将来の夢は、
いくつ
あってもいい。

子どもたちに
職業体験を

KCJ GROUP (出向)
キッザニア事業本部 キッザニア東京事業部

神崎 令子

KDDIの固定通信サービスの開通業務やauショップのCX (お客さま体験価値) 向上、コンシューマの代理店営業を担当したのち、グループのKCJ GROUPに出向。子どもを対象とした職業・社会体験施設「キッザニア東京」で、CX向上やスタッフの働きがい向上に取り組んでいる。

次世代を担う子どもの
仕事体験の満足度アップへ向けて

子ども規格に作られた街で、約100種の仕事やサービスを体験できるキッザニア。私も自分の子どもが幼いころに訪れ、実在の企業の仕事が本格的に体験できることに驚き圧倒されましたが、まさかのちに自分がそこで働くとは予想もしていませんでした。

入社後20年近くKDDIの固定通信サービスの開通業務を担当。その後auショップのCX (お客さまの体験価値) を向上する部門に配属され、日夜サービス改善に取り組んでいました。その後いくつかの部門を経験したのち、2020年4月からキッザニア東京へ出向しています。

キッザニア東京ではCXの向上や、ゲストに接するスタッフの研修、働きがい向上などに取り組んでおり、KDDIでCX向上に携わった経験が、ここでの仕事に活かされています。

KDDIでの経験を活かして顧客満足度を数値化

キッザニアのCX向上やスタッフ育成で重視しているのがゲストアンケートです。ありがたいことにゲストの皆様からの満足度は高く、好意的な意見をいただくことが多くありました。しかし、以前のアンケートでは調査項目が十分ではない部分もあり、せっかく声をいただいても自分ごとにしづらいのが弱点でした。

そこで、auショップでのアンケートのノウハウを活用し、調査項目の見直しを実施。いつ、どのパビリオンでどのように感じたかを調査し、約60のパビリオンそれぞれの評価を数値化しました。そうすることで担当スタッフが特定できるので、評価を本人に直接フィードバックできます。良いコメントは掲示してモチベーションにつなげ、悪い評価についてはその原因を明確にし、改善してもらうようにしました。マイナス評価があっても対策すれば数値が上がっていくので、スタッフのやる気にもつながっています。

スタッフもキッザニアブランドやサービスへの想いが強く、改善すべき点があれば一生懸命取り組んでくれる。その姿勢に、いつも感動しています。

子どもと親に気づきを与える、
リアルな職場体験

約60あるパビリオンは、実在の企業のスポンサーシップによるものです。各企業から本物のブランドやプロダクトが提供され、リアルな体験ができる環境は"社会の縮図"と言えるかもしれません。日常生活では触れる機会が少ない業種も揃っているので、「こんな仕事もあるんだ」と視野を広げることもできます。

社会変化に合わせてアクティビティ内容もアップデートしており、2020年11月にはKDDIが運営する「通信会社」のパビリオンがオープン。5Gの基地局の設置計画を立てる通信エリア設計士の仕事が体験できるようになりました。

さらに、キッザニアでは子どもたちを一人の社会人として扱うため、スタッフも大人と話すのと同様に丁寧な言葉で接し、子どもたち自身の力で仕事を完遂できるように励ましながらフォローしています。大変な思いをする場面もあると思いますが、失敗しながらも自ら考えてやり遂げることで大きな達成感が得られます。

一方、保護者の方は我が子の成長を感じ、子どもが普段見せない一面を発見できると聞きます。社会体験を通じて、子どもにも保護者にも"気づき"をご提供できる場なのです。

働くことの素晴らしさを次世代に伝えたい

未来を担う子どもたちに"気づき"の機会を創出し、生きる力を育むキッザニアの仕事には、とてもやりがいを感じます。他のスタッフたちも、子どもの成長を後押しすることに意義を感じているからこそ、"キッザニア愛"が強いのではないでしょうか。

働くことは社会貢献となるだけではなく、そこで得られる学びや出会い、誰かの役に立てるという喜びが、人生を豊かにしてくれます。私自身、これまで仕事で苦しい想いや失敗もしてきましたが、当時の上司や仲間がいたからこそ働き続けられました。

これからも、キッザニアで働く若い世代のスタッフたち、そしてゲストである次世代の子どもたちに、働くことの素晴らしさをつないでいきたいです。

  • 所属・内容等は取材当時のものです。