KDDIの価値創造ストーリー

KDDIは2019年、事業環境の変化に迅速に対応しながら持続的な成長を実現し、企業理念に掲げる「豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献」するための中期経営計画を策定いたしました。
ここでは、「事業戦略」として注力する7つの領域の中から、特に投資家の皆さまの関心が高い4つのテーマを抽出して解説いたします。

事業戦略

  • 5G時代に向けたイノベーションの創出
  • 通信とライフデザインの融合
  • グローバル事業のさらなる拡大
  • ビッグデータの活用
  • 金融事業の拡大
  • グループとしての成長
  • サステナビリティ

お客さま本位の価値提案へ

グループIDの最大化に向けて

au PAYの狙い

キャッシュレス化の進展をリード

KDDI Accelerate 5.0

明るい未来社会の創造に向けてSociety 5.0を5Gで加速

通信会社に求められるサステナビリティとは

お客さま本位の価値提案へ

グループIDの最大化に向けて

お客さま本位の価値提案に向けて

KDDIの持続的成長の軸となる「グループID×エンゲージメント×総合ARPU」の最大化に向けて、「エンゲージメント」を中心に据えた戦略を推進しています。
エンゲージメントとは、お客さまとの信頼関係です。エンゲージメントが向上すれば、当社のサービスの利用頻度が上昇し、長くご利用いただける結果として、解約率の改善、さらにグループIDの拡大が期待できます。また、この強固な信頼関係をベースとして「通信とライフデザインの融合」をより一層推し進め新たな体験価値を提供することで、通信ARPU・付加価値ARPU双方の拡大を伴う総合ARPUの最大化が図れます。
KDDIは、エンゲージメントの向上に向けて、ピカピカのネットワーク・使いやすい料金プラン・ワクワクするコンテンツ・魅力あるデバイスなど、お客さまとのあらゆる接点を磨き上げることで、お客さまとの信頼関係構築を第一に事業を展開していきます。

グループIDの最大化とエンゲージメントの強化

グループ全体で強固なID基盤を構築するため、KDDIは具体的に3つの取り組みを推進し、モメンタムを強化していきます。まず、[01] auから格安スマホへの移行を希望されるお客さまに対して、MVNOを含むKDDIグループブランドを活用して極力グループ外への流出を抑止していきます。その上で、[02] MVNOを含むKDDIグループブランドの競争力をさらに強化しつつ、流動性の高いMVNO市場からの新規獲得を積極化し、グループIDを最大化していきます。
さらに、[03] 大容量通信を安心してお使いいただきたいお客さまには、auの高品質な通信や体験価値などを訴求し、auへのアップセルによるグループ内循環構造を確立、モメンタムのさらなる強化を目指します。
なお、このグループ戦略を加速させるため、KDDIは、2020年10月にUQ mobileを統合します。UQ mobileは、高品質かつ低価格なサービスの提供により、既に200万を超えるお客さまにご利用いただいています。UQ mobileとのダブルブランド化により、まずは、[1]「au」と「UQ mobile」の全国の営業体制・販売チャネルを再編・統合し、営業体制を強化します。また、[2] 両ブランドの特色を生かし、お客さまのニーズに合った、分かりやすい料金プランを提供することで、新たな価値を提案します。そして最後に、[3] 重複業務や運営の効率化を推進し、グループ経営資源の集約による競争力の強化を目指します。

成長領域のさらなる拡大に向けて

お客さまと強固なエンゲージメントを構築しつつ、接点を拡大していくことは、KDDIの成長領域であるライフデザイン領域のさらなる拡大にもつながります。
まず、KDDIグループの通信サービスをご利用のお客さまについては、基盤となるグループIDを拡大しつつ、5Gへの移行に伴うリッチコンテンツの普及などにより、総合ARPUの拡大を目指します。
加えて今後は、オープン基盤であるPontaとの連携などを足掛かりに、新たなお客さま接点へのアプローチを強化していきます。具体的には、決済やポイントなどを活用してKDDIの付加価値サービスをご利用いただくことのメリットを感じていただくとともに、au PAYをはじめとしたサービスでエンゲージメント向上を目指し、成長領域のさらなる拡大につなげていきます。

au PAYの狙い

キャッシュレス化の進展をリード

決済・金融分野におけるKDDIの取り組み

スマートフォンは今や人々の生活に欠かせないツールとなっており、決済・金融サービスをスマートフォンで手続き・管理する"スマホ・セントリック"の世界は身近になってきました。
KDDIは、2008年にモバイルに特化したインターネットバンキング「じぶん銀行」をいち早く開始したほか、2014年にはau IDと連携した電子マネーカードにより、オンラインショッピングに加え、リアル店舗でも利用可能な、ポイントもたまる新しい決済機能である「au WALLET」を展開するなど、業界に先駆けて決済・金融分野の取り組みを推進してきました。
そして2019年、au PAYアプリを預金・決済・投資・ローン・保険といったさまざまなサービスの入り口とし、お客さまにスマホ・セントリックな決済・金融体験を総合的に提供する「スマートマネー構想」を始動しました。また、本構想の実現のため、auフィナンシャルホールディングス株式会社を設立しました。

KDDIのスマホ決済「au PAY」

日本では、政府が2025年の目標に「キャッシュレス決済比率40%」を掲げて取り組んでおり、キャッシュレス化が進展しています。その中でもスマホ決済は、通信各社がキャンペーンを展開していることもあり、市場が大きく拡大しています。
KDDIは2019年4月、「au PAY」の名称でバーコードやQRコードを使ったスマホ決済サービスを開始しました。2020年3月末の会員数は2,350万、スマホ決済・ポイント利用可能箇所は190万を超えるなど、登録者数・決済者数・加盟店数・取扱高は順調に伸長しています。

auのエンゲージメント向上への貢献

KDDIが「au PAY」に注力する理由として、"お客さまとのエンゲージメント向上への貢献"があげられます。
ここ数年の分析により、お客さまとの接点が多いほどNPS (*1) が向上するという相関関係が見えてきました。加えて、数あるライフデザインサービスの中でも、お客さまが日常的に利用される「au PAY」の効果が特に大きいことも分かっています。
「auショップ」におけるお客さまとの接点は、端末購入サイクル (2~3年に一度) に限定されていましたが、これをau PAYアプリ・au PAYカード・au PAYマーケット (オンラインショッピングモール) などのサービスに広げることにより、お客さまと日常的に接点を持つことが可能となります。
さらに、auでんき・金融サービスなど長期間ご契約いただくタイプのサービスをご利用いただき、お客さまの生活に欠かせない存在となることで、お客さまとの強固かつ長期的なエンゲージメント構築を目指します。

  • *1)
    Net Promoter Score (お客さま推奨度)

au経済圏の拡大への貢献

au通信料金のお支払いのほか、au PAYやau PAYカードなどのauサービスのご利用を通じて、お客さまにはPontaポイント (旧au WALLETポイント) が還元されます。
KDDIはたまったポイントをご活用いただく場としてau PAYマーケットをご用意することで、ポイントがau経済圏の中で循環するエコシステムを構築しています。
今後、au PAYを軸に、au PAYカードのご利用・チャージを促進し、たまったポイントをau PAYマーケットでおトクにご利用いただくことで、ポイントのさらなる好循環を創出し、au経済圏の最大化を目指します。

au PAYの接点拡大に向けた2つの取り組み

「誰でも!毎週10億円!もらえるキャンペーン」実施

au PAYの認知度向上に向けて、2020年2月から7週間にわたり、決済額の最大20%をau WALLETポイントで還元するキャンペーンを実施しました。その効果は大きく、au PAYの認知度が大幅に上昇したほか、au以外のお客さまにも多数ご加入いただくなど、au PAYのプレゼンス向上に大きく寄与しました。
Pontaポイントとの統合による新たな接点の創出2020年5月、au WALLETポイントをPontaポイントに統合しました。本統合により、国内最大級となる1億超のポイント会員基盤が誕生しました。
この会員基盤をベースとして、KDDIの先端技術と約14,500のローソン店舗 (*2) などの両グループのアセットを組み合わせ、お客さまに新たな体験価値を提供していきます。また、オープン基盤であるPontaとの連携を足掛かりに、au以外のお客さまへの接点を拡大し、決済・金融取扱高のさらなる拡大を目指します。

  • *2)
    2020年5月時点

今後の利益成長が期待される金融事業とのシナジー

au PAYを起点に、KDDIグループが擁するさまざまな決済・金融サービスの利用につなげていきます。
2020年3月期のKDDIの決済・金融取扱高 (*4) は6.5兆円を突破しました。今後は、銀行から証券サービス、クレジットカードから銀行サービスといった利用につなげるなど、金融サービス間での循環を拡大し、収益拡大を目指します。

  • *4)
    au PAY決済額+au PAYカード決済額+auかんたん決済額+auじぶん銀行決済額+ローン実行額

au PAYアプリのスーパーアプリ化を目指して

KDDIが目指す"スーパーアプリ"とは、お客さまに最も使われるアプリであり、日常生活の起点となるものです。今後、au PAYの機能をさらに拡張し、金融やEコマースのみならず、タクシー手配やレストラン予約といった生活密着型のサービスと連携することで、スーパーアプリとしてのさらなる進化を目指します。

KDDIの決済・金融分野の特徴サマリー
[1] au PAYを中心としたスマートマネー構想の始動
[2] 1億超のポイント会員基盤
[3] 決済・金融取扱高6.5兆円突破とさらなる収益拡大

KDDI Accelerate 5.0

明るい未来社会の創造に向けてSociety 5.0を5Gで加速

KDDI Accelerate 5.0について

1. 背景

新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、テレワークやオンライン教育、遠隔医療などへのニーズが一気に高まり、日本社会における生活者の安心・安全と経済活動を維持するICTインフラの重要性が顕在化しました。また、各産業においてレジリエントなビジネスモデルが創出され、日本経済の成長と活力に満ちた明るい未来社会が実現されることが期待されています。これらの社会背景に対し、両社はネットワークとプラットフォームの構築とビジネスモデル創出を主体的に進め、ニューノーマル時代に貢献することを目的とした「KDDI Accelerate 5.0」を取りまとめました。

2. 3つのレイヤの環境整備

「KDDI Accelerate 5.0」の実現に向けて、3つのレイヤの環境整備を進めます。

[1] ネットワークレイヤ

新たな社会基盤の土台となるのは、「ネットワークレイヤ」です。5Gを日本の社会と産業に浸透させるには、最新技術に基づく信頼性の高いネットワークをできるだけスピーディに全国展開する必要があります。
KDDIは、日本の国際競争力の維持のために海外企業の技術も導入し、国際水準の最先端テクノロジーをいち早く日本に実装するとともに、積極的な先行投資と地方におけるインフラシェアリングなどにより強靭な5Gネットワークの全国展開を加速します。

[2] プラットフォームレイヤ

ネットワークレイヤの上に構築されるのが、フィジカル空間から集積されたデータをサイバー空間で解析し、予測結果などをフィジカル空間にフィードバックしてこれまでにない新しい価値を生み出す「プラットフォームレイヤ」です。KDDIは、5GネットワークとグローバルIT企業群の最先端クラウド技術を融合すると同時に、日本のベンチャー企業や国内企業のプラットフォームとの連携により、日本の各産業に向けた最先端技術のオープンなプラットフォーム環境を整備します。

[3] ビジネスレイヤ

強靭なネットワークとオープンなプラットフォームの上に位置し、新たなサービスやソリューションを生み出すのが、「ビジネスレイヤ」です。異なる産業の企業同士のオープンイノベーションによりサイバー空間とフィジカル空間の融合を進めることで、お客さまとのエンゲージメントの深化とともにビジネスモデルがレジリエントなものに進化します。KDDIは、日本の経済成長と明るい未来社会の創造を目指してSociety 5.0を加速します。

フィジカル空間とサイバー空間を一体化する7つの分野のテクノロジー

Society 5.0を加速するためには、リアルなヒトやモノが存在する「フィジカル空間」とコンピュータの世界「サイバー空間」の一体化を一層加速させる技術進化が必要となります。
フィジカル空間から収集された情報は、サイバー空間で解析され、再びフィジカル空間へとフィードバックされます。
この循環を支えるのが、7つの分野のテクノロジーとそれらの密接な連携 (オーケストレーション) です。

「KDDI Accelerate 5.0」を支える7つ分野のテクノロジー

7つのテクノロジーとは、「ネットワーク」「セキュリティ」「IoT」「プラットフォーム」「AI」「XR」「ロボティクス」を指します。
「ネットワーク」によってフィジカル空間とサイバー空間が結びつけられ、「セキュリティ」により両空間の安全が確保されます。
「IoT」がフィジカル空間の情報を収集してサイバー空間へと送り、サイバー空間の「プラットフォーム」に集積された情報は、「AI」が解析し、どのようにフィジカル空間に働きかけるかを導き出します。
実際にフィジカル空間に働きかけるのが、「XR」と「ロボティクス」。「XR」が人間の知覚に対して働きかけ、「ロボティクス」がドローンやロボットといった物理的な存在を動かします。
この循環を繰り返し、社会活動や経済活動は最適化されていくことになります。
5Gの普及でフィジカル空間とサイバー空間の融合が進み、さらにBeyond 5G時代になれば、サイバー空間からフィジカル空間へのフィードバックも強化されます。KDDIが進めている、ライフデザインビジネスのプラットフォーム、ヒトの行動変容を促すAIやXR、ロボティクスなどの研究は、こうした変化を加速します。

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