2021年3月期決算説明会 (決算ハイライト・質疑応答)

日時 2021年5月14日 (金) 17:30-18:30
場所 KDDIホール (東京都千代田区大手町)
登壇者 髙橋社長、東海林副社長、村本副社長、森専務、吉村常務、最勝寺経営管理本部長、本郷IR室長 (司会)

決算ハイライト

決算説明会の模様

決算説明会では、「21.3期 連結業績」、「成長戦略」、「パーソナルセグメント」、「企業価値向上とSDGs」、「22.3期 連結業績予想」の5点について、社長の髙橋より説明しました。

1. 21.3期 連結業績

連結の売上高は5兆3,126億円、前期比で1.4%プラスとなり、営業利益は1兆374億円、前期比で1.2%プラスとなりました。激変する環境下において成長領域が牽引し、増収増益となりました。
21.3期の連結営業利益は前期比プラス122億円の増益となりました。その要因は、au通信ARPA収入の減少が409億円であったことに対し、エネルギー事業を除くライフデザイン領域とビジネスセグメントの成長領域がプラス582億円となり、増益に大きく貢献いたしました。なお、エネルギー事業は205億円の減益となりましたが、今後電源調達の対策も実施していくため、一過性のものとなります。

2. 成長戦略

成長戦略においては、既存通信事業を基盤として、マルチブランド戦略で5G利用を積極推進し、コスト削減により安定成長を目指します。さらに、その基盤の上に伸ばしていく成長領域について、ライフデザイン領域ではお客さま接点とポイント流通によるau経済圏の拡大を推進、ビジネスセグメントでは通信・IoTを軸にした事業ドメインの拡大を目指してまいります。
ライフデザイン領域の成長戦略では、通信サービスをベースにお客さま接点を強化します。リアル店舗でのスマホ決済「au PAY」は3,200万超の会員数、オンラインの「auスマートパス」は1,500万超の会員数となりました。また、ポイント流通においては、使える場所の拡大とともに魅力化も進めてまいります。これらのお客さま接点の強化とポイント流通により、金融・エネルギー・コマースを中心にau経済圏の最大化を目指します。ライフデザイン領域のKPIはコアとなる各種サービスが順調に成長しており、auでんき等契約数は288万契約、au PAYカード会員数は650万会員、auスマートパスの会員数は1,563万会員、うちauスマートパスプレミアムの会員数は1,137万会員となり、着実に浸透しております。
ライフデザイン領域の業績は、売上高、営業利益ともに2桁成長を目指します。成長ドライバーである金融事業は、21.3期はKDDIグループベースで前期非で190億円の増益と、利益貢献が顕在化しました。その結果、21.3期、ライフデザイン領域の営業利益は前期比200億円の増益となりました。22.3期は、さらなる利益成長として520億円の増益を見込んでおります。

この成長ドライバーの金融事業について、決済・金融取扱高はau PAY決済額が拡大、コロナの巣ごもり影響もあり、auかんたん決済が好調でした。また、auじぶん銀行の住宅ローンや目的別ローン好調に加え、auカブコム証券との取組を強化したことで、auじぶん銀行決済額が大幅に伸長しました。その結果、21.3期は決済・金融取扱高が9兆円を突破し、前期比で1.4倍の伸びとなりました。決済・金融取扱高の成長とともに、営業利益も大きく伸び、KDDIグループベースで21.3期は498億円となり、前期比で1.6倍の伸びとなりました。
金融事業は、次期中期計画を見据えてさらなる成長を目指します。現在、auのお客さま、au以外のお客さまにも使っていただけるよう、au PAYを積極推進しております。これは、au PAYの利用を通じて銀行とクレジットカードの連携を強化することにより、その先の事業へ繋げるためです。さらに、通信サービスとのシナジーを活用し、足元も住宅ローンのauじぶん銀行優遇割や、au PAYゴールドカードの特典強化により、コアサービス利用者が伸長しております。今後は、銀行やクレジットカードの利用から金融サービス間の連携を推進し、証券やファイナンスなどのオンライン金融サービスを推進してまいります。

ビジネスセグメントの業績については、売上高が21.3期で9,916億円、22.3期予想は1兆200億円、営業利益は21.3期で1,667億円、22.3期予想は1,840億円で、営業利益の2桁成長を目指します。
ビジネスセグメントの成長戦略は、固定やモバイル、5Gを「コア事業」と位置づけ、強みである通信と2,100万を超えるIoT回線数 (21.3期末時点) を軸に「コーポレートDX」、「ビジネスDX」、「事業基盤サービス」から成り立つ「NEXTコア」へ事業ドメインを国内外に拡大してまいります。NEXTコア事業は、3つとも既存の通信サービスを活かす付加価値ソリューションとなっており、お客さまのビジネスをトータルでサポートいたします。22.3期にNEXTコア事業は、売上高の3割超を目指し、IDの拡大やエンゲージメントの向上といったコア事業とのシナジーも推進し、ビジネスセグメント全体の成長を目指してまいります。
「コーポレートDX」は、テレワーク、ゼロトラストが中心となります。新型コロナウイルス感染症拡大防止とともに中小企業にもテレワークが拡大しており、KDDIまとめてオフィスでは、直近1年で、クラウドアプリ、PC・タブレットが1.3倍、スマートフォンが1.7倍と各種プロダクトが伸長いたしました。今後は新たな働き方「スマートワーク」の支援に向けて、お客さまに応じてクラウドやセキュリティなどの運用管理をワンストップで提供する「マネージドゼロトラスト」を推進し、環境整備からスマートワークへの進化をサポートしてまいります。
「ビジネスDX」は、IoT、クラウドが中心となります。IoT累計回線数は1,800万回線を超えて順調に拡大しており、中期計画目標を前倒しで達成し、SORACOMの回線数を加えると、グループベースで2,100万超となりました。KDDIグループのケイパビリティでは、SORACOMなどグループ企業に加え、AIやIoTなどを活用した企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するDXGoGo (ディーエックスゴーゴー) を設立します。加速するIoTの成長とともに、KDDIグループ全体でお客さまのビジネス創出機会をサポートしてまいります。
「事業基盤サービス」は、データセンター、コールセンターが中心になります。グローバル・国内において、お客さまとともに成長を目指します。高コネクティビティを有する欧州を中心にデータセンターを拡張しており、現在は世界10都市、40サイト超で展開しております。BPOおよびコンタクトセンターを運営するKDDIエボルバは、21.3期の売上高が1,000億円を突破し、営業利益は前期比でプラス29%と大きく成長しております。

3. パーソナルセグメント

5Gのエリア構築については、お客さまの生活動線を重視したエリア展開を進めてまいります。大阪環状線は3月末から、山手線は5月末を目途に全駅周辺で5Gが利用可能になります。今後、主要鉄道路線に順次拡大予定です。5Gの全国展開では、22年3月には約5万局に拡大し、人口カバー率も90%を予定しております。また5G用の新周波数3.7GHz、4.0GHz、28GHz帯に加え、既存周波数の5G化も展開しております。5GのSA (スタンドアローン) 時代に備え、ネットワークの5G化を推進してまいります。
スマートフォン契約数は、4G LTEと5Gの累計契約数は3月末で2,887万台と伸長としております。5Gの累計販売台数は3月末で240万台を突破し、期初目標を大きく上回って達成いたしました。
次にマルチブランド戦略では、auは安心の使い放題を提供し、シンプルでお手頃価格のUQ mobileと、トッピングで自由に選べるpovoを中心に新規契約増を目指します。マルチブランド通信ARPUは低下傾向となりますが、中期的には5Gサービスの拡充によるデータ利用増を目指します。また、ライフデザイン領域のサービス、すなわちau経済圏をプラスにすることにより、エンゲージメント向上および総合ARPU成長を目指してまいります。
povoは、オンライン専用という単純なコンセプトではなく、「トッピング」という独自の価値を新たに提供する目的でスタートいたしました。シンプルでスピーディーな手続き、お客さまの使い方に合わせてカスタマイズできるという気軽さを持っており、お客さまの使い方によって、「5分以内通話かけ放題」や「データ使い放題24時間」といったトッピングを選んでいただく事が可能です。また、共創の場として「povo Lab」を開設し、お客さまやパートナー企業とコラボレーションすることで、トッピングを順次追加していく予定です。

4. 企業価値向上とSDGs

財務面においては、中期経営計画の推進に加え、収益性や効率性等の改善に取り組んでまいります。
非財務面においては、昨年5月に発表した「KDDI Sustainable Action」に基づき、事業を通じてさまざまな社会課題解決に取り組んでまいります。当社は非財務の取り組みと企業価値との関係性をデータ実証分析いたしました。災害対策、地球環境の保全、女性活躍をはじめ、様々な取り組みが企業価値と正の相関となっており、財務・非財務両面からの企業価値向上に向けた取り組みを推進してまいります。
地球環境の保全では、KDDIグループ全体で脱炭素に向けた取り組みを推進してまいります。自社のCO2排出量削減については、技術開発含めあらゆる可能性を検討し、事業としては、新たなエネルギービジネス創出を推進してまいります。4月26日には気候関連財務情報開示タスクフォース (TCFD) の提言へ賛同表明いたしました。また当社におけるESGと企業価値の関係性をデータ分析した結果、温室効果ガス排出原単位を1割減らすと6年後のPBRが2.4%向上するというプラスの相関がありました。さらなる取り組みと積極的な情報開示を推進してまいります。
人財ファースト企業への変革の取り組みでは、時間や場所にとらわれず成果を出す働き方の実現に向けて、新しい人事制度を導入いたしました。「社内DX」、「KDDI版ジョブ型人事制度」、「KDDI新働き方宣言」を3本柱で推進しております。社内DXの一環として、ゼロトラスト対応のセキュアPCを全社員に配備したほか、さらなる生産性向上に向けて、働き方データの可視化を進めております。自らが実践することで、ビジネスセグメントのコーポレートDXにおける提案力の強化に繋がっており、事業として推進することにより社会に貢献してまいります。

5. 22.3期 連結業績予想

22.3期の連結業績のポイントとしては、通信料金の値下げや、競争環境の激化、新型コロナウイルス感染症による生活様式の大きな変化など環境変化を事業機会と捉え、持続的成長を目指してまいります。具体的には、成長領域のさらなる拡大、コスト削減の推進、安定的なキャッシュフロー創出により株主還元の強化を実施いたします。
連結業績予想は、22.3期の連結売上高が5兆3,500億円、営業利益は1兆500億円を見込んでおります。その中でも成長領域が増収増益を牽引し、ライフデザイン領域の営業利益は2,500億円で前期比26.3%のプラス、ビジネスセグメントの営業利益は1,840億円で前期比10.4%のプラスと、ライフデザイン領域、ビジネスセグメントともに営業利益の2桁成長を見込んでおります。
またコスト削減の推進について、マーケティングの効率化では、UQ mobile統合に伴う効率化やマーケティングコスト削減を目指します。ネットワークの効率化・最適化では、建設工程見直しに伴う内製化など、構造改革を推進いたします。コーポレート面でも働き方改革推進によるコスト効率化を推進し、あらゆる努力を尽くして、持続的成長を目指してまいります。
最後に、1株当たり配当金については、持続的成長を伴うDPS成長を重視しており、22年3月期配当金は125円、20期連続増配を目指します。また、1,500億円を上限とした自己株式取得を決議いたしました。

質問者1

  • Q新しい料金が出た後の競争力について伺いたい。3月商戦や楽天モバイルの駆け込み需要、ahamoが始まったことによる影響などもあったと思うが、今後1年間の競争力に対してどのような見通しを持っているのか。UQ mobileの獲得がどれだけ加速するのか、povoがどれだけ効果的なのか、などを教えていただきたい。
    A
    各社オンラインブランド発表もあったため、4Q前半はお客さまの市場の流動が少なかったが、後半は流動が活発化した。楽天モバイルに関しては4月初めまでキャンペーンがあったため若干苦戦したのが本音。ただしその後は持ち直した。UQ mobileは昨年10月に統合を行い、その後も順調。オンラインブランドのpovoもお客さまからご好評いただいており順調に推移。お客さまの関心は中容量にあり、KDDIはマルチブランドでお客さまのニーズにお答えしてUQ mobileやpovoを選んでいただけるようにしていきたい。また大容量をお求めのお客さまにもauの使い放題MAX 5G/4Gをご利用いただけるよう、マルチブランドでお客さまのご利用をいかに促進できるかが肝要。
  • Q成長領域で今後大きく伸びていくとのことだが、過去1年間の成長領域の増益がどのような要因でなされたのか。また今後1年間の増益の成長ドライバーについても教えていただきたい。
    A
    成長領域は金融・エネルギー・コマースに焦点を置いている。金融に関して、auじぶん銀行はようやく芽がでてきた。またクレジットカード・証券・保険それぞれの事業も確実に芽がでてきていると思っている。加えてエネルギー・コマースについても足元しっかり伸びてきている。auのお客さまにどのようにして利用いただくか、どのようにしてご利用を加速させていけるかが重要。またお客さまのタッチポイントについてはau PAYに力を入れている。クレジットカードをご利用いただいたりすることでPontaポイントが溜まり、それを決済として使っていただける。このような好循環をさらに回していきたい。そこからさらにauじぶん銀行の住宅ローンなどもご利用いただくことで、お客さまの生活の入り口にも深く関わっていきたい。さらにエネルギー事業も大きく伸びていく分野と考えている。
    金融事業で一番期待しているのはクレジットカードの領域。au PAY ゴールドカードもご好評いただいており、この領域は伸ばしていけると考えている。さらにauじぶん銀行の住宅ローンも好調。auをご利用のお客さまだけでなく、他の携帯キャリアをご利用いただいているお客さまのご利用も多い。auをご利用であれば金利が低くなることから、au獲得効果もでてきている。さらにキャリア決済がコロナ禍の中で好調であり、これらが成長ドライバーとなっている。エネルギー事業については、今期は残念ながら205億円の減益となったが、これは日本卸電力市場の市場価格高騰が原因。ボラティリティが高い市場であることを勉強させていただいたため、反省を生かしてエネルギー事業については安定性を追求していきながら利益を確保する。21.3期のエネルギー事業の減益は一過性が原因であり、22.3期は増益していけると思っている。

質問者2

質問者3

質問者4

質問者5

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