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事例紹介: 城崎国際アートセンター (KIAC) におけるau5G基地局開局イベント
事例紹介: 城崎国際アートセンター (KIAC) におけるau5G基地局開局イベント
2020年12月、豊岡市の城崎国際アートセンターにおいてau5G基地局開局イベントが開催されました。豊岡の会場と渋谷のスタジオをつないだ遠隔ダンスワークショップ、ARダンスライブの5G配信など、文化・芸術創出プロジェクトを通して、テクノロジーとまちづくりの新たな可能性を探る取り組みです。今回のイベントに込めた思いやテクノロジーに対する期待について、豊岡市の谷口さまにお話をうかがいました。
背景と課題
まちづくりにテクノロジーをどう生かしていくか

谷口 雄彦さま
豊岡市とKDDIは、2016年に包括協定を締結しています。きっかけは当市を訪れるお客様の動きなど様々なデータによる観光の見える化でしたが、締結以降、豊岡のまちづくりの様々な場面において、KDDIと協働の施策を行っています。例えば、農薬や化学肥料に頼らない「コウノトリ育む農法」を推進するための スマート農業プロジェクトや、
「豊岡演劇祭」でのICTの活用などもその一つで、今回のau5G基地局開局イベントも「豊岡演劇祭」と同様に演劇/アートによる持続可能なまちづくりの取り組みと位置付けています。
当市では「小さな世界都市 -Local & Global City-」をまちづくりの旗印に掲げています。「小さな」という部分をあえて「ローカル」と表現し、「人口規模は小さくても、ローカルであること地域固有であることを通じて世界の人々から尊敬され、尊重されるまち」を目指しています。
そして、その推進エンジンの1つとして力を注いでいるのが「深さを持った演劇のまちづくり」です。深さをもったとは、単に演劇が盛んなまちということではなく、演劇的、アート的なものの見方や考え方が教育や子育てなど市民生活の様々な場面に染み込んでいくことで、1人ひとりの価値観や生活スタイルにも影響を与えているような状態を指しています。まちづくり、人づくりのベースにアートがあり、それを推進していく一助としてテクノロジーがあると考えています。
小さなPDCAを回しながら、1つひとつの可能性を探っていく
演劇祭も単なるイベントではなく、まちづくりと連動した取り組みであり、地域課題解決のためのプラットフォームという役割をもたせています。例えば、まち全体でキャッシュレスを導入したいという場合、最初から莫大な費用をかけてやろうとするとリスクは相当に高くなりますが、演劇祭のような小さな場で試し、良かったものをまち全体に実装していくようにすればリスクを最小限に抑えることができます。KDDIとも協働で第0回、第1回を実施して、うまくいったこと、いかなかったことがありますが、テクノロジーをどのように活用できるのか、小さなPDCAを回しながら1つひとつ可能性を探っていきながら進めています。こうした流れがあったことで、5G基地局も「豊岡演劇祭」のメイン会場の1つである城崎国際アートセンターに設置するのがふさわしいだろうということになりました。
イベントを通して、子どもたちにアートに触れる体験をさせたい
今回、イベントとしてKDDIからKento Mori氏によるキッズ向けのダンスワークショップをご提案いただいたのは良かったと思います。ちょうど新型コロナウイルスに対する市民応援施策の一環として、子どもたちにアート体験をプレゼントする「THEATER 豊岡 (注1)」事業を実施しており、このダンスワークショップもその機会として活用することができました。アートには正解というものがありません。解釈の仕方は人それぞれです。子どもたちには、自分の表現したいことを表現しよう、それは誰にも何も言われるものではない。そんなことを感じてもらえたらと思っています。


城崎国際アートセンターに取り付けられたau5G基地局設備。28GHz帯 (左) と3.7GHz帯 (右)。
城崎国際アートセンターに取り付けられたau5G基地局設備。28GHz帯 (上) と3.7GHz帯 (下)。
豊岡市×KDDIによる取り組み事例
城崎国際アートセンターにおけるau5G開局イベント
<イベント概要>
12月19日、20日の両日、マイケルジャクソンやマドンナにも認められた世界的なダンスパフォーマー、Kento Mori氏を豊岡市に招き、豊岡と渋谷の両5G拠点をつないだ遠隔ダンスレッスンや、Kento Mori氏のARダンスパフォーマンスの5Gライブ配信などを実施しました。
主催: KDDI株式会社、兵庫県豊岡市、一般社団法人渋谷未来デザイン
12月19日+20日 (AM)
豊岡の城崎国際アートセンター (KIAC) のホールと渋谷のライブストリーミングスタジオDOMMUNEをつなぎ、5G遠隔ライブショップを実施。Kento Mori氏を講師に、豊岡と渋谷の子どもたち (注2) が同時にダンスレッスンを行いました。
12月20日 (PM)
城崎国際アートセンターのホールと渋谷のスタジオを5Gでつなぎ、ダンスパフォーマンスを披露しました。
第1部は、Kento Mori氏がARダンスパフォーマンスを披露。また、その模様は5Gでライブ配信され、渋谷DOMMUNEの子どもたちも、その場の臨場感をリアルタイムに体験しました。


最先端のリアルタイムモーションキャプチャー技術 (人や物体の動きをリアルタイムでデジタルデータ化する技術) を活用したAR (Augmented Reality=拡張現実) ダンスという、今までにない手法を用いた独創的な世界観で観覧客を魅了。
第2部は、Kento Mori氏と豊岡&渋谷の子どもたちによる5Gを使った同時中継によるダンスパフォーマンス。前日から遠隔ライブによるワークショップで練習した成果を発表しました。

豊岡と渋谷の子どもたちが一体となってダンスパフォーマンスを行った。

ダンス未経験の子どもたちも「Kentoさんと踊りたい!」という気持ちでイベントに参加。
また、19日、20日のパフォーマンスを収録した動画は、12月22日よりYouTube (ToyookaCityOffice) で配信を開始。12月25日には、豊岡市・渋谷の有識者とKento Mori氏による、地方と都市の連携による未来の可能性」についてトークセッションが行われました。
詳しくは、こちらでご覧いただけます。
今後の展望
「密」から「疎」へ。地方の価値が見直される時

今までは、東京のようにいろいろなものが近くに揃っている場所、いわば「密」なところに価値があるとされてきましたが、新型コロナウイルスによって、地方の「疎」の価値が見直されるタイミングだと感じています。今回のイベントでも、これまでの感覚なら「世界的なダンサーのKento Mori氏が渋谷から発信する」と考えるでしょうが、実際は豊岡にいらして、渋谷の子どもたちにダンスを教えている。Kentoさんご自身もそのことに価値を感じておられており、この関係性が今の時代を物語っているのではないでしょうか。
ただ、「疎」が見直されているといっても、それが過ぎれば「過疎」になってしまいますし、非効率という課題もあります。だからこそ「疎」のマイナス部分をテクノロジーで補えればと考えています。
新型コロナウイルスの影響で、ワーケーションというスタイルが注目されるようになりました。仕事と生活のバランスや時間の使い方など、そういった視点でもローカルであること、「疎」であることの価値が見直されていると思います。城崎国際アートセンターに5G基地局を開局していただいたことで、ここをテレワークの拠点にできないだろうかと考え、現在KDDIと一緒に計画を立てているところです。
もともと城崎には「まち全体が一つの旅館」というコンセプトがあります。駅が玄関で道が廊下、そして各旅館がお部屋というように、まち全体でお客様をもてなそうという考え方をしています。このような中で城崎国際アートセンターがテレワークの拠点となれば、宿泊や飲食だけでなく、仕事も「一つの旅館」の中でできるようになります。アートとつながる空間ですから、デザインにも相当こだわったものにしていく予定です。こうした取り組みがフラッグシップとなり、まち中にテレワークの拠点ができるようになれば、城崎温泉の魅力がさらに高まっていくと思っています。
地方創生の可能性を、共に模索する
地方の課題解決のために、「私たちにはこんなソリューションがあります。いくらかかります」というご提案をいただく関係なら、KDDIでなくてもいいわけです。私たちのまちづくりに共感していただき、私たちの目指している地方創生が同じ方向を向いているからこそ、お互いのアセットを出しつつ、無理のないところでWin-Winの関係を築けるのではないでしょうか。5Gというテクノロジーについても、それが「人の幸せ」にどうつながるのか、その可能性をこれから一緒に探していくことになると思っています。2021年には、本市にアートと観光が本格的に学べる兵庫県立「芸術文化観光専門職大学」が開学しますが、この大学にも、5G置局を調整中です。明確な目的意識をもってあえて地方にやってくる学生たちが豊岡のまちづくりにどんなインパクトを与えてくれるのか今から楽しみです。
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