KDDIは、2014年度から重要なお取引先さま※1に対してサステナブル調達アンケート調査を実施しています。
アンケートでは、RBAの行動規範やJEITAの「責任ある企業行動ガイドライン」を参考にしつつ、「KDDIグループ持続可能な責任ある調達ガイドライン」で規定した人権・労働、安全衛生、環境、公正取引・倫理、品質・安全性、情報セキュリティ、社会貢献などのアンケート調査を通じてお取引先さまとサステナブル調達方針などを共有するように図っています。2022年度は、KDDIグループの一次お取引先さまのうち、発注金額ベースで上位約90%の主要なお取引先さまに対して実施し、97%の高い回答を得て、サプライチェーン状況の把握と、リスク分析に役立てています。
なお、2023年度からは、第三者評価プラットフォームのEcoVadis※2を導入します。
- ※1重要なお取引先さまの定義:取引量が多いお取引先さま、重要部品を扱うお取引先さま、代替不可能なお取引先さま、サステナビリティ要件(環境・社会・ガバナンスなど)を含む方針・ガイドラインに同意いただいたお取引先さまを選定しています
- ※2「環境」、「労働慣行と人権」、「倫理」、「持続可能な資材調達」の4つのパートで構成される、サステナビリティ評価サービス
項目 |
2022年度KPI |
2022年度実績 |
(参考)2021年度実績 |
アンケート回収率 |
90%以上 |
97% |
98% |
ヒアリング社数 |
30社以上 |
32社 |
5社 |
改善提案完了率 |
100% |
100% |
- |
実施概要 |
2022年度 |
依頼対象 |
KDDIグループの仕入額上位約90%(※3) |
依頼社数 |
150社(※4) |
- ※3一次お取引先さまは約2,500社(当社関連会社は除く)
- ※4海外法人16社を含む
業種分類 |
主な内容 |
社数 |
比率 |
サービス業 |
人材派遣、コンサル、広告など |
69社 |
46% |
情報通信業 |
ソフトウエア、SIなど |
34社 |
22% |
製造業 |
端末、基地局、電子機器など |
25社 |
17% |
建設業 |
基地局建設、通信工事など |
22社 |
15% |
2022年度からはサステナブル調達アンケートにて高リスク項目の人権、環境および情報セキュリティなどの項目を拡充し、サプライチェーンにおけるリスクアセスメントを強化しています。設問は紛争鉱物や外国人技能実習制度を含む人権に関するパート、スコープ1、2、3をふまえたCO2排出などの環境に関するパート、CSR(Corporate Social Responsibility)に関わる行動規範パートなどに分かれており、高リスクと判断されたお取引先さまにはヒアリングによる詳細確認や改善提案による支援など是正対応をしています。
テーマ |
設問数 |
設問内容例 |
高リスク管理のための設問(人権・環境) |
20 |
紛争鉱物の使用、外国人労働者の適切な情報提供と雇用、エネルギー消費量削減など |
法令遵守・国際規範の尊重 |
4 |
法令遵守・国際規範の尊重(方針の明文化、責任者の明確化など) |
人権・労働 |
12 |
人権尊重・労働者の権利確保、労働時間への配慮、適切な賃金と手当など |
安全衛生 |
5 |
安全衛生(法令やガイドラインの遵守など) |
環境 |
13 |
環境許可と報告、環境負荷低減、大気への排出、水の管理、資源の有効活用と廃棄物管理など |
公正取引・倫理 |
15 |
腐敗防止、適切な情報開示、公正なビジネス遂行、通報者の保護、責任ある鉱物調達など |
品質・安全性 |
2 |
違反行為の有無、管理体制構築の有無など |
情報セキュリティ |
8 |
法令遵守、個人情報保護、機密情報漏洩、セキュリティインシデントへの対応など |
事業継続計画 |
1 |
策定と準備など |
社会貢献 |
1 |
貢献活動の実施有無など |
管理体制の構築 |
7 |
マネジメントシステムの構築、管理、監督、適切な輸出入管理、苦情処理メカニズムの整備など |
合計 |
88 |
|
アンケートを依頼した12テーマの回答企業の平均得点率は83%でした。得点率の高い項目は「高リスク管理のための設問(人権)」、「法令順守・国際規範の尊重」、「情報セキュリティ」などであり、得点率の低い項目は「高リスク管理のための設問(環境)」、「社会貢献」、「管理体制の構築」などでした。
アンケートの回答を受領した、お取引先さまの取り組み状況を「得点率」に基づきグループ分けした評価結果は下記の通りです。
取り組みが不足していると判定した、リスクが高いと思われるお取引先様に対しては、調査結果のフィードバックおよび意見交換を実施し、課題を把握できた場合には、改善を依頼します。2022年度は第三者監査による懸念事項の現地調査と改善提案を実施しました。
なお、一定期間内に改善・是正されていない場合は、取引の停止を検討します。
ランク |
総合スコア |
比率 |
定義 |
グループA |
80%以上 |
65% |
優れた取組みができている |
グループB |
60%以上80%未満 |
34% |
一般的な取組みができている |
グループC |
60%未満 |
1% |
取組みが不十分である |
テーマ |
意見交換項目 |
改善必要社数 |
改善提案完了率 |
人権 |
差別およびハラスメントが起こらないよう管理規定などについて |
2社 |
100% |
紛争鉱物を含む製品の管理状況および実態の把握について |
5社 |
100% |
リスク地域との取引実態の把握について |
5社 |
100% |
労働者やお取引先さまなどを含む苦情処理メカニズムの取組みについて |
5社 |
100% |
環境 |
温室効果ガス排出量およびCO2排出量の管理について |
10社 |
100% |
環境(CO2排出量など)に対する取組みを考慮した仕入先選定について |
6社 |
100% |
お取引先さまとの意見交換の実施および通信業者間の連携
お取引先さまとより良いパートナーシップ体制を築くため、訪問やオンライン会議を通じてサステナブル調達活動の取り組みに関する意見交換や情報共有などを行うように努めています。
2022年度は、お取引先さま32社と人権、環境などをテーマに意見交換を実施し、必要に応じて改善提案を行いました。
また、日本電信電話株式会社、ソフトバンク株式会社と定期的にサステナブル調達に関する意見交換を実施し、通信事業者間の連携を図っています。取り組み成果の1つとして、サステナビリティに関するアンケートを標準化し、2023年度より3社共通のSAQ※5として各社のサプライヤーエンゲージメント活動に取り入れていきます。
- (5)Self-Assessment Questionnaire 自評価調査
対象 |
取り組み内容 |
KDDIグループ購買担当者 |
- 新任購買担当者向け教育プログラム
- 調達プロフェッショナル認定者(CPP)の取得推奨
- 購買担当者向けサステナブル調達研修会の実施
- サステナブル調達説明会の実施
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お取引先さま |
- サステナブル調達の取り組み説明と、サステナブル調達アンケートの対応依頼
- サステナブル調達ハンドブックに基づく調達活動
(2023年度から、一定調達額以上の案件にかかわるお取引先さま選定についてサステナビリティ評価を実施)
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