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事例紹介: 高知県日高村「村まるごとデジタル化事業」の支援~スマホ普及率100%を目指して~

2021年5月、高知県日高村、チェンジ、KDDIの3者は協定を締結し、6月より日高村の「村まるごとデジタル化事業」への取り組みを開始しました。村民の皆さんがスマートフォンを活用することで、より安全で豊かな暮らしを実現できるよう、村のスマホ普及率100%を目指しています。
この取り組みの一環として、10月10、11日に「おもいでケータイ再起動」を実施。その会場にて、日高村役場企画課の安岡 周総さん、auショップ高岡店長 岩崎誠司さん、スタッフの渡辺栄美子さんに、お話を伺いました。

KDDI×高知県日高村 「村まるごとデジタル化事業」の支援-スマホ普及率100%を目指して-

背景と課題

村のデジタル化に必要なものは何なのか

日高村役場 企画課 主幹
安岡 周総さま

「村まるごとデジタル化事業」という企画を発案したのは今から2年ほど前になります。そのヒントとなったのは、実は、坂本龍馬でした。
社会全体をDX (デジタルトランスフォーメーション) 化していこう、という現在の流れの中、日高村として何をしていくべきかを考えていた時に、坂本龍馬の行動を思い出しました。龍馬は日本を変えるために、船を軸とした外交政策をとろうとしました。それと同じように、今の日本がDX化を図っていく上で、必要なものは何か、龍馬の船に代わるものは何かと考えるようになったのです。
社会のDX化により、最終的な恩恵を享受するのは国民であり、日高村で言えば住民の皆さんです。デジタル化で、住民の暮らしを便利で豊かにするには、住民一人ひとりにオンラインへのタッチポイントが必要です。これにはスマートフォンが最適だと考え、村の皆さんにスマートフォンの普及を進めていく「村まるごとデジタル化事業」の取組みが生まれました。

スマートフォンを便利に使って、村と住民の力を上げていく

もちろん、村のスマートフォンを普及率が上がっても、ただ持っているだけでは意味がありません。我々は住民一人ひとりが、スマートフォンを便利に使いこなすことで、より安全で、豊かな暮らしを手にいれていただきたいと考えています。

そして、この実現のために、「防災」「情報」「健康」という3つの柱を立てました。
例えば、村では防災対策としてIP告知電話 (緊急通報システム) を各家庭に設置していますが、災害発生時に外出中だと情報を得ることができません。仮に自宅に居たとしても、停電してしまえばシステムは使えなくなってしまいますし、万一災害発生時に自分が海辺にいたら、そこで欲しい情報は目の前の津波から逃れるための避難経路のはずです。スマートフォンを持ち、自分に必要な情報を必要に応じて取得できるようにしておくことは、命を守ることにもつながるのです。住民の皆さんには「村まるごとデジタル化事業」を通して、スマートフォンがただ便利なツールということだけではなく、それを使いこなすことで、自分自身の可能性を広げていくことができるものだとお伝えしていきたいと思っています。

一人ひとりがスマートフォンを使い、各自で必要な情報を取得するようになると、これまでのような画一的な自治体サービスが不要になってきます。それによって、その財源を別の必要なことに有効活用していくことが可能になるのです。
「村まるごとデジタル化事業」によって、自治体と住民の皆さんとの関わり合いが変化し、より高め合えるようになることを期待しています。

日高村×チェンジ×KDDIによる取り組み事例

「村まるごとデジタル化事業」

<取り組みの概要>

日高村住民にスマートフォン普及と利活用を促し、アプリを活用して「防災」「情報」「健康」の側面から生活を支援する取組み。スマートフォンをただ持つだけでなく、一人ひとりが便利に使いこなし、より豊かな生活が実現できることを目指す。

KDDIは「村まるごとデジタル化事業」への支援として、出張販売所の設置、スマホ教室によるスマートフォン活用促進、健康アプリ (ポケットヘルスケア) の提供や、住民向け説明会、イベント (おもいでケータイ再起動) の実施などを行っている。

4つのアプリで、住民の生活を支援

地元スーパーの一角にスマートフォンの相談、質問を受け付ける会場を定期的に設置。

村が推奨するアプリの説明からインストール、設定までを無料でサポート。

「スマ友ステーション」を設置。村のさまざまな施設でスマホについてサポートしてもらえる場所にステッカーを貼付。

住民説明会の風景。初めてスマートフォンを使う住民に、使い方をわかりやすく説明。

<イベント概要>

「おもいでケータイ再起動」

2021年10月10日、11日、日高村のスーパーマーケット内の特設コーナーで「おもいでケータイ再起動」のイベントを実施。自宅で眠っている携帯電話を再起動して思い出の写真や音源、メール等をよみがえらせ、希望の写真をプリントアウトしてプレゼントした。
来訪者とのコミュニケーションは、「村まるごとデジタル化」の取り組みやスマートフォンのメリットなどを紹介するきっかけにもなる。

2日間で多数の住民が来訪。スーパーの買い物帰りに来て立ち寄ってくれる人も。

イベントでのコミュニケーションで、テーブルはだんだん打ち解けた雰囲気に。

auだけでなく、他社のスマホも受け付ける。

久しぶりに見た写真に思い出がよみがえり、スタッフとの会話も弾む。

安心し、納得してスマートフォンを使っていただくために

有限会社スリーエスカンパニー
チーフマネージャー兼auショップ高岡店長
岩崎 誠司さま

もともと、日高村には携帯ショップがありませんでした。そこで村まるごとデジタル化事業の開始に伴い、私たちauショッップ高岡店のスタッフが日高村に出張し、スマートフォンのお申し込み受け付けや使い方教室などの活動を行なっています。実際に活動を始めてみると、auをお使いでないと使い方を教えてもらえないと思われていたり、そもそも「スマートフォンは必要ない」と言われたりすることも。そうしたお客さまにどう応えていくのか、他のスタッフと一緒に手探りで取り組んでいるところです。

私たちの仕事は、お客さまの使い方に合った方法やプランをご提案し、納得した上でスマートフォンを使っていただくことです。今回の取組みをきっかけに、ショップではスマートフォンの使い方を教える6人の専任スタッフ「スマホ先生」を採用し、説明に当たっています。スマートフォンは、持っていただいたあとが本番です。使い方がわからないというお客さまに安心感を持っていただき、1人でも多く方にスマートフォンの良さを広めていきたいと思っています。

お客さまの目線で、わかりやすく説明することが大事

有限会社スリーエスカンパニー
スマホアドバイザー ライフデザイン担当
渡辺 栄美子さま

私は、スマホ先生として住民のみなさんにスマートフォンについてお伝えしております。この取組みの中で感じるのは、お客さまと同じ目線でスマートフォンを見ることの大切さです。例えば、高齢のお客さまは「アプリ」というだけではわかりません。「アプリは、スマホの中でできることがわかる名札です」とお話しすると納得してくださるのです。説明会や使い方教室などの活動を始めて3ヶ月になりますが、最初はお客さまの表情を見ながら、試行錯誤の連続でした。最近になってようやく、「こんなふうに言葉を崩せば、お客さまにわかりやすくなるんだな」と、手応えを感じられるようになりました。

スマートフォンの必要性を感じてないお客さまに興味を持っていただくのは、なかなか難しいものがあります。ただ、実際にスマートフォンを使い始めた方から「スマホにしてよかったわ。友達がラインで懐かしい写真を送ってきてくれたのがうれしくてね」と、声をかけてくださったり、「LINEのビデオ通話で、県外にいる弟と2年ぶりに顔を見ながら話せた」と喜んでお電話をくださったり、そういう声をいただくたびに携わらせてもらって良かったと感じます。こうした方々が増えてくると、人から人へとつながっていき、スマートフォンのご利用も広がっていくと思います。

今後の展望

困りごとを掘り起こし、解決しなければ普及は進まない

住民説明会でスマートフォンの勉強会をする
auショップ高岡店の渡辺栄美子さん

日高村には82の自治会があり、これまでに22の自治会で住民説明会を実施してきました。スマートフォンの利用者もだんだん増えており、手応えを感じているところです。しかし、こうした説明会に出席してくれるのはスマートフォンを「持ちたい」と思っている方で、問題は「持ちたくない」という方にどうやって持っていただくかです。現状の生活に満足している方にとっては、私たちの活動はお節介でしかないのです。

最近、「不満があるのはいいことだ」と強く思うようになりました。不満があるのは興味があるということです。その方の不満を聞き、困りごとを掘り起こし、それを行政的にできるかどうかを考える。この作業が大切であり、楽しいと感じています。住民の皆さんの本音を聞かない限り、普及を進めるのは難しいと思います。

「村まるごとデジタル化事業」を言葉だけで捉えると、少し冷たい印象があるかもしれません。ですが実際は、人と人が、一緒に考えながら進めていくとても人間臭い、泥臭い作業なのです。
また、こうした作業も私が1人でやるのではなく、周囲の皆さんの協力があってこそ実現できます。その意味では、本当に感謝しかありません。

KDDIとともに、社会にインパクトを残したい

住民にスマートフォンを持ってもらわなければ、この事業は始まりません。ですから、KDDIさんと協定を結ぶことで一番に期待したのは、キャリアとしてスマートフォンの普及ができるということです。ただ、実際に関わっていると、「できることはなんでもやりますよ」と積極的に活動してくださり、こちらの足りないところも指摘し、どうすればいいかを一緒に悩み、我々にはない民間の視点でサポートしてくれます。そして、そのサポートにお応えしていくのも我々の責任だと思っています。それが、社会にインパクトを残すということです。
KDDIの創業者、稲盛和夫さんの「動機善なりや、私心なかりしか」という言葉がありますが、利他の心を持って誰もしないから挑戦する。その精神で、今回の取り組みから何を創出し、どう正しく発信していくのかを、KDDIさんと一緒に考えていけること、本当に嬉しく思っています。

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