コンプライアンス

考え方

KDDIは、法令遵守はもとより、社会的責任を果たす企業行動を徹底する上で規範意識の浸透は企業経営の基盤となる課題と認識しています。KDDIはグローバル企業として、グループ全体で一貫したコンプライアンス体制の拡充を推進しています。

コンプライアンス推進体制

KDDIは従業員がコンプライアンスを意識した倫理的な行動をとるための指針として「KDDI行動指針」を定め、その周知と行動を徹底するために、イントラネットへの掲載に加え、従業員に貸与する業務用移動機に「KDDI行動指針」に関するWEBショートカットも配信し、判断に迷った際には常に確認できるようにしています。また、KDDIグループのコンプライアンス関連事項を審議決定する機関として、「KDDIグループ企業倫理委員会」を設置しています。

KDDIグループ企業倫理委員会は、代表取締役会長を委員長とし、取締役を含む委員会メンバーのほか、委員長が必要に応じて任命する者で構成されています。毎年、半期ごとにKDDIグループ企業倫理委員会を開催し、KDDIグループ各社の状況把握をするとともに、コンプライアンスの体制構築・強化を支援しています。ヘルプライン関連・腐敗防止関連・競争法違反などのコンプライアンス違反に関しても、KDDIグループ企業倫理委員会が管掌しています。

またKDDIグループ企業倫理委員会のもと、啓発活動の方針策定やコンプライアンスに反する事項が発生した場合の対処、社外への情報公開、再発防止策などの検討を行っています。KDDIグループ企業倫理委員会の活動状況は、イントラネットを通じて全従業員に公開しています。

コンプライアンス推進体制

コンプライアンスの教育・研修・啓発

22.3期の取り組み事例

対象 事例内容
KDDI 全従業員 「KDDIフィロソフィ」の浸透
KDDI 全従業員 従業員に貸与する業務用移動機に「KDDI行動指針」に関するWEBショートカットを配信
KDDIグループの企業倫理担当者等 改正公益通報者保護法の解説セミナー
新任ライン長 コンプライアンスに関するeラーニングコンテンツ
グループ会社役員 会社経営におけるリスクマネジメント、法務知識、会計知識、労務管理の習得を目的とする研修を実施

ハラスメント防止の取り組み

22.3期の取り組み事例

事例内容
「KDDI行動指針」の周知、行動の徹底
所属長、グループリーダー、ライン長へのハラスメントに関するトレーニング
従業員へのハラスメント申告アンケート
従業員への内部通報カード配布による、セクハラ・人間関係ホットライン、企業倫理ヘルプライン等の通報窓口の周知
ハラスメントの事実が確認された場合の対応

企業倫理ヘルプライン

KDDIは2006年より、KDDI、KDDIグループ会社およびKDDIのお取引先さまの従業員などを対象に人権問題を含む企業倫理や法令遵守への違反行為などについての相談または申告を受け付ける「企業倫理ヘルプライン」を設置し、社内窓口および外部専門家と連携した社外窓口で、常時、メールや電話等で相談や申告を受け付けています (多言語対応窓口あり)。匿名での相談や申告も受け付けています。
また、2006年4月に施行され、2022年6月に改正された「公益通報者保護法」に則して相談や申告も受け付けています。「企業倫理ヘルプライン」「セクハラ・人間関係ホットライン」の利用については、「内部通報カード」を配布し、積極的に周知を行っています。

22.3期は、KDDIグループ全体で502件 (2022年1月末時点) の相談・申告が寄せられましたが、社外への公表を要する相談・申告案件はありませんでした。
相談・申告された案件は、KDDIグループ企業倫理委員会を中心にプライバシー保護に配慮しながら必要に応じて社内調査を行い、その結果、問題が発覚した場合は、速やかにKDDIグループ企業倫理委員会メンバーをはじめとする経営幹部および監査役に報告し、是正措置および再発防止措置を講じています。
なお、KDDIおよびKDDIグループ会社の従業員などに対し、人権問題を含む企業倫理や法令遵守への違反行為により、影響を与えたことが確認された場合、KDDIは影響を受ける当事者を救済することを約束します。

過去2年間のコンプライアンス相談件数 (KDDIグループ)

単位: 件

相談内容 21.3期 22.3期
コンプライアンス相談件数 671 502
(内訳) ハラスメントの件数 220 207
(内訳) その他のコンプライアンス違反相談 451 295
  • 22.3期の数字は、2022年1月末時点

企業倫理ヘルプライン

企業倫理ヘルプライン

反社会的勢力排除 (基本的な考え方と整備状況)

KDDIは、「内部統制システム構築の基本方針」に、反社会的勢力に対しては毅然とした対応をとり、一切の関係遮断に取り組む旨を規定しています。
また、全ての役員・従業員が遵守すべき行動の規範を具体的に掲げた「KDDI行動指針」に、反社会的勢力に対して毅然とした対応を行い、不正利益供与などの要求には断固とした態度で臨み、相手の要求には応じない旨を定めています。

腐敗防止

腐敗防止に対する基本的な考え方

KDDIは、「KDDI行動指針」において、腐敗行為を防止するため、「適正な事業活動の推進」と「誠実な職務遂行」について定め、国内外の全ての政治家・公務員などへの贈収賄やそれに類する行為を禁止しています。
具体的には、官公庁などとの関係において、国家公務員法など関連法令により禁止されている公務員などへの接待・贈答・招待がこれにあたります。
また、外国の政府や企業と取引を行うにあたっては、国連腐敗防止条約をはじめとする各国の海外腐敗行為防止規制や不正競争防止法で禁止されている接待・贈答・招待を行わないよう定めています。
このほかにも、反社会的勢力の排除、インサイダー取引や反競争的行為の禁止等についても定めており、違反した場合には、社内規程により処分します。またこうした違反が起こらないよう従業員に対しeラーニングやメール等で啓発を実施しています。なお、22.3期、「KDDI行動指針」の腐敗防止に関する条項違反による懲戒解雇の対象者はいませんでした。

サステナブル調達

お取引先さまに対しては、「KDDIグループ持続可能な責任ある調達ガイドライン」において、汚職・賄賂、優越的地位の濫用、不適切な利益供与および受領の禁止などを定め、遵守をお願いしています。

政治献金

政治献金に関しては、政治資金規正法を遵守し、「KDDI行動指針」「KDDIグループ持続可能な責任ある調達ガイドライン」に基づいて実施しています。
なお、22.3期、日本におけるKDDIの政治献金額は600万円で、汚職や贈賄などに関して法的措置を受けた事例はありませんでした。

競争法違反防止

KDDIは、「KDDI行動指針」において、反競争的行為の禁止を定め、全従業員に"競争法"の遵守を徹底しています。
また"競争法"以外でも、"労働法"・"税法"・"環境法"・"消費者保護法"・"データ保護法"などをはじめとした各国の現地法制を十分に調査し、遵守することを定めています。
さらに、「KDDIグループ持続可能な責任ある調達ガイドライン」において、お取引先さまに対し、公正・透明・自由な競争を阻害する行為を行わないことを要請しています。

しかしながら、総務省が実施した覆面調査において、販売代理店において非回線契約者への端末販売を拒否する等電気通信事業法第27条の3の規律の趣旨に反する事例が一定程度確認されたなどとして、2021年5月と2022年6月に、KDDIは総務省から不適切な行為が行われないようにするための措置を徹底するよう要請を受けました。KDDIは販売代理店の監督体制の見直しを実施することにより、規律遵守の徹底に努めているところです。

2021年9月には、総務省において「競争ルールの検証に関する報告書2021」が取りまとめられたことを受け、同月、KDDIは総務省から、既往契約の早期解消や端末購入プログラムは回線契約がなくても利用できることの周知徹底等の要請を受けました。KDDIは、2022年3月末をもって契約解除料の撤廃等による既往契約の解消や端末購入プログラムの分かりやすい広告表示等に努めるなど、適切な対応に努めているところです。

また、公正取引委員会が、2021年6月に「携帯電話市場における競争政策上の課題について (令和3年度調査)」と題するフォローアップ調査報告書を公表し、同報告書で指摘された独占禁止法上・競争政策上の考え方に基づいて、KDDIは、2021年10月に、端末購入プログラムの提供方法の変更や販売代理店の評価制度・独自商材の取扱い等の改善について、公正取引委員会に報告し、あわせて改善内容の公表を行っています。

KDDIは、関連法令の遵守を徹底し、これからも適正な事業運営に取り組んでいきます。

適切な税務

税務基本方針

KDDIグループは、お客さまご満足の向上と利潤を追求するとともに、各国、各地域における国際ルールや税務関連法令などを遵守し、また、その精神も尊重し税の公平性を担保した適切な納税を行い、企業の社会的責任を果たすことで企業価値の最大化を図っています。
22.3期の法人所得税費用は、331,957百万円で税引前当期利益に対する税負担率は31.2%でした。KDDIグループは、独立性を担保した外部の会計監査人による会計監査を受け、最高財務責任者 (代表取締役執行役員副社長 コーポレート統括本部長) および代表取締役社長の承認を経て、有価証券報告書の提出を行っています。

税務ガバナンス体制

KDDIグループとして、実際の事業活動において税務基本方針の着実な履行を確保するため、KDDIグループ税務管理規程が定められています。KDDIグループ各社は、当該規程を遵守することが義務付けられています。
当該規程は、KDDIにより制定され、最高財務責任者によって統括されています。
実務運営はKDDIの税務担当部門に移譲されており、KDDIグループの税務に関する重要な事象・リスクを認識した場合には、最高財務責任者および必要な会議体へ報告されています。

税務ガバナンス維持・向上のための取り組み

代表取締役社長をはじめとした経営層は、グループ企業の多国籍化および国際取引の増加に伴い、国際的な税務リスクを正しく認識し、経営に直結する重要な課題であるという観点から、最新の税務知識向上のための外部専門家の活用も含め、税務戦略の立案・推進に努めています。また、本社主導で国内・海外の従業員に対する指導を行うとともに、外部専門家による税務サポートの提供を受けるなど、税務ガバナンスの維持・向上に取り組んでいます。
さらに、KDDIは、作成した税務申告書に関して、外部の税理士法人による確認および最高財務責任者の承認を経て、税務当局へ提出しています。

税の透明性および税務当局との関係性

税務に関する透明性を確保すべく、日本の税法に従って、国別の活動状況に関する情報をまとめた国別報告事項を毎年作成・提出するとともに、事業活動を行っている各国・地域の関連法規や開示基準などに従って、グループの活動の全体像に関する情報をまとめた事業概況報告事項等の税務情報の適時適切な開示等を行うことで各国税務当局との信頼関係を築き、必要に応じて事前照会等を実施し、税務リスク低減に努めています。

租税回避防止に対する取り組み

OECD (経済協力開発機構) が提示した、BEPS (Base Erosionand Profit Shifting) 各行動計画に従い、日本を含め各国においてBEPS対応の税制改正への対応作業を進め、経済活動・価値創造の場所と課税地を一致させ適正に納税するよう取り組んでいます。
特に、国際税務において重大な問題となる移転価格税制、タックスヘイブン対策税制については、以下の通り対応しています。

移転価格税制への対応

KDDIグループのビジネスの大部分は、日本国内における通信事業その他附帯事業であり、同等規模の多国籍企業と比較して、国外関連取引は少ないものとなっています。
実際に国外関連取引が行われる場合には、各国の法令を遵守した上で国外関連取引の合理性を検証し、移転価格文書を作成しています。また、国外関連取引の規模に応じて税務当局と協議の上、各種制度を活用し、適切な納税に努めています。

タックスヘイブン対策税制への対応

租税回避を目的として無税または低税率国・地域 (いわゆるタックスヘイブン地域) を利用しません。事業遂行上の理由により、タックスヘイブン地域へ投資を実施する場合には、各国の法令に従ってタックスヘイブン対策税制の適用判定を行います。結果として、タックスヘイブン対策税制の対象となる場合には、適正に申告納税を行います。

納付税額

21.3期
日本 3,224億円 98.0%
イギリス 24億円 0.7%
フランス 9億円 0.3%
モンゴル 7億円 0.2%
中国 6億円 0.2%
その他 19億円 0.6%
合計 3,289億円 100.0%

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