジタル化モデル事業」~