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活動レポート
高知県日高村にてシンポジウム開催のご報告 ~デジタルを活用した健やかな未来のまちづくり~
高知県日高村にてシンポジウム開催のご報告 ~デジタルを活用した健やかな未来のまちづくり~
はじめに
高知県日高村…人口5000人弱、高齢化率40%の小さな村で始まったプロジェクト「村まるごとデジタル化事業」は、全住民のスマホ100%普及とアクティブ率100%を目指す先進的な村として高い注目を集めています。
KDDI総合研究所では、2021年より日高村、高知県立大学と共同研究契約を締結し、村まるごとデジタル化事業の当事者の声を集めてこのプロジェクトを応援しようと、研究を進めてきました。村民へのヒアリングやアンケート調査の結果報告も兼ねて、本プロジェクトの発起人である日高村企画課・安岡周総氏を中心に、「日高村に取材に行きたいと思っていた!」「同じような取組みをしたい!」という全国の同じような志を持つ地方行政職員に向けて改めてプロジェクトの概要や担当者の思いなどをお届けするオンラインシンポジウムを2/5に開催しました。
(参考) KDDIより: 村まるごとデジタル化事業のプレスリリースhttps://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2021/05/24/5141.html
(参考) KDDI総合研究所より: 3者共同研究のプレスリリースhttps://www.kddi-research.jp/topics/2021/110201.html
(参考) KDDI総合研究所より: シンポジウムのプレスリリースhttps://www.kddi-research.jp/topics/2022/012801.html
イベントの様子
◆シンポジウム概要
コロナ禍のため、YouTubeにてLive配信されました。
日高村のPRムービーの配信のあと、日高村戸梶村長からのご挨拶、日高村企画課、高知県立大学、KDDI総合研究所の順で講演を行い、最後に3者でDXと日高村の近未来についてフリートークを行いました。
プログラム
◆イベントの様子
「日高村に住むすべての住民をエンパワーメントさせたい」
最初に行われた日高村企画課・安岡氏による講演。
そもそもDX化ってなに? なぜスマホ普及100%を目指したの? という前提のお話から、熱く語って頂きました。
安岡氏は、社会や行政がDX化しても、ついていけずに社会からこぼれてしまう人がいるのではないかと考え、DXは本当に社会的にインクルージョンな取組みになるのか? という疑問があったとのこと。特に高齢者の多い日高村では、スマホを持っていない多くの方々が情報弱者になってしまうことが予想されたため、まずは高齢者にスマホを普及させ、持つだけではなく日常的にスマホを使ってもらう取組みを進めようと考えたそうです。その成果として、短期間で日高村全体で65%から75%へスマホ普及率を向上させることに成功しました。
安岡氏の講演で強調されたのは、スマホ普及をゴールにしているのではなくあくまでも「住民のエンゲージメントを高める」こと。スマホの使い方がわからなくたって、スマホ教室に行ってみて、楽しかったと思ってもらえる体験こそが、住民のエンゲージメントを高めることに繋がるとのこと。研究で実施したアンケート結果でも「スマホを友人や知人に勧めたい」と考えている住民が多いことがわかりました。当初、事業を進めるうえで反対の声もあったようですが、やって無駄なことはないと考えた安岡氏は着実に取り組み、他自治体からの視察があったり企業版ふるさと納税にかかる大臣表彰を受賞されるなど、高く評価されるようになりました。最後に、参加者へ「人間は、希望に満ちていることを信じる。」という前向きなメッセージが発信されました。
続いて、高知県立大学大学院生の町田氏よる講演。スマホを初めて使ってみた住民の声やスマホ相談所に来られる方は何に困っているのか? といったデータをもとに、健康づくりに携わる研究者側の視点で日高村におけるスマホとWell-beingの関係の考察について丁寧に解説されました。
そして、KDDI総合研究所フューチャーデザイン2部門健康医療グループ本庄氏より「日高村におけるデジタル利活用」というテーマで講演。日高村でスマホ普及がもう少し進んだ未来では、パーソナルデータの利活用がされうる、という近未来の話がされ、その際にスマホは自己実現をかなえてくれる万能の杖にはなりうるが、パーソナルデータをどう扱いたいかを考えるマインドを持つ必要があることが説明されました。
最後に高知県立大学神原咲子特任教授のファシリテートのもと、活発なフリーディスカッションされ、全てのセッションが終わりとなりました。印象的だったのは、安岡氏から地域住民の共感を得ながら事業を進めていくことが重要であり、住民からの事業評価は定量的なものではなく、説明会後の拍手という形で表れた、というお話しでした。
参加者のアンケートにも「来年度はスマホ教室をやりますが、参加者から拍手をもらえるような教室にしたいです。」というメッセージが寄せられており、シンポジウムを通して、日高村のホスピタリティ溢れるマインドや温かなメッセージが全国の有志の方々に届いたのではないかと思います。





おわりに
日本でも有数の「水質が最も良好な河川」」に選ばれる清流-仁淀川 (によどがわ) -が流れる高知県日高村にてコツコツと進む、村まるごとデジタル化事業。現在、その成果として75%までスマホ普及が進み、Society5.0に向けてまさに村が深化・進化を遂げようとしています。
その立役者である企画課・担当者様の勇姿には、どこか、幕末の日本を変えようと懸命に調整役を務めた土佐の英雄、坂本龍馬の姿が重なりませんか!? ぜひ、今後の日高村の動向にもご注目ください。
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概要
名称 | 高知県日高村にてシンポジウム開催のご報告 ~デジタルを活用した健やかな未来のまちづくり~ |
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開催日時 | 2022年2月5日 (土) 9:30-11:00 |
会場 | オンライン |
主催 | 高知県日高村、高知県立大学、KDDI総合研究所 |
協賛 | チェンジ、KDDI |