マテリアリティ1
通信を核とした
イノベーションの推進

提供価値1 未来社会の創造

通信を核とした新サテライトグロース戦略により、お客さまの日常で実感できるイノベーションを推進し、未来社会を創造する

強み
  • 先進的な技術を持つスタートアップへの支援やさまざまな企業とのコラボレーション
  • 50年以上にわたる衛星通信の歴史と実績、技術ノウハウ
  • 通信事業でのノウハウや知見の活用による上空での携帯電波の利用
24.3期の主な成果

サステナビリティ中期目標の進捗

事業創造・研究開発プロジェクトの推進で24.3月期44件達成、26.3月期80件目標。特許件数は24.3月期23%増、26.3月期15%増目標。

24.3期の取り組み事例

※ 所属・内容等は取材当時のものです

実店舗を空間再現したバーチャル店舗
「αU place」を提供開始

KDDIは、実店舗を空間再現したバーチャル店舗で、最新の展示を見てショッピングができる「αU place」の提供を開始しました。αU placeでは、実店舗の商品陳列、ディスプレイ、内装などを忠実にバーチャル上で再現しているため、店舗全体の「雰囲気」や「空気感」を知ることができます。

店舗向けに提供する「αU place for BIZ」というツールでは、店舗スタッフがスマートフォンで店内をスキャンするだけで簡単にバーチャル店舗を作成でき、実店舗では難しい日々変化する人気度の情報や多言語での商品情報の提供も可能になります。

再現された空間とアプリ画面のイメージ

また、αU placeの技術を活用して、鉄道ファン向けに鉄道車両の古物を販売する新しい仕組みを実証しました。αU placeのツールを使って実車両をバーチャル再現した車両内で鉄道ファンが自由に歩き回り、関心のある部品を指定してコメントを追加できる体験を提供しました。

αU placeを通じて、リアル店舗が持つ魅力とインターネットの利便性を融合したショッピング体験や、無くなっていく空間のアーカイブによるファン体験など、お客さまの日常で実感できる新たな体験をお届けしていきます。

街にはワクワクしたり、居心地がよかったりするたくさんのステキなお店が溢れています。私たちは、αU placeというサービスを通じて、実店舗が持つ「こだわりの売場」や「接客」などの魅力を物理的な制約なく日本中・世界中のお客さまにお届けすることに貢献したいと思っています。さらにリアルの世界の空間をデジタルアーカイブすることで空間の価値の持続や資源の節約にも貢献していきたいです。

事業創造本部 Web3推進部 藤城 大樹

ドローンポートを用いた
医薬品授受管理の実証を実施

KDDIは、2024年2月、KDDIスマートドローン、日本航空株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、株式会社ウェザーニューズ、株式会社メディセオとともに、ドローンポートを活用した医薬品授受管理の実証を実施しました。

ドローンによる物資輸送サービスが社会で広く利用されるためには、ドローンの安全運航の他、配送物の安全かつ確実な授受と、授受管理の省人化による利便性向上などの実現が必要です。本実証では、荷物の格納が可能なドローンポートを用いた離着陸場所を、医療機関に隣接した場所に構築し、ドローンによる医薬品輸送サービスに求められる離着陸時の安全確保や、配送物の授受管理の利便性について検証を行いました。

体験いただいた方からは、「ドローンポートを利用し夜間にも医薬品の配送が可能になれば、病院および医薬品卸会社の双方で省人化につながる」など、将来の医薬品物流の進展に期待が高まったといったコメントをいただきました。

ドローンポートを活用した医薬品授受管理の実証の様子

今後はドローンによる医療物資輸送サービスに必要な安全運航体制やビジネスモデルの確立を目指し、ドローンを活用したまちづくりの実現に向け実証を進めていきます。

ドローンによる物流サービスは、制度面をはじめとして社会実装に向けた課題はありますが、労働人口の減少などの社会課題を解決する手段として期待されています。ドローンポート等のインフラが整備されることによって、自治体とも連携しての災害対応などさまざまなユースケースへの活用も考えており、引き続き検証を行っていきます。

プロダクト本部 DX・IoTサービス企画部
 保澤 辰至

提供価値2 サステナブルな産業・インフラ環境の実現

通信その他の社会インフラ・つながるクルマに対して、革新的なソリューションを提供することで、サステナブルな産業・インフラ環境を実現する

強み
  • 通信基盤、DXの知見、ノウハウ、人財等の多様なケイパビリティ
  • IoT領域のトップランナーとして積み重ねた実績・経験
  • 多様な専門分野を持つパートナー企業とのビジネス共創
24.3期の主な成果

サステナビリティ中期目標の進捗

IoT回線数24.3月期4,197万達成、26.3月期5,400万目標。働き方改革導入率31%から37%へ拡大目標。重大事故ゼロ継続を目指す。

24.3期の取り組み事例

※ 所属・内容等は取材当時のものです

GCPが切り拓く、
より安全で快適な近未来のクルマ社会
「コネクティッドカー」

KDDIは、コネクティッドサービス※1を世界規模で展開している国内の自動車メーカー各社に向けて「グローバル通信プラットフォーム」(以下 GCP)を提供し、GCPを軸にしたコネクティッド事業に力を注いでいます。

KDDIのGCPは、自動車に搭載されている車載通信機とクラウド間の通信において、高品質で安定した通信をグローバルに提供するための基盤であり、統合的な管理画面を通じて車ごとの通信状態をコントロールする機能なども提供しています。KDDIは、自動車メーカー各社によるコネクティッドサービスのグローバルへの展開を、GCPによってサポートしています。

今後は、海外の自動車メーカーに対してもGCPのサービスを提供し、GCPでカバーする国と地域をさらに広げていきたいと考えています。

グローバル通信プラットフォームのサービス提供イメージ

また、5G通信が普及し始めた今日では、コネクティッドサービスとして娯楽性に富んだ「インフォテインメント※2」系のサービスが求められるようになっていることから、そうしたサービスの発展・普及にも資する高品質の通信サービスを提供していく計画です。

  • ※1自動車に通信機能を持たせ、外部のさまざまなサービスと接続させる「コネクティッドカー」のサービス
  • ※2インフォメーション(情報)とエンターテインメント(娯楽)の語を組み合わせた造語

コネクティッドサービスは、将来的な自動車の自律走行につながるものです。その実現によってドライバーの高齢化や労働力不足といった問題は抜本的に解決されるはずです。そして自動車の自律走行にはKDDIの5G技術が大きく貢献できると見ています。加えて、自動車の運転、運行を最適化、ないしは効率化し、CO2排出量を低減させる可能性もあるのです。

CEO, KDDI Spherience AB/
KDDI Spherience(スフィアリエンス)
スウェーデン拠点責任者
 Bo Ribbing

AIを活用した
障害検知システムの運用を開始

KDDIは2024年1月、LTEのコアネットワークにおいて、AIを活用した障害検知システムの運用を開始しました。KDDIは2022年7月に発生した通信障害を受け、通信障害が社会へ与える影響の甚大さを改めて認識するとともに、再発防止に向けた改善と高いネットワーク品質を目指す取り組みを進めており、その一環として本運用を実施しています。

本システム導入により、複雑な基準値を動的に設定することが可能になり(動的しきい値)、時間帯や平日・休日などの違いで値が変動するトラフィック量等のデータに対する障害検知を実現しました。これにより、監視可能なデータ数を約6倍に増やし、障害を検知できる可能性を大幅に高めることが可能となりました。

今後も、障害検知システムの高度化を通して通信障害の大規模化予防に努め、お客さまの生活を支えるネットワーク品質のさらなる向上につなげていきます。

AIで複雑な基準値を動的に作成することで(動的しきい値)、時間帯や平日・休日などの違いで値が大きく変動するパターンの障害検知を実現

AIの活用というと、AIに予測・管理してもらえば人間が手を入れることはないといったイメージもありましたが、本プロジェクトでは、ネットワーク監視のための適切なAIの活用方法を私たちが探ることが重要課題となり、AIという強力で活躍の幅の広いツールを手に入れたからこその苦労もあったと考えています。AI活用に何が求められ、どのように活用すべきであるかを探った先に、さらなるAI活用の発展があると実感しました。

次世代自動化開発本部
 オペレーション技術開発部
 尾形 七海