TCFD提言への対応

TCFD提言への対応

TCFD

KDDIは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を2021年4月に表明しました。TCFDの提言に従い、「ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標」の情報開示フレームワークに基づき積極的な情報開示に努めます。また、気候変動に対応する具体的な対策を講じ、行動していきます。

[1] ガバナンス

リスクおよび機会に関連するトレードオフの考慮について、電力消費量の上昇およびGHG排出量増加はリスクであるとともにエネルギービジネスの機会でもあるため、半期ごとに開催されるサステナビリティ委員会において、コスト影響を見ながらカーボンニュートラルの実行計画(再生可能エネルギーの導入・省エネルギー技術の導入)などの見直しを行っています。

[2] 戦略

シナリオ分析

急速な脱炭素化や異常気象による被害の激甚化といった、気候関連の変化、進展、不確実性に対応するために、当社グループでは、事業のエクスポージャーおよび利用可能なスキル・能力・資源を踏まえて、主に通信サービス事業を対象として、短期・中期・長期の時間軸でのシナリオ分析を行いました。

(シナリオ分析の前提とした主要な仮定)

IEA「World Energy Outlook 2024」のNZEシナリオおよびIPCC AR5の「RCP8.5シナリオ」を用い、移行リスクが最大化すると想定される1.5℃シナリオ、物理的リスクが最大化すると想定される4℃シナリオにより、気候関連リスクの評価を行いました。
NZEシナリオでは、気候関連の強力な政策導入や、再生可能エネルギーの大幅な拡大など、急速に脱炭素社会が実現すること(1.5℃シナリオ)を前提としており、RCP8.5シナリオでは、気候変動対策が何らされず化石燃料依存が続き、温室効果ガス濃度が大幅に上昇、物理的影響が顕在化すること(4℃シナリオ)を前提としています。
このうち、急速に脱炭素社会が実現する1.5℃未満シナリオ(産業革命前からの世界の平均気温上昇が1.5℃未満)は、最新の国際協定(パリ協定)に基づく目標と整合しています。

(シナリオ分析の手法および実施時期)

気候関連の強力な政策導入や、再生可能エネルギーの大幅な拡大など、急速に脱炭素社会が実現する1.5℃シナリオ
対象:移行リスク分析
参照:IEA World Energy Outlook 2024, NZE Scenario
移行リスク分析 当社グループとしてのリスク内容 当社グループの対応
政策・法規制
(短期・中期戦略)
都条例
排出規制
削減量未達となったCO2排出量に対するクレジット(排出枠)買い取りのコスト増加リスク 2020年度~2024年度の第三計画期間に発生が予想される未達CO2排出量19万t-CO2に相当する排出権(第二計画期間に発生したCO2排出権)を2020年度に4万t-CO2、2023年1月に15万t-CO2をあらかじめ購入した。この排出権は、2020年度~2024年度の第三計画期間の実績により2026年度に充当を予定。
消費電力削減・CO2排出量削減への新技術導入(中期戦略) 通信量の増加に伴い発生する通信設備の消費電力の増加リスク 脱炭素に貢献するサステナブルなデータセンターを目指し、液体でIT機器を冷却する液浸冷却装置を用いたサーバ冷却のための消費される電力を94%削減する三菱重工社とNECネッツエスアイ社との共同研究開発中。また、基地局スリープ機能(トラフィックの少ない夜間帯にスリープさせる)を導入し消費電力の削減を推進。ミリ波無線機1機種に対応する機能を内製開発し、ノウハウの蓄積と課題の洗い出し実施中。無線機1台あたり年間約100kWhの電力消費の削減が可能となる見込み。
市場・評判
(長期戦略)
カーボンニュートラル目標未達や再生可能エネルギー化の取り組み遅れによる当社企業評価低下および加入者減のリスク 化石燃料電力から再生可能エネルギー電力への切り替えを推進。当社の事業運営で消費する電力27億kWhを2030年度までに再生可能エネルギー由来のメニューに切り替え予定。また、グループ会社としてauリニューアブルエナジーが太陽光発電など追加性のある再生可能エネルギー発電事業を運営。
気候変動対策が何らされず化石燃料依存が続き、温室効果ガス濃度が大幅に上昇、物理的影響が顕在化する4℃シナリオ
対象:物理的リスク分析
参照:IPCC AR5 RCP8.5 Scenario
物理的リスク分析
(物理的シナリオ「RCP8.5」を用いて分析)
当社グループとしてのリスク内容 当社グループの対応
急性 (台風や洪水などの)異常気象による災害の激甚化と頻度の上昇 迅速な通信網復旧対応を行うための緊急復旧要員人件費などのコスト増加リスク BCP※1の見直しと災害時復旧訓練実施による効率的な復旧作業への備え
慢性 平均気温上昇 お客さまからお預かりしたサーバを冷却するための、当社データセンターの空調電力使用量の増加リスク 高効率空調装置の導入や再生可能エネルギーへの置換
  1. ※1Business Continuity Plan(事業継続計画)

気候関連のシナリオ分析は、「KDDI GREEN PLAN」に基づく計画サイクルにそって、2024年度に実施したものです。今後も、定期的にシナリオ分析を更新していきます。

気候関連のリスクおよび機会

当社グループは、気候関連のシナリオ分析の結果を活用して気候関連のリスクを識別するとともに、「IFRS S2号の適用に関する産業別ガイダンス(通信サービスなど)」を考慮した上で、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスクおよび機会として、次のものを識別しています。

(気候関連のリスク・機会の内容とビジネスモデル・バリューチェーンに与える影響)

分類 内容 バリューチェーンにおいてリスク・機会が集中している部分 ビジネスモデル・バリューチェーンに与える影響 時間軸
上流 中流 下流 現在 将来
移行リスク 電力コスト(再生可能エネルギー)の上昇 自社 当社グループでは、2030年までにScope1 + 2の実質ゼロを目指し、追加性のある再生可能エネルギーを中心に、再生可能エネルギーへの切替えを進めています。
現在は、系統電力と比較して、再生可能エネルギーは調達コストが高く、再生可能エネルギーの調達によるコストの増加が発生しています。
当社グループでは、通信需要やデータセンターの需要増加に対応、通信基地局やデータセンターの増設を進めています。
これに伴い、当社グループの電力消費量が増加することが想定されます。
短期~長期
物理的リスク 災害時の復旧コスト、現有設備(基地局など)の被害 自社 台風・豪雨・洪水など自然災害の増加により、自社の基地局などの設備損壊や復旧コストの増加リスクが顕在化しています。 気候変動の影響により、自然災害の頻度や被害が高まる可能性があり、設備損壊や復旧コストの増加リスクは今後も継続すると見込んでいます。 短期~長期
機会 エネルギー効率向上(基地局スリープ機能など)によるコスト削減、利益率向上 自社 サーバ冷却の効率化や基地局スリープ機能の導入により、自社の電力使用効率が向上し、利益率向上の機会となります。 今後も、最新技術の導入による電力使用効率向上の取り組みを加速させることで、コスト削減効果の拡大を見込んでいます。 短期~長期

当社グループは、これらのリスクおよび機会の影響が生じると合理的に見込み得る時間軸を次のように定義しています。

  • 短期:3年以内※2
  • 中期:2030年
  • 長期:2050年
  1. ※2上記の時間軸のうち、「短期」が中期経営戦略期間(2026~2028年度)と整合しており、戦略的意思決定にも同一の時間軸を用いています。

財務的影響の開示

(財務的影響)

分類 内容 財務的影響
当期 将来 詳細
短期 中期 長期
移行リスク 電力コスト(再生可能エネルギー)の上昇 電力コスト:
約1,060億円
[当期の財務的影響]

電力消費量は、気候変動に適応するための電化の影響や、事業活動の拡大など複数の要因によって生じるため、気候変動による電力コストの上昇に起因する影響額のみを区別することは困難です。事業活動の拡大など、気候変動以外の要因も考慮した当期の(再生可能エネルギー含む)電力コストは約1,060億円です。

[将来の財務的影響]

リスクが顕在化する場合には、連結財務諸表上の売上原価・販売費および一般管理費に影響を及ぼすと考えられます。
財務影響を見積もるにあたり、将来の電力消費量の増加はシミュレーションしているものの、電力単価の予測において測定の不確実性が高いため、測定した定量情報は有用ではないと判断しています。

物理的リスク 災害時の復旧コスト、現有設備(基地局など)の被害
[当期の財務的影響]

当報告期間に発生した自然災害について、自社に重大な財務的影響を及ぼす被害は発生していません。一部、災害復旧に要した費用などが発生していますが、その影響は軽微であり、当該災害に起因する影響額のみを区分することは困難であることから、連結財務諸表上の売上原価・販売費および一般管理費に含めて処理しています。

[将来の財務的影響]

重大な影響が生じた場合には、連結財務諸表上の営業利益に影響を及ぼすと考えられます。
財務影響を見積もるにあたり、発生が想定される災害の規模および被害設備の予測は、測定の不確実性が高いため、測定した定量情報は有用ではないと判断しています。

機会 エネルギー効率向上(基地局スリープ機能など)によるコスト削減、利益率向上
[当期の財務的影響]

事業規模の拡大により必要なエネルギー需要は増加しているため、エネルギー効率向上の取り組みに起因するコスト削減効果(影響額)のみを区分することは困難です。
上記影響は、連結財務諸表上の売上原価・販売費および一般管理費に対して、一定程度のコスト削減効果を及ぼしているものの、その影響は重大なものではありません。

[将来の財務的影響]

機会が顕在化する場合には、連結財務諸表上の営業利益に影響を及ぼすと考えられます。
財務影響を見積もるにあたり、将来の電力消費量の削減はシミュレーションしているものの、電力単価の予測において測定の不確実性が高いため、測定した定量情報は有用ではないと判断しています。

上記の当期の財務影響に関し、翌年度の財務諸表に重要な影響を与える可能性がある重大なリスクは、現時点では想定されていません。
上記の将来の財務的影響に関し、いずれのリスク・機会も短期~長期にわたり影響が生じると見込んでいます。また、検討にあたっては、中期経営戦略(投資計画および処分計画を含む)を考慮しています。

戦略および意思決定に与える影響

(気候関連の移行計画)

脱炭素社会の実現に向けて、当社グループは中長期の環境保全計画である「KDDI GREEN PLAN」に基づき、気候変動の緩和・適応に向けた取り組みを推進しています。

(「KDDI GREEN PLAN」における目標)

  • 2040年度末までに、Scope1 + 2に加え、Scope3を含むサプライチェーン全体からのCO2排出量を実質ゼロとする「グループネットゼロ」の達成
  • 2030年度末までに、当社グループの事業活動に係るScope1 + 2排出量の実質ゼロ(カーボンニュートラル)の達成

Scope1,2の削減に向けて、省エネルギー施策と再生可能エネルギーの活用を継続的に進めていくとともに、Scope3の削減に向けては、サステナブルなサプライチェーンの実現を目指し、取引先にCO2排出量の見える化や削減に向けた取り組みを依頼・支援しています。
当社グループは、こうした計画の遂行にあたり、識別した気候関連のリスクおよび機会のトレードオフを考慮して次のとおり資源配分と具体的な対策を進めています。なお、報告期間末日時点において、リスクおよび機会の対処に向けた移行計画に関する進捗は概ね順調であり、ビジネスモデルの変更はありません。

(当社グループのネットゼロに向けた計画)

グラフ

(再生可能エネルギーの導入計画(2025年度~2030年度))

グラフ

(リスク・機会の対応策と資源配分)

分類 内容 対応策 対応策の資源配分
移行リスク 電力コスト(再生可能エネルギー)の上昇
  • [1]
    バーチャルPPAによる長期安定的な再生可能エネルギー確保
  • [2]
    自社グループ内での取り組み(auリニューアブルエナジー)
auリニューアブルエナジーでの太陽光発電事業において設備投資を行うための資金については、auリニューアブルエナジーの事業による利益から拠出しています。
物理的リスク 災害時の復旧コスト、現有設備(基地局など)の被害
  • [1]
    被災後の迅速なサービス復旧と復旧コスト抑制を目的とした、事業継続計画(BCP)の整備およびBCP訓練※3の実施
  • [2]
    通信設備の災害対策強化(耐災害性を高めた通信局舎、非常用電源の確実な確保)による被害抑制
  • [3]
    災害時も太陽光パネルを用いて発電可能な基地局の設置
災害対策については、BCPに関する財務計画に含めて管理を行っており、既に対応策を実行しています。気候変動への適応策として、追加的に資源を確保することは予定していません。
機会 エネルギー効率向上(基地局スリープ機能など)によるコスト削減、利益率向上
  • [1]
    データセンターの空調制御の高度化
  • [2]
    サーバの水冷・液浸技術導入
  • [3]
    設備共用(ソフトバンク社との共用)、設備更改
  • [4]
    基地局スリープ機能導入
機会に関する対応策については、通常の事業活動における財務計画の枠内で管理しています。追加的な資金調達は現時点では想定していません。
  1. ※3

    災害被害の激甚化に対応するため、毎年、代表取締役社長を災害対策本部長とするBCP訓練(社内取締役、各事業責任者および関連部門長延べ500名程度に加えて災害対策に関わる従業員が参加)を実施しています。
    また定期的に行政機関・自治体などの関係機関と連携した大規模な訓練の実施、通信事業者間の被災地支援に関する情報連携や避難所支援のエリア分担および情報発信の共通化、通信インフラの早期復旧に向けた共同訓練を実施し、大規模災害が発生した際にも迅速な対応が取れるよう平時から準備をしています。

気候レジリエンスの評価

気候レジリエンスの評価において、前記のシナリオ分析の結果と自社の戦略、ビジネスモデルとの関係性を踏まえ、報告期間末日時点において、以下の重大な不確実性の領域を考慮しました。

  • -
    再生可能エネルギーの将来価格
  • -
    災害の発生頻度・規模、資産に生じうる被害額

報告期間の末日における気候レジリエンス評価による「KDDI GREEN PLAN」やビジネスモデルの見直しはありません。なお、今後、気候関連の変化、進展又は不確実性により、対応策に必要な資金が増加した場合、その金額の増加の程度に応じて、既存の金融資源の割当や、調達額の見直しを検討いたします。

[3] リスク管理

前述「(1)サステナビリティ全般」における「[3] リスク管理」をご参照ください。
なお、気候変動に関するリスクについては、環境ISOの仕組みを活用し、環境マネジメントシステム(EMS)のアプローチで管理しています。管理対象のリスクは、関係する各主管部門においてリスク低減に関する定量的な年間目標を策定し、四半期ごとに進捗評価を行います。進捗評価で指摘された改善内容については、サステナビリティ委員会傘下の部会で報告され、全社・全部門に関係するリスクと機会については、サステナビリティ委員会で議論の上承認されます。

[4] 指標および目標

温室効果ガス排出の絶対総量の開示

当社グループは、「GHGプロトコル コーポレート会計・報告基準(2004年)」および「サステナビリティ開示テーマ別基準第2号(気候関連開示基準)」に基づき、連結会計グループ全体の温室効果ガス排出量をScope1、Scope2、Scope3に区分してCO2相当量(mt-CO2e)で把握・開示しています。

Scope1 26,919mt-CO2e(連結)
Scope2(ロケーション) 1,381,853 mt-CO2e(連結)
Scope2(マーケット) 610,985 mt-CO2e(連結)
Scope3(合計) 10,939,914 mt-CO2e(連結)※2024年度実績

Scope3温室効果ガス排出の開示

排出量(連結)※2024年度実績
カテゴリー1
購入した物品・サービス
7,475,856 mt-CO2e
カテゴリー2
資本財
2,170,627 mt-CO2e
カテゴリー3
Scope1,2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動
196,530 mt-CO2e
カテゴリー4
輸送、配送
(上流)
5,209 mt-CO2e
カテゴリー5
事業から出る廃棄物
305 mt-CO2e
カテゴリー6
出張
8,691 mt-CO2e
カテゴリー7
雇用者の通勤
3,242 mt-CO2e
カテゴリー8
リース資産
(上流)
428 mt-CO2e
カテゴリー9
輸送、配送
(下流)
カテゴリー10
販売した製品の加工
カテゴリー11
販売製品の使用
605,024 mt-CO2e
カテゴリー12
販売した製品の廃棄
948 mt-CO2e
カテゴリー13
リース資産
(下流)
カテゴリー14
フランチャイズ
カテゴリー15
投資
473,054 mt-CO2e

温室効果ガス(GHG)排出の測定アプローチおよび測定方法に関する開示

[測定アプローチ]

GHG排出量の測定に当たっては、当社が実質的な経営判断を行う事業体における排出量を自社の排出量とする経営支配力アプローチを採用しています。これは、気候関連の指標および目標の設定・管理において、当社が実効的に影響を及ぼすことができる範囲を明確に捉え、指標・目標の管理において適切であると判断しています。
また、当社が開示するGHG排出量関連の指標・目標は、いずれも経営支配力アプローチにより算定しています。

[GHG排出量の測定方法(活動量×排出係数)]

Scope1 燃料使用量×排出係数
Scope2(ロケーション) エネルギー消費量×環境省(令和6年/2024年)電気事業者別排出係数、代替値
Scope2(マーケット) エネルギー消費量×環境省(令和6年/2024年)電気事業者別排出係数
Scope3
(環境省DB Ver3.4を利用)
カテゴリー1 購入した物品・サービスの金額×排出係数
カテゴリー2 資本財の取得金額×排出係数
カテゴリー3 購入した燃料量×排出係数
カテゴリー4 製品別輸送重量データ×排出係数
カテゴリー5 種類・処理方法別の廃棄物重量×排出係数
カテゴリー6 移動手段別の移動距離・従業員数又は交通費支給額×排出係数
カテゴリー7 移動手段別の移動距離・従業員数×排出係数
カテゴリー8 リース車の燃料使用量×排出係数
カテゴリー9 開示なし(該当する事業活動を営んでいないため)
カテゴリー10 開示なし(該当する事業活動を営んでいないため)
カテゴリー11 販売製品の使用シナリオ×排出係数
カテゴリー12 種類・処理方法別の廃棄物重量×排出係数
カテゴリー13 開示なし(カテゴリー11に合わせて開示することを検討しているため)
カテゴリー14 開示なし(該当する事業活動を営んでいないため)
カテゴリー15 金融系グループ会社の投融資実績×排出係数

排出係数は、日本国内で広く利用され信頼性が高いと評価されている環境省などの公表値を主に採用しています。

気候関連の移行リスク、物理的リスクおよび機会に関する開示

当社グループは、気候関連の識別したリスクと機会と関連した事業活動や資産のエクスポージャーとして下記を把握しています。

[移行リスクに対して脆弱な事業活動]

気候関連の移行リスクに対して脆弱な事業活動にかかる当社単体(局舎・DC)とTelehouse事業の電力消費量の割合はグループ全体のうち、46.6%を占めております。

[物理的リスクに対して脆弱な資産]

気候関連の物理的リスクに対して脆弱な資産である通信設備の簿価は1,453,547百万円であります。(連結財務諸表注記 5. 有形固定資産を参照)

[気候関連の機会と整合した事業活動]

気候関連の機会と整合した事業活動である当社単体(局舎・DC)とTelehouse事業の電力消費量の割合はグループ全体のうち、46.6%を占めております。

資本投下に関する開示

気候関連のリスクおよび機会に投下された資本的支出、ファイナンス又は投資の数値(災害対応のための資本投下)は、1,149百万円であります。

炭素価格に関する開示

社内で独自にCO2の価格を設定し、投資の判断基準とする「社内炭素価格(インターナルカーボンプライシング 制度)」(ICP)を導入しており、社内炭素価格は、「14,000円/t-CO2」です。

<適用対象例>
  • 空調効率向上など、省電力技術の導入
  • エネルギー効率を向上させる設備更改

産業別の指標の開示

IFRS S2号の適用に関する産業別ガイダンスが定める指標について、適用可能性を考慮した結果、適用しないと判断したため、当社が独自に作成した指標を用いています。

そのほかの気候関連の指標の開示

当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連のリスクおよび機会として、以下を識別しており、関連する企業のパフォーマンス指標とその算定方法は以下の通りです。

分類 内容 対応 パフォーマンス指標 指標の算定方法
移行リスク 電力コスト(再生可能エネルギー)の上昇 長期安定的な再生可能エネルギーの確保、事業用設備の省エネルギーの実行 電力消費量原単位:539

売上高あたり電力消費量(連結)

データインプット:当社グループの売上高および電力消費量実績

物理的リスク 災害時の復旧コスト、現有設備(基地局など)の被害 全社規模のBCP訓練の実施 BCP訓練参加率:100%

主要参集要員における訓練参加者数/訓練参加対象者数

データインプット:BCP事務局による集計

機会 エネルギー効率向上(基地局スリープ機能など)によるコスト削減、利益率向上 事業用設備の省エネルギー実行 電力消費量原単位:539

売上高あたり電力消費量(連結)

データインプット:当社グループの売上高および電力消費量実績

指標の数値は相対指標です。また、第三者による認証を取得していません。

気候関連の目標

当社は脱炭素社会の実現を加速させるため、グループとして2040年度末までにネットゼロ達成、2030年度末までのScope1 + 2の実質ゼロという目標をサステナビリティ委員会にて議論の上承認、設定しています。

環境目標※4 目標年度 内容
1 当社グループのネットゼロ達成 2040年度 当社グループの事業活動に関わる排出(Scope1 + 2)に加え、Scope3を含むサプライチェーン全体からのCO2排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」を達成
2 当社グループのカーボンニュートラル達成 2030年度 当社グループの事業活動に関わる排出(Scope1 + 2)
3 当社における追加性※5再生可能エネルギー比率50%以上 2030年度 当社が消費する電力に占める、追加性のある再生可能エネルギーの比率50%以上を達成
4 全世界の当社データセンターで利用する電力の実質再生可能エネルギー割合100%の達成 2025年度
(達成済)
当社グループがTelehouseブランドで展開している全世界のデータセンターに関して、「使用電力の100%を実質再生可能エネルギー由来電力へ切替え」を達成
  1. ※4
  2. ※5太陽光発電設備などを新たに導入することで、社会全体の再生可能エネルギー導入量増加につながる効果を持つこと。

これまで日本では「温室効果ガスを2030年度までに2013年度比46%減にする」という目標を掲げ、各企業が取り組みを進めてきました。一方で2023年11月から12月に開催されたCOP28では、パリ協定で各国が提出した2030年までの削減目標に対する進捗確認が実施され、2035年に向けてさらなる目標引き上げが必要であると認識されました。
このような、世界的な環境意識のさらなる高まりを受けて、脱炭素社会の実現に向けた取り組みをよりいっそう加速すべく、上記の環境目標を設定しています。

これらの目標はいずれも絶対量目標であり、温室効果ガスの対象ガスは主としてCO2です。2040年ネットゼロ目標(Scope1 + 2 + 3)は、Science Based Targets initiative(SBTi)よりネットゼロ目標として認定を取得しています。
目標変更の必要性については、国際的なサステナビリティ動向などを踏まえ、サステナビリティ委員会で定期的に評価を行っています。

目標の達成に向けた進捗をモニタリングするために用いる指標は、当社グループの事業活動に関わる排出(Scope1,2)とサプライチェーン全体からのCO2排出量です。

気候関連の目標のそれぞれに対する企業のパフォーマンスは以下の通りです。いずれも達成に向けて計画通り進捗しております。

  • 2040年度末までにグループネットゼロ達成
    2025年度実績:-
  • 2030年度末までにグループカーボンニュートラル達成
    2025年度実績:CO2排出量 0.6百万t

温室効果ガス排出目標

[温室効果ガス排出目標設定のアプローチ]

2030年度までに当社グループ全体のScope1 + 2のCO2排出量を実質ゼロに、2040年度までにScope3を含むサプライチェーン全体からのCO2排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」を目指します。これらは、7種類の温室効果ガスのうち、CO2を対象としており、純量(ネット)目標として設定したものです。

[カーボンクレジットの考え方]

2030年度末までに当社グループ全体のScope1 + 2におけるCO2排出量の実質ゼロを達成するために、Scope1 + 2の97%以上を削減し、残余分の約3%は品質が確保されたカーボンクレジットなどによるオフセットを予定しています。
利用するカーボンクレジットの詳細情報については検討中であるため、詳細が確定次第、計画を開示する予定です。