セグメント別業績分析

(3月31日に終了した各決算期)

パーソナルセグメント

パーソナルセグメントでは、個人のお客さま向けにサービスを提供しています。
日本国内においては、通信サービス (主に「au」ブランドによるスマートフォン・携帯電話、FTTH/CATVサービスなど) を中心に、エネルギー・金融・コマース・教育などのライフデザインサービスを連携しながら拡充することで、新たな体験価値の提供を目指しています。安心の使い放題の「au」に加え、シンプル・お手頃価格の「UQ mobile」、トッピングで自由に選べる「povo」のマルチブランドで市場環境やお客さまニーズに即した機動的なサービスの提供を進めていきます。
また、海外においては、国内で培った事業ノウハウを活かし、ミャンマーやモンゴルをはじめとするアジア地域を中心とした個人のお客さま向けビジネスにも積極的に取り組んでいます。

業績概況

2021年3月期の売上高は、au通信ARPA収入 (注1) や端末販売収入等の減少を、エネルギー事業を除くライフデザイン領域の増収、UQ mobileとグループMVNO収入の増収で補い、前期比0.8%増の4兆5,851億円となりました。
営業利益は、エネルギー事業以外のライフデザイン領域が金融事業を中心に好調に推移したものの、au通信ARPA収入の減少や、エネルギー事業における電力市場の卸価格高騰の一時的な影響 (前期比205億円減) により、前期比1.0%減の8,629億円となりました。

  • 注1)
    au通信ARPA収入+付加価値ARPA収入+端末修理・補償収入+auでんき収入

au通信ARPA

au総合ARPAは、「auでんき」等契約数の順調な拡大によるauでんきARPAの拡大 (前期比140円増) や、auスマートパスプレミアム比率の増加、決済・金融、およびコマースの利用拡大などによる付加価値ARPAの増加により、前期比で310円増加しました。
2022年3月期からはマルチブランド総合ARPUとして、auに加え、UQ mobile、povoを含めたマルチブランドの総合力でお客さまのニーズに対応することで、引き続き拡大を目指します。

au解約率

新型コロナウイルス感染症拡大による巣ごもりの影響によって市場の流動性が低下したことに加え、当社のマルチブランド戦略、5Gへの移行により、2021年3月期のau解約率は第3四半期まで低水準で推移しました。第4四半期のau解約率は、新入学シーズンに加えて競合各社が新ブランドや値下げプランを開始したことで市場の流動性が高まり、一時的に解約率が高まりましたが、通期では前期比0.03ポイント減の0.69%となっております。
今後は、マルチブランド戦略による差別化の推進や、ライフデザインサービスの魅力化によってお客さまとのエンゲージメントをさらに深め、マルチブランド解約率の低減に取り組んでいきます。

ライフデザイン領域

業績概況

2021年3月期の売上高は、主に金融事業が増収に貢献したほか、「auスマートパスプレミアム」やコマース、修理補償の増収により、前期比9.0%増の1兆3,050億円となりました。
営業利益は、エネルギー事業において電力市場の卸価格高騰の一時的な影響を受けたものの、金融事業や、「auスマートパスプレミアム」やコマース、修理補償が牽引し、前期比11.2%増の1,980億円となりました。

auスマートパス/auスマートパスプレミアム会員数

auスマートパス/auスマートパスプレミアムの会員数は前期末比で13万会員増加し、1,563万会員となりました。このうち、「auスマートパス」の上位サービスとなる「auスマートパスプレミアム」の会員数は、前期末比172万会員増の1,137万会員となりました。
2019年12月からau以外のお客さまにもサービスを拡大したほか、5Gの魅力を体験していただけるコンテンツの提供を開始したことで「auスマートパスプレミアム」の会員数は順調に伸び、「auスマートパス」全体に占める割合は72.7%まで伸長しました。
【参考】「auスマートパス」は、月額情報料372円のパッケージサービス。さまざまなアプリやデータストレージサービス・クーポン・修理補償などが受けられる。上位サービスである「auスマートパスプレミアム」は同499円。(「auスマートパス」は2020年10月1日をもって新規受付を終了)

決済・金融取扱高

ライフデザイン領域の成長ドライバーである金融サービスにおいて、現中期目標の「決済・金融取扱高2022年3月期6兆円」を前倒しで達成し、2021年3月期で9兆円を突破しました。ライフデザイン領域の営業利益前期比200億円増のうち、金融事業が190億円を占めており、決済・金融取扱高の拡大が利益拡大に貢献しています。
キャリア決済をはじめとした決済事業が好調であり、また、「auじぶん銀行」の住宅ローン実行額は前期比で5,500億円超の増加、累計で1兆3,500億円を突破し、金融事業を牽引しています。

パーソナルセグメントの主要な取り組み

au 5Gエクスペリエンス

KDDIの5Gの特徴は、先進の5Gと強靭な4Gのハイブリッドネットワークを基盤に、UNLIMITEDな料金、デバイス、サービスによるAUGMENT (拡張) 体験を創出し、お客さまに新しい体験価値をご提供するものです。データ通信が使い放題 (注1) (注2) となるプランをご契約でiPhone 12をご利用のお客さまを対象に、2020年10月から、5Gエリアにおいて動画品質をより高画質に自動的にアップグレードするサービスを提供しています。またこのサービスは2021年4月からAndroid搭載の5G端末への提供も開始いたしました。
株式会社テレビ朝日と共同出資する動画配信プラットフォーム「TELASA」(有料) や、「au スマートパスプレミアム」(有料) をご契約のお客さまはマルチアングル動画や360度VR動画配信などのエンターテインメントを瞬時にストレスなくお楽しみいただけます。au 5Gエクスペリエンスを通じて、コンテンツが有する本来の魅力を最大化し、よりリッチな5G体験を提案するとともに、5Gを活用した新たなコンテンツ市場の拡大に取り組んでいきます。

OTTプレーヤーとの連携

auでは、2020年3月の5G商用サービス開始とともに、データ通信と人気のエンターテインメントコンテンツをセットにしたKDDIならではの魅力的なプランを提供してきました。2021年3月から、データ通信が使い放題となるスマートフォン向け料金プラン「使い放題MAX 5G/4G」の提供を開始しました。
人気のエンターテインメントコンテンツ「Netflix (ベーシックプラン)」「TELASA」「Amazon Prime」がセットになった「使い放題MAX 5G/4G Netflixパック (P)」や、「Netflix (ベーシックプラン)」「TELASA」に「Apple Music」「YouTube Premium」もセットした「使い放題MAX 5G ALL STARパック」を提供し、データ容量の上限を気にせずコンテンツをお楽しみいただけるプラン (注1) です。
早くからライフデザイン領域の成長に注力し、パートナーとの良好な関係を築いてきたからこそ実現できたプランであり、またお客さまにこれだけ魅力的なラインアップを提供できるのはKDDIの強みです。パートナーであるOTTプレイヤー (注3) にとっても、auのお客さま基盤を活かした日本国内におけるマーケティングの拡大や、長期利用が見込めるなどメリットがあり、双方にとってトップラインを伸ばす提携となっています。
引き続き、KDDIはさまざまなパートナーと共に、お客さまに選ばれるサービスの開発・提供に取り組んでいきます。

付加価値サービスを組み込んだ独自の料金プランを提供 付加価値サービスを組み込んだ独自の料金プランを提供

  • 注1)
    テザリング・データシェア・世界データ定額 (有料) のデータ容量には上限があります。プランによって上限は異なります。動画・クラウドゲームなどの、大量のデータ通信、長時間接続を伴うサービスについて、auスマホでの一般的なご利用 (例: 5Gの場合フルHD画質、4G LTEの場合HD画質での動画視聴など) に支障のない範囲で通信速度を制限します。※一定期間内に大量のデータ通信のご利用があった場合、混雑する時間帯の通信速度を制限します。
  • 注2)
    使い放題MAX 5G、使い放題MAX 5G with Amazonプライム、使い放題MAX 5G Netflixパック (P)、使い放題MAX 5G テレビパック、使い放題MAX 5G ALL STARパック
  • 注3)
    OTTは「Over The Top (オーバー・ザ・トップ)」の略語。通信事業者やインターネット・サービス・プロバイダ (ISP) に頼らず、インターネットを通じて提供されるメッセージや音声、動画などのコンテンツやサービスを指し、「OTTプレーヤー」はそれらを提供する事業者を指します。

5G累計販売台数

2020年3月より商用サービスを開始したauの5Gは、順調に販売が推移し、2021年3月末時点の販売台数は累計で240万台を突破しました。
最新のiPhoneをはじめ、Android搭載のスマートフォンまで5Gのサービス開始以降、auでは全機種5G対応のスマートフォンを提供しており、耐久性に優れたモデルや、超高精細ディスプレイ・カメラを備えたハイスペックモデルから機能を厳選したミドルレンジのモデルまで、幅広いラインアップでお客さまのニーズにお応えしています。
また新型コロナウイルス感染症の拡大により、お客さまの購買がリアルからオンラインへの移行が進んでおり、オンライン限定の端末購入特典を設けるなど、「au Online shop」での販売を拡充しています。
KDDIならではの魅力あるラインアップを揃え、市場や競争環境の変化にも柔軟に対応しながら、今後も総合力で5Gの拡大を推進していきます。

5G累計販売台数 5G累計販売台数

5G拡大を推進する新しい体験価値の創造

5Gの魅力をより多くのお客さまに伝えるため、5G時代の新たな体験価値の創造に取り組んでいます。2020年5月から一般社団法人渋谷未来デザイン・一般財団法人渋谷区観光協会と進めてきた「渋谷区5Gエンターテインメントプロジェクト」は、2021年5月から仮想空間「バーチャル渋谷」を拡張し原宿新エリアの提供を開始しました。自宅からスマートフォンを使ってリアルに再現された渋谷・原宿の街を自分のアバターを自由に操作して、離れた場所にいる友人や家族と同じ空間を共有し、会話をしながら買い物をしているかのような体験が可能です。
スポーツでは、株式会社横浜DeNAベイスターズと、新型コロナウイルス感染症の影響により球場への来場が制限されるなか、先端テクノロジーを活用して、VRで自宅にいながら球場の雰囲気を味わい、野球観戦ができる「バーチャルハマスタ」を提供、サッカーでは株式会社名古屋グランパスエイトと共同で新たな観戦体験の提供に向け、スタジアムを5Gエリア化し、スマートグラスやau 5G端末を用いて、チームのフォーメーションやシュートなど試合中のさまざまなシーンを、AR空間を通じリアルタイムに把握できるサービスを提供するなど、5Gによる新たなスポーツの楽しみ方を伝えています。今後もさまざまな分野で新しい体験価値を届けることで、さらなる5Gの普及に努めていきます。

「バーチャルハマスタ」のイメージ

名古屋グランパスエイトのAR観戦イメージ

Topic 通信事業を通じた社会課題の解決

社会課題 社会課題

「豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献する」という企業理念の実現のために、KDDIは、社会インフラを担う通信事業者として、24時間365日いかなる状況でも、安定した通信サービスを提供する重要な社会的使命を担っています。
一方で、地球温暖化の原因とされる温室効果ガス排出量は年々増加傾向にあり、その削減は人類共通の社会課題となっています。ICTの利活用は、生産・消費などの業務活動の効率化につながり、お客さまのCO2排出量削減に貢献することが期待されています。また、ICT利活用の拡大に伴い、データセンターや基地局による環境負荷の増大が懸念されることから、エネルギーの利用に配慮した設備・機器の開発・導入が課題となっています。
KDDIは「KDDI Sustainable Action」において、再生可能エネルギーへのシフトを強力に進め、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指し、ICTの活用によって社会の環境負荷を低減することを宣言しました。今後も、気候変動をはじめとする社会課題をリスクとして捉えるだけでなく、5GやIoTなどを活用したKDDIならではの強みを生かし、課題解決を図っていきます。

ビジネスセグメント

ビジネスセグメントでは、日本国内および海外において、幅広い法人のお客さま向けに、スマートフォンなどのデバイス、ネットワーク・クラウドなどの多様なソリューションに加え、「TELEHOUSE」ブランドでのデータセンターサービスなどを提供しています。
今後の成長をけん引する事業を「NEXTコア事業 (DX)」と定義し、お客さまのDXをトータルでサポートすることで事業ドメインを一層拡大、さらにモバイル・固定通信などで構成される「コア事業」とのシナジーを創出し、ビジネスセグメント全体での成長を目指します。

業績概況

2021年3月期の売上高は、モバイル事業や固定事業の増収に加え、NEXTコア事業の増収もあり、前期比5.3%増の9,916億円となりました。
NEXTコア事業は「コーポレートDX」「ビジネスDX」「事業基盤サービス」いずれも増収しており、特にIoT・クラウドをはじめとする「ビジネスDX」は二桁成長しております。
営業利益は、既存のコア事業がモバイルを中心に好調となったほか、「NEXTコア事業」では、「ビジネスDX」におけるIoT・クラウドや、「事業基盤サービス」におけるコールセンターやデータセンターが増益を牽引した結果、前期比11.9%増の1,667億円となりました。

IoT累計回線数

今後は5Gによって、IoTや企業のDX拡大がさらに加速することが期待されています。
IoT累計回線数は、現中期経営計画の目標である1,800万回線を1年前倒しで達成しており、2022年3月末で2,400万回線を目指します。コネクティッドカーやガスプラットフォームをはじめとして純増ペースが加速しており、さらにクラウドやデータ活用のサービスなどを組み合わせて提供することで、ビジネスセグメントのさらなる売上拡大が期待できます。またグループ会社のソラコムの回線数を加えると、2021年3月末で2,100万回線超となりました。

ビジネスセグメントの主要な取り組み

お客さまのDXを加速

KDDIグループは、5GやIoTの技術を活用し、お客さまのビジネスの発展・拡大に貢献するソリューションをワンストップで提供しています。新規ビジネスの創出拠点「KDDI DIGITAL GATE」を2018年9月に開設、ニューノーマル時代のライフスタイルの提案に向けた研究拠点「KDDI research atelier」を2020年12月に開設しました。これら2つの虎ノ門エリアに位置するオープンイノベーション拠点を連携させ、DXを通じて新たな価値を創造するとともに、次世代社会構想「KDDI Accelerate 5.0」で目指すフィジカル (現実) 空間とサイバー (仮想) 空間の高度な融合によるレジリエントな未来社会の創造を目指します。

KDDI research atelier

パートナー企業との推進

KDDIはパートナー企業と連携しながら、さまざまな産業や企業が抱える課題の解決やビジネスの高度化を支えています。KDDIは、東日本旅客鉄道株式会社と、ポストコロナ社会を見据え、交通と通信の融合により、場所や時間に捉われない多様な働き方やくらしを創出する新しい分散型まちづくり「空間自在プロジェクト」の実現に向け、2020年12月に基本合意書を締結しました。
コアシティ「品川開発プロジェクト」の共同推進や、日本各地でのサテライトシティ開発、モビリティサービスの開発、実装を目指します。

品川開発プロジェクト

お客さまとのエンゲージメント構築に向けて

KDDIは会社の目指す姿の一つに"お客さまに一番身近に感じてもらえる会社"を掲げ、法人のお客さまのビジネスに貢献し、新しい体験価値を創造していきます。持続的成長のために最も重視しているのは、お客さまとのエンゲージメントの構築です。
当社は、株式会社J.D. パワー ジャパンの法人向け顧客満足度調査4部門において第1位を受賞しました。2020年9月には、「2020年法人向け携帯電話サービス顧客満足度調査」において、大企業・中堅企業市場部門 (注1) で総合満足度5年連続第1位に加えて、KDDIとして初めて中小企業市場部門 (注2) で総合満足度第1位を受賞しました。
また2020年10月には「2020年法人向けIP電話・直収電話サービス顧客満足度調査 (注3)」において、総合満足度第1位を8年連続で受賞、2020年11月には「2020年法人向けネットワークサービス顧客満足度調査 (SM) (注4)」<大企業市場部門>において総合満足度第1位を2年連続で受賞しました。

  • 注1)
    J.D. パワー2020年法人向け携帯電話サービス顧客満足度調査。2020年調査は携帯電話サービスを提供する事業者に関して従業員数100名以上の企業2,068社からの2,634件の回答による。
  • 注2)
    J.D. パワー2020年法人向け携帯電話サービス顧客満足度調査。2020年調査は携帯電話サービスを提供する事業者に関して従業員数50名以上100名未満の企業1,161社からの1,408件の回答による。
  • 注3)
    J.D. パワー2020年法人向けIP電話・直収電話サービス顧客満足度調査。2020年調査は全国の従業員数100名以上の企業1,071社からの1,323件の回答による。
  • 注4)
    J.D. パワー2020年法人向けネットワークサービス顧客満足度調査。2020年調査は全国の従業員数1,000名以上の企業291社からの416件の回答による。
    出典: jdpower-japan.com

"法人向け携帯電話サービス顧客満足度5年連続No.1<大企業・中堅企業市場セグメント>"
"法人向け携帯電話サービス顧客満足度No.1<中小企業市場セグメント>"
"法人向けIP電話・直収電話サービス顧客満足度8年連続No.1"
"法人向けネットワークサービス顧客満足度2年連続No.1<大企業市場セグメント>"

Topic 通信事業を通じた社会課題の解決

現在の日本は、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、地方の過疎化により、生産力の低下と地方経済の縮小に直面しています。そのような中、労働力不足の解消など、地域の活性化を図る有効なツールとして、ICTが期待されています。
KDDIでは、地方自治体や地元企業、NPO法人とともに、地域の抱える課題をICTで解決する地方創生に数多く取り組み、サステナブルなビジネスモデルの構築に取り組んでいます。また経済発展への貢献に向け、「KDDI DIGITAL GATE」をはじめとしたビジネス開発拠点を活用し、さまざまな企業が抱える課題をイノベーションで解決しています。これからもKDDIが持つ通信と技術を組み合わせて、社会課題の解決に貢献する会社を目指します。

  • 2021年3月現在

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