通信会社に求められるサステナビリティとは

KDDIのサステナビリティ

2020年5月には、「中期経営計画 (2020年3月期~2022年3月期)」に連動した「KDDIが目指すSDGs」を、社会課題の大きさとKDDIが通信事業者としてより貢献できる事業領域の観点から8つの社会課題領域へ見直しを行い、2030年を見据えたKDDI のSDGs「KDDI Sustainable Action」を新たに策定しました。
これらの基盤となるサステナビリティ活動の中で、ここではガバナンス・環境対策・人財・人権の方針についてお話しいたします。

ガバナンス

KDDIは、「コーポレートガバナンス・コード」の遵守と「KDDIフィロソフィ」の実践を企業活動の土台と考え、グループ会社全体でコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。また、ガバナンスやサステナビリティをテーマにした投資家の皆さまとのダイレクトミーティングの実施などを通じて、ステークホルダーの皆さまの声を経営に反映しています。

環境対策

「パリ協定」「気候関連財務情報開示タスクフォース (TCFD) の提言」など、環境課題への対応の動きが加速する中、日本においても「CO2排出ゼロ社会」に向けた具体的アクションプランの検討が急務となっています。当社は、本業である情報通信を通じて業務効率化や人の移動を減らし、社会のCO2排出を削減し気候変動の抑制に寄与することができる一方、通信設備による環境負荷は相応に増大していくという葛藤を抱えています。そうした中においても、KDDIは「KDDI GREEN PLAN 2017-2030」(2017年策定) に加え、「KDDI Sustainable Action」を策定し、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指し、ICT活用により社会の環境負荷を低減することを宣言しました。

人財

生産年齢人口が減少する日本において、企業が持続的に成長し、社会に貢献していくためには、多様な働き方 (時間・場所・雇用形態等) を可能とし、多彩な才能を発揮できる魅力ある労働環境の提供が不可欠です。KDDIは、多様性を尊重した取り組みをこれまで以上に推進し、さまざまな個性や能力を組織に活かしていきます。2019年4月にKDDIラーニング株式会社を設立し、2020年4月には複合型研修施設「LINK FOREST (リンクフォレスト)」を開業しました。また、2018年4月に社長メッセージとして「健康経営宣言」を公表し、2019年1月には専担組織として「働き方改革・健康経営推進室」を設置しました。健康経営の推進により、「健康を大切にする文化」を定着させ、社員の活力と生産性の向上を目指して取り組んでいます。

人権

私たちが属するICT分野では、プライバシー権や表現の自由、政府などからの合法的な目的のための顧客情報の提供要請など、人権に関わるさまざまな課題が考えられます。
「KDDI行動指針」「KDDIグループ人権方針」の社内理解を促進し、事業活動における人権課題の把握・解決に取り組んでいます。2020年3月には人権デューデリジェンスを実施し、KDDIのビジネス全体におけるリスクや機会を明確にしており、適切なアクションを取るとともにその有効性について継続してモニタリング、改善を行っていきます。
今後もステークホルダーの皆さまとのコミュニケーションを大切にしながら、SDGsや日本特有の社会課題の解決に取り組み、社会の持続的な成長に貢献してまいります。

本メッセージの完全版は、「サステWeb Link ナビリティレポート 2020 に掲載しています。

サステナビリティレポート・関連情報

KDDI Sustainable Action

私たちKDDIは、自社の成長のみならず社会課題にしっかりと向き合い、SDGsの取り組みを通じて社会と共に成長を目指します。KDDIが、これからも事業を通じてさまざまな社会課題の解決に取り組み続けるという決意を込めて、2030年を見据えたKDDIのSDGs「KDDI Sustainable Action」を策定しています。
5GやIoTなどを活用しながら、「命をつなぐ」「暮らしをつなぐ」「心をつなぐ」ことで、パートナーとともに事業を通じた社会課題の解決に貢献し、社会とともに持続的な成長とさらなる企業価値の向上を目指します。

KDDI Sustainable Action 私たちの「つなぐチカラ」は、未来のためにある。

KDDIの3つの「つなぐ」。

KDDIの「つなぐ」仕事は、遠く離れた場所を回線でつなぐというだけではありません。
私たちはもっと大きなものを、人々の命を、暮らしを、心をつないでいます。

命をつなぐ

例えば、私たちの強靭な通信基盤は、災害時の生命線となるコミュニケーションを支えてきました。
ICTを活用して環境負荷を下げることで、これからの地球を救うことにも貢献できるでしょう。

暮らしをつなぐ

例えば、都市や地方にある課題や途上国の課題を、私たちは新しい技術やパートナーをつなぐことで解決してきました。
さらに、人財育成を通じて未来を生きる世代にも貢献していきます。

心をつなぐ

例えば、安心で豊かなデジタル社会を目指す取り組みは、多様性の時代に孤独をなくし、健康で充実した人生を送るために必要なものです。
人生100年時代において、その役割はますます重要度を増すでしょう。

KDDI Sustainable Actionの取り組み

KDDIは、これからも事業を通じてさまざまな社会課題の解決に取り組み続けるという決意を込めて、2030年を見据えたKDDIのSDGs「KDDI Sustainable Action~私たちの『つなぐチカラ』は、未来のためにある~」を、2020年5月に策定しました。
2030年を見据えた社会課題や当社を取り巻く事業環境から当社が取り組むべき領域の検討を行い、「社会課題の大きさ」と「KDDIが通信事業者としてより貢献できる事業領域」の観点から「8つの社会課題領域」を選定、2030年に向けた目標として定めました。
ここでは8つの課題に対するKDDIの取り組みをご紹介します。

命をつなぐ

1. 災害対策・通信基盤の強靭化

強靭な通信インフラの構築と災害の迅速な復旧対応

運用本部
運用管理部
副部長
土生 由希子

KDDIは、モバイル通信品質の向上に加え、安心して利用できる固定電話・インターネットサービスを提供し、高品質な通信を利用できる社会を目指しています。ライフラインとして災害発生時にも通信を提供できるよう、運用本部ではネットワークの運用監視に一丸となって取り組んでいます。
新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークなどでのデータ利用が増加し、国内における通信利用状況が急変、通信トラフィックの全体容量に影響はないものの、日中の固定通信トラフィックが最大63%増加しました。これを受け、KDDIは安定した通信環境維持のための対策を速やかに講じました。また、本年2月に横浜港へ到着した大型クルーズ船では、多くの乗客・乗員や医療従事者の方々へ、通信環境と安心を届けることに従事し、通信事業者としての社会的責任を果たしています。
これからも通信を通じて安心・安全な社会基盤の構築に日々貢献していきます。

2. 地球環境の保全

エネルギー効率の向上とゼロエミッションの達成

建設本部
設備設計部
部長
村口 寿康

KDDIは「KDDI Sustainable Action」として、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指すことを宣言しました。私たちの事業は大規模なインフラを有する事業であるため、地球環境の保全とサステナブルな事業運営の両立が求められます。
目標達成に向けては、抜本的な電力消費の見直しや、新たなテクノロジーを駆使した取り組みが不可欠です。2019年には交流/直流変換の高効率化や、効率的な空調運転制御システムを採用し、電力使用量の削減を図っています。さらに、燃料電池の活用や、新たな空調の省エネ技術の導入検証にも着手しています。また中長期の取り組みとして、配電技術の見直しや蓄電技術の開発を行い、社会全体のCO2排出量の削減に貢献できるよう、今後もたゆまぬ努力を続けていきます。

暮らしをつなぐ

3. 地方・都市の持続的発展

地域の課題解決と住みやすいまちづくり

技術企画本部
5G基盤計画室
室長
野口 孝幸

日本国内では、人口減少や首都一極集中により、地方の過疎化が今後さらに深刻化するという課題を抱えています。この社会課題に対して私たちKDDIは、通信を通じて、誰もが生活する場所に関係なく、格差のない豊かな生活を送れる社会づくりに貢献していきます。
2020年3月から当社の5G商用サービスが本格的に始まりました。「高速」「低遅延」「多接続」といった5Gの特性を活かし、遠隔での医療や教育・農業・産業・スマートシティなどさまざまな分野で活用することができると考えています。その基盤づくりとして、2020年夏以降に全国の主要都市で5Gの商用サービスを提供開始し、2021年3月までに全都道府県での5G商用サービスの提供を目指します。
地方が抱える課題を5Gの応用によって解決する新しい社会の実現を目指して貢献していきます。

4. 途上国の基盤整備

途上国の生活水準向上と経済発展促進

KDDI Summit
Global
Myanmar Co., Ltd.
CEO
枝川 登
MobiCom
Corporation
LLC
会長 兼 CEO
濱田 達弥

KDDIでは、主にアジアの途上国において、通信エリア圏外の居住人口ゼロに向けた通信インフラの整備と、低廉で高品質な通信サービスの提供によって産業発展の貢献に取り組んでいます。ミャンマーでは2014年からミャンマー国営郵便・電気通信事業体 (MPT) および住友商事株式会社との共同事業を通じた通信サービス環境整備を進め、同国の発展に貢献しており、2020年3月末現在でMPTのシェアは1位です。
モンゴルにおいては総合通信事業者MobiCom Corporation LLCを1995年の設立当初から運営しています。モンゴル政府およびモンゴル国商工会議所が選定するモンゴル企業トップ100に毎年選出されており、2019年は17位に入賞し、通信事業者の中では最上位となるなど、高い評価を受けています。

5. 次世代の育成

ICTによる教育環境の整備と未来を担う人財の育成

経営戦略本部
副本部長
松野 茂樹

我が国の地方では、少子高齢化・人口減少・インフラ老朽化・自然災害の増大などさまざまな社会課題に直面しており、ICTを利用してこれらの課題を解決する「Society 5.0」の実現に向けた取り組みが試みられています。KDDIは、この取り組みをサステナブルにするためには、課題解決を地域で担うベンチャー企業・地域企業や人財の育成が不可欠だと考えます。KDDIではこれまでもICTでの問題解決について60を超える自治体と取り組む一方で、当社のこれまでの実績を活かしたイノベーション・起業・DXなどを担う人財育成・企業育成を、地方の大学・高等専門学校などと連携して進めています。また、2019年4月には育成する企業に資金提供を行う、地方創生のためのファンド「KDDI Regional Initiatives Fund」を創設しました。KDDIとしては、これからも、地域の発展とともに未来を担う人財の育成に取り組み、社会の持続的発展に貢献していきます。

心をつなぐ

6. 安心で豊かなデジタル社会構築

セキュリティ・プライバシーなどの安心・安全を実現

総務本部 総務部
サステナビリティ推進室
課長補佐
日野 有子

急速なデジタル化が進む社会において、プライバシー・セキュリティが守られた、より安全な社会の構築に取り組むことは、私たち通信事業者の重大な責務です。スマートフォンや携帯電話の普及により、利用開始年齢の低年齢化が進む中で、KDDIは「ユニセフの子どもの権利条約」などを尊重し、お子さまにも安心・安全にスマートフォンや携帯電話をご利用いただけるよう、自らの判断でリスクを回避する方法を身に付けていただくための講座「KDDIスマホ・ケータイ安全教室」を2006年3月期から全国の小・中・高校で実施しています。本講座の累計開催回数は約3万3,000回、累計受講者は611万人を超えました。また、基本的な操作や安心・安全な活用方法を学ぶシニア向け講座も実施しており、累計開催回数は約1,500回、累計受講者は約2万7,000人となりました。これからも安心で豊かなデジタル社会構築に向けた取り組みを続けていきます。

7. 多様性の尊重

社会のダイバーシティ&インクルージョンの推進

人事本部
人事企画部
D&I推進室
室長
内海 かなめ

KDDIは、KDDIフィロソフィに「ダイバーシティが基本」を掲げ、多様性を活かす組織づくりに継続して取り組んでいます。
女性活躍推進では、2021年3月末の女性ライン長の登用200名を目標に掲げ、さまざまな育成プログラム・メンタリング・キャリアデザインに取り組んでいます。障がい者の雇用や活躍推進では、特例子会社を設立してKDDIの業務を請け負うほか、事業所内でカフェを運営するなど活躍の場を拡げており、2020年6月1日現在で障がい者雇用率は2.53%と法定雇用率以上を維持しています。
LGBTの課題にも積極的に取り組み、auの「家族割」サービスを同性パートナーにも適用、社内制度では同性パートナーやその子どもを「家族」として取り扱うなど、いち早く対応しています。
公共的使命を有する事業者として、多様性を尊重したサービスや職場環境の提供を通じてダイバーシティ&インクルージョン社会の実現に貢献していきます。

8. 健康・生きがいづくり

ICTを活用して健康で充実した人生をサポート

人事本部
働き方改革・健康経営
推進室
マネージャー
香取 由美子

当社では従来より「働き方改革」と「健康経営」を重要な経営課題として取り組んできました。取り組みをこれまで以上に推進するため、2019年1月に専担組織として「働き方改革・健康経営推進室」を設置しました。社内カウンセラー約40名の体制で年に2回社員全員と面談を行い、社員の心身の健康状態を把握することで、すべての社員が健康で高いパフォーマンスを発揮できる企業づくりに取り組んでいます。新型コロナウイルス感染症の流行に際しては、「KDDI Sustainable Action」の考え方に基づき基本方針を策定し、5項目ある方針の1番目に「お客さまおよび当社・関係各社の従業員の安全を最優先に確保」を掲げ、当社社員の約9割をテレワーク勤務とするなど感染拡大防止に取り組みました。
KDDIは、これからも社員がいきいきと働き、社会の持続的発展に貢献する会社を目指します。

気候変動問題への取り組み

KDDIのアプローチ (低炭素社会)

地球温暖化の原因とされる温室効果ガス排出量は年々増加傾向にあり、その削減は人類共通の課題となっています。
ICTの利活用は、生産・消費などの業務活動の効率化につながり、お客さまのCO2排出量削減に貢献することが期待されています。一方で、ICT利活用の拡大に伴い、データセンターや基地局による環境負荷の増大が懸念されることから、エネルギーの利用に配慮した設備・機器の開発・導入が課題となっています。
KDDIは、低炭素社会の実現に向けて、新たなICTサービスの提供により、CO2排出量削減に貢献していきます。

気候変動によるリスクと機会

  • [1]

    規制によるリスクと機会

    各国・地域の規制や政策のなかには、省エネルギー基準、炭素税や排出量取引など、企業の事業活動そのものに影響を与えるものがあります。KDDIは、これらの規制や政策が事業継続や成長に対するリスクになり得ると考えています。これらの規制に対応するため、環境に配慮した基地局の建設や、ICTを活用して省エネや社会の環境負荷低減につながるサービスを各国・地域で提供することが、事業成長の機会になると捉えています。

  • [2]

    物理的影響によるリスクと機会

    地球温暖化の影響による台風の大型化や降水量の増加が、各地に被害を与えています。こうした自然災害はKDDIの通信設備にも影響することから、事業継続におけるリスクと認識しています。一方で、これらの自然災害対策に関する需要が世界的に増加しています。KDDIは、災害に備える監視システムや防災システムなど、ICTサービスを利用した災害対策の普及を図ることで、事業の拡大を図っています。

  • [3]

    その他のリスクと機会

    気候変動への対応不足は、市場における競争力やステークホルダーの信頼の低下を招き、事業継続におけるリスクとなります。KDDIは、気候変動を抑制する長期的な目標を掲げており、環境負荷低減に寄与するサービスを提供することは事業の拡大につながり、SDGsの目標7 (エネルギーをみんなに、そしてクリーンに)、目標13 (気候変動に具体的な対策を) にも貢献できると考えています。

環境マネジメント

KDDIは、現在、環境保全計画「KDDI GREEN PLAN2017-2030」を推進しています。本計画は、2031年3月期までの長期計画とし、自社のCO2 排出量について2014年3月期比で7%削減を目標としました。本目標達成を目指し、再生可能エネルギーの活用など、さまざまな削減手法を活用し、CO2排出量削減に取り組んでいきます。
また経営と環境を含むサステナビリティを一体で推進する姿勢を明確にするため、「サステナビリティ委員会」で、環境に関する重要事項を審議しています。代表取締役社長を委員長、サステナビリティ推進室を事務局とし、審議結果は、ISO14001認証を取得している各部門・グループ会社の担当者が参加する「環境部会」を通して、各本部、グループ会社に展開され、各組織の目標などに反映されています。さらに2018年3月期に設置した「グリーンプラン部会」では、「KDDI GREEN PLAN 2017-2030」の目標達成状況を把握し、活動を推進しています。

サステナビリティレポート 2020

KDDIのサステナビリティ活動の全般は「サステナビリティレポート 2020」に掲載しています。KDDI Sustainable ActionでKDDIが目指す未来、マテリアリティやSDGsに関するKPIの実績、環境パフォーマンスなどの数値詳細情報のほか、各事業における取り組み事例を詳しく紹介していますので、統合レポートとあわせて是非ご覧ください。

サステナビリティレポート・関連情報

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