コーポレート・ガバナンス体制図 (2022年10月1日現在)
1取締役会
- 会社法および他の法令に規定された事項
- 定款に規定された事項
- 株主総会の決議により委任された事項
- その他経営上の重要な事項
について、審議・決定しています。
その他経営上の重要な事項のうち、資金・事業・資産・出資などについては、その規模などにより重要性の判断を行っています。
社外取締役および独立社外取締役を含む取締役で構成し、法令などに定める重要事項および経営計画などの決定を行うとともに取締役などの適正な職務執行が図られるよう監督しています。
2諮問委員会
取締役・監査役候補の指名ならびに役員報酬の体系および水準について、その透明性、公正性を確保するため、取締役会の諮問に基づき審議を行い、助言する機関として、「指名諮問委員会」および「報酬諮問委員会」を設置しています。
両諮問委員会とも、議長・副議長および半数以上の委員を社外取締役で構成しています。
3経営会議
社内取締役や執行役員などにて構成され、当社および子会社の業務執行に係る経営上の重要事項について審議・決定しています。
4監査役会・監査役
監査役は、監査役会が定めた監査方針および計画に基づき監査業務を行っており、監査業務遂行のため、取締役会のほか、経営会議その他の社内主要会議に出席しています。また、監査役会において各監査役の監査の方法およびその結果について報告を受け協議をするほか、取締役会にて、適宜意見を述べています。
5内部監査
当社グループの業務全般を対象に内部監査を定期的に実施し、内部統制体制の適切性や有効性を定期的に検証しています。内部監査結果は、問題点の改善・是正に関する提言を付して、代表取締役社長および監査役に報告します。
6社内委員会
- KDDIグループ企業倫理委員会: 当社グループのコンプライアンス関連事項を審議決定
- ディスクロージャー委員会: 決算期に開示する決算情報の審議
- 情報セキュリティ委員会: 情報資産に係る統一的な情報セキュリティを確保するための機関
- サステナビリティ委員会: 事業を通じた社会課題の解決 (SDGs)・社会貢献・環境などの持続可能性関連事項を審議する機関
組織形態
監査役会設置会社
取締役・諮問委員会の構成
取締役会が取締役・監査役候補者の指名を行うに当たっての方針と手続
取締役・監査役候補の指名については、以下の方針に基づき候補者を選定したうえで、指名諮問委員会で審議し、さらに監査役候補者については監査役会の同意を得たうえで取締役会の承認を受けることとしています。
取締役会の知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する考え方
人財の多様性を受け入れ、一人ひとりの多様な知識や経験、スキルを生かすことは、「通信とライフデザインの融合」を目指す当社にとって重要な成長ドライバーであり、取締役会においても多様性を確保することがより良い経営判断につながると考えています。取締役会の構成は、経営上の重要な事項を含む判断や、法律で求められる監督を行うに際して、取締役会全体として高度な専門的知見と多様な観点を確保するため、性別、年齢、国籍の区別なく、以下の基準を満たす人物を選任します。
取締役候補者
- 各事業分野における専門的知見と経験を有すること
- 監督者に相応しい経営上の知見又は専門的な知見を有すること
- 高度な独立性を有すること
監査役候補者
取締役とは独立の立場から、経営全般の監視と、より一層適正な監査を実現し得る豊富な経験と幅広い識見を有している者
両候補共通
私心なく、高い倫理観を持ち、役員として相応しい人格であること
取締役の指名・選任手続き
[1] 上記の基準に基づき、候補者を選定
[2] 指名諮問委員会で審議
[3] 取締役会で承認
[4] 株主総会で選任
監査役の指名・選任手続き
[1] 上記の基準に基づき、候補者を選定
[2] 指名諮問委員会で審議
[3] 監査役会で同意
[4] 取締役会で承認
[5] 株主総会で選任
取締役の解任等の検討基準
- 取締役の担当事業の業績や担当部門の活動成果が著しく不良であるとき
- 職務遂行に関して法令・定款に違反する等の故意または重大な過失により、会社に損害を与えたとき
- その地位や権限を利用して不当に個人的な利益を得た等の事由により、会社の信用と名誉を著しく傷つけたとき
- その他、取締役に留まることについてふさわしくないと会社が判断したとき
取締役の解任等の手続き
- 指名諮問委員会の審議を経て、適時、取締役会で審議し、解任等の必要な対処を行う。
評価結果の概要
総括
KDDIの取締役会は適切に運営されており、実効的に機能していると評価されました。特に高く評価されたのは、以下の事項です。
- 社外役員の知見を生かした取締役会の運営社外役員が取締役会において積極的に発言することができる風土が醸成されている。また、執行側は社外役員の意見・質問等に対し、真摯に対応しており、さまざまなバックグラウンドを持つ社外役員の知見を生かした取締役会運営が行われている。
- 持続的な成長と中長期的な企業価値向上を見据えた議論主力である国内通信事業の持続的な成長や、5Gの本格展開、前中期経営戦略である通信とライフデザインの融合による価値創造などのテーマについて、中長期的な目線に立った議論が行われている。
前回からの改善点
前回の課題として、各取締役・監査役から提案のあった、激変する経営環境の中、KDDIの持続的成長のため議論すべきさまざまなテーマについて、新中期経営戦略の策定プロセスの中で取り上げ、取締役・監査役各々の、多様な経験・知見を生かした活発な議論を行うことを掲げていました。
本課題に基づき、2021年は、役員間の活発で建設的な意見交換や十分な審議のための時間を確保し、新中期経営戦略の策定に向け、提案されたテーマを含むさまざまな論点について議論いたしました。
今後の課題
KDDIは通信を核とした「サテライトグロース戦略」に基づく積極的な取り組みによって、事業領域の多様化と、グループ企業の増加による事業規模の拡大が続いています。
このような中で、KDDIグループが、さまざまなリスクに適切に対応しながら、社会的責任を果たし、持続的に成長するためには、その基盤となるコーポレート・ガバナンスのさらなる強化が重要だと考えています。
グループ全体として、企業活動の基礎となる「KDDIフィロソフィ」の一層の浸透と、リスク管理等のガバナンス体制の強化を図るとともに、取締役会として適時適切な監督を行い、リスクマネジメントの実効性の強化を図っていきます。
社外役員の選任理由
氏名 | 独立 役員 |
当該社外取締役を選任している理由 |
---|---|---|
山口 悟郎 | 世界有数の電子部品・電子機器関連メーカーの代表取締役社長として培われた豊富な企業経営経験及び優れた識見を有しております。取締役会においては、経営管理や事業運営等について、中長期的な視点から大局的なご意見を数多く頂戴しており、当社の企業価値向上に寄与いただいております。今後も、他社での経営経験に基づく業務執行の監督機能強化への貢献及び幅広い経営的視点からの助言を期待し、引き続き社外取締役として選任しております。 | |
山本 圭司 | 大手自動車メーカーのIT開発や電子技術部門において培われた優れた識見に加えて、同社マネジメントとしての豊富な経営経験を有しています。取締役会においては、KDDIにおける5G/IoT戦略の推進等に、中長期的な視点から大局的なご意見を頂戴しており、KDDIの企業価値向上に寄与いただいています。今後も、業務執行の監督機能強化への貢献および情報通信分野など専門的視点からの助言を期待し、引き続き選任しています。 | |
加野 理代 | ○ | 法律事務所パートナー弁護士や政府系の諸委員会の委員として培われた豊富な経験と優れた専門的知見を有しています。取締役会においては、KDDI経営陣とは独立した立場から、法的リスクマネジメントについて、中長期的な視点を踏まえ、専門的なご意見を頂戴しており、KDDIの企業価値向上に寄与いただいています。今後も、業務執行の監督機能強化への貢献および弁護士としての専門的視点からの助言を期待し、引き続き選任しています。 |
後藤 滋樹 | ○ | KDDI事業と関連性の高い、通信・ネットワーク工学および情報処理や、事業運営上重要なサイバーセキュリティ分野に関する優れた専門的知見を有しています。取締役会においては、KDDI経営陣とは独立した立場から、社会インフラを担う情報通信事業者としての運営方針について、中長期的な視点を踏まえ、専門的なご意見を頂戴しており、KDDIの企業価値向上に寄与いただいています。今後も、業務執行の監督機能強化への貢献および情報通信分野などにおける専門的視点からの助言を期待し、引き続き選任しています。 |
淡輪 敏 | ○ | 大手化学メーカーの代表取締役社長として培われた豊富な企業経営経験およびグローバル視点での優れた識見を有しています。他社での経営経験に基づく業務執行の監督機能強化への貢献および中長期的な視点から大局的なご意見をいただくことで、KDDIの企業価値向上に寄与いただけると判断し、社外取締役として選任しています。 |
大川 順子 | ○ | 大手航空会社での勤務経験から、特にお客さま対応、企業再生、ダイバーシティ推進等の実務面において培われた優れた識見に加えて、同社マネジメントとしての豊富な企業経営経験を有しています。他社での経営経験に基づく業務執行の監督機能強化への貢献および中長期的な視点から大局的なご意見をいただくことで、KDDIの企業価値向上に寄与いただけると判断し、社外取締役として選任しています。 |
社外役員のサポート体制
社外取締役および社外監査役に対しては、取締役会の開催日程および議題についてあらかじめ連絡することに加え、開催日の3日前までに議案資料を送付し、案件に対する理解を事前に促すことにより、取締役会における議論の活性化を図っています。加えて、事前に質問を受け付けており、その内容を踏まえて取締役会当日の説明内容を充実させることにより、実質的な審議の深化にも努めています。
また、取締役会以外の場においても、事業戦略・経営状況、研究開発・技術等の情報提供を行っています。具体的には、各事業本部の本部長・部長から事業の全体像や課題等について説明するほか、子会社の経営状況に関する定期的な報告、研究開発成果の社内展示会や通信設備、ネットワーク監視センター等を視察いただく機会も設けています。企業倫理活動およびリスクマネジメント活動については、半期ごとに報告を実施しています。
さらに、社外取締役が情報収集力の強化を図ることができるよう、監査法人による第2四半期レビュー結果報告及び期末監査結果報告に際して監査役会への同席を得ているほか、監査役との連絡会を年2回実施しています。
このほか、社外取締役間にて連携をとっていただくための社外取締役のみの連絡会や、社外取締役と非常勤の社外監査役の連絡会も、それぞれ開催しています。
これらの取り組みを通じてKDDIの事業に対する理解を深めていただくことにより、取締役会における経営戦略に関する議論の活性化と、経営に対する監督・監視の実効性向上を図っています。
なお、非常勤の社外監査役を含む全監査役の業務を補佐する部門として監査役室を設置しています。
親子上場に関する方針
KDDI子会社のうち、沖縄セルラー電話株式会社 (以下、「沖縄セルラー」) は東証スタンダード市場に上場しています。KDDIはグループとしての成長を掲げており、KDDIのアセットを最大限活用し、グループ会社の成長を支援することで、相互シナジーの最大化とグループ全体での新たな成長基盤の拡大・強化を目指しています。
また沖縄セルラーは、複数の地元有力企業の多大なご協力をいただいて設立された経緯があり、地元に貢献する地域密着型の企業としての色彩が強い会社です。こうした経緯を踏まえ、沖縄セルラーが上場企業であることに以下のメリットがあると考えており、引き続き沖縄セルラーを上場子会社として有する意義があると考えています。
[1] 出資者への還元
沖縄セルラーは、上場企業としての株主還元施策を実施することで、設立時にご協力いただいた地元企業などの出資者および上場以来ご支援いただいた投資家の皆さまへの還元が可能となります。
なお、沖縄セルラーの株主還元方針については、中長期的な事業成長と株主還元のバランスを勘案し、全ての株主の利益を考慮した上で決定すべきと考えており、実施については独立した上場企業として同社の判断により決定することとしています。
[2] 沖縄県の雇用への貢献、優秀な人財の確保
現在、多くの沖縄県出身者が沖縄セルラーに入社し、活躍しています。地理的な特性を踏まえると、沖縄セルラーが、業務区域を沖縄県のみとしていることが地元就職を希望する沖縄県出身者のニーズに合致しており、かつ、沖縄セルラーが上場企業であることが優秀な人財の採用にもつながっていると考えています。
[3] 沖縄県民の信頼獲得による沖縄セルラーのサービス利用促進・契約増加
沖縄セルラーは、KDDI同様のサービスに加え、地域の実情を踏まえた独自のサービスも提供しています。地域密着型の上場企業として地元の期待を背負って事業運営に取り組んでいることで、沖縄県民の信頼を獲得することができ、それが沖縄セルラーのサービス利用促進および契約増加につながっていると考えています。
なお、利益相反の恐れがある取引については、沖縄セルラーにおいて、独立社外取締役および独立社外監査役による多面的な議論を経て、取引の実施の可否を決定しています。また、沖縄セルラーでは、取締役会の諮問機関として独立社外取締役が中心となって役員の指名・報酬を審議する任意の委員会も設置されており、経営者の指名・報酬に関しても、沖縄セルラーの独立役員による議論を経て決定し、透明性を確保しています。
こうした取り組みにより、少数株主保護の観点から経営の透明性を確保した上で、企業価値向上と株主還元により株主の皆さまの期待にお応えしていきます。
KDDIはこれからも、沖縄セルラーと相互に独立性、自主性を尊重しながら、協力して事業運営を行い、グループとしての発展を目指していきます。
政策保有株式に関する方針
当社は、お客さまにご提供するサービスの多様化・高度化には、様々な企業との連携等が必要不可欠であると考えています。
このため、政策保有株式を保有することが当社の事業目的に資するかを総合的に判断し、当社グループ全体の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に繋がる場合に保有しております。
当社は、保有の意義が希薄と考えられる政策保有株式については、できる限り速やかに処分・縮減していく基本方針のもと、毎年、取締役会で個別の政策保有株式について、政策保有の意義、経済合理性等を総合的に判断して、保有継続の可否および保有株式数を見直します。
なお、経済合理性の検証は、直近事業年度末における各政策保有株式の金額を基準として、これに対する、発行会社が同事業年度において当社利益に寄与した金額の割合を算出し、その割合が当社の定める資本コストに係る基準を満たしているかを検証します。
政策保有株式に係る適切な議決権行使を確保するための基準
当社グループにおける事業は広範・多様であることから、発行会社の意図を尊重しながら、その時々の事業状況や発行会社との対話の結果等を総合的に勘案して、当社グループ全体の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に繋がるかを基準に議決権を行使します。
なお、行使にあたっては、短期的な事業の利害に偏った判断とならないよう、経営陣のチェックが入るプロセスを構築しており、全社的視点からの経営判断を経ることとしています。