2003年12月 社長会見

日時 2003年12月17日 (水) 13:30~14:10
場所 東海大学交友会館 富士の間 (霞ヶ関ビル33階)
発表案件 なし

移動通信

  • 「INFOBAR」が好調のようだが、キャリアが端末のデザインに携わった理由は。
    3年前、auというブランドを決める時点から、マーケティングを重視していく方向に転換した。通信業界は独占時代が長く、設備・技術先行で、お客さまの声を聞くことなく、キャリア側から新しいサービスを出していけば良かった。しかし、設備産業からサービス業に変わってきたので、マーケティング活動をしっかりやらなければいけないと言い始めた。また、今までは、デザインはメーカーが主導していたので、メーカー内部で技術優先の傾向があると聞いていた。そこで、当社内にデザイナーを抱え、メーカー側と共同でデザインを開発する体制を整えた。INFOBARは当社側でデザインしたものをメーカーに作ってもらった最初のモデルである。2年半前のビジネスショーで初めて発表し、ようやく製品化にこぎつけた。今後ともお客さまが欲しがるような携帯電話を作っていきたい。
  • EZフラットの顧客数、反響はどうか。
    サービスを開始したばかりなので、まだ顧客数など発表できるような段階ではなく、ご容赦願いたい。
  • auの純増数が好調であるが、来年の目標値などは。
    来年度の数値については、年度計画の発表時に、お話したい。ただ、旧セルラーやIDOが参入した時には、累積シェアで50%近く取っていた時代もあることを考えると、現状の3グループ体制の中でNTTドコモのシェアは高すぎると思っている。我々の努力不足もあるが、歪な形だと思う。競争下で1社が50% 以上を占める国は、世界的に日本と韓国ぐらいである。英国を見ても、4グループ、4社の中でほぼ拮抗している。そういう意味で、我々がもっと頑張る必要があると思っている。
  • 今年は1x、INFOBARと目新しいものが多かったが、来年はライバル会社に玉が多く、auは弱くなるのではないかと思うが、何か方策はあるのか。
    確かに、昨年から今年にかけてWINなどの新サービスもあり他社より話題が多かった。これからは、新しい携帯のコンテンツや使い方を提案していきたい。さらに、新サービス、新方式、新端末を出した時には、既存のユーザーから乗り換えが始まり、他のユーザーがついて来る形になるので、11月から始めたWINで端末を含め新しいものを出して注目を引きつけて行きたい。

固定通信

制度等

  • 番号ポータビリティについて、研究会は導入を主張しているが、KDDIの考え方はどうなのか、変化があるのか。
    研究会において、当社の姿勢がコンサバティブに捉えられたようだが、前回の会見でもお話したとおり、KDDIとしては、お客さまの利便性を尊重し、番号ポータビリティを導入することについて、基本的に前向きに考えている。ただし、コストと利便性の観点からの具体的議論がされないまま、番号ポータビリティを導入すれば全てが解決するような雰囲気があることを心配している。例えば、メールアドレスの問題もある。研究会では電話番号と別問題ということになっているが、お客さまにとっては電話番号と同じ扱いであり、電話番号やメールアドレスが変わった場合、どういう風に周知していくかが問題である。現在、KDDIではお客さまが電話番号とメールアドレスを変えた場合、登録している相手に通知するサービスを提供している。逆に迷惑メールなど電話番号を変えたいというニーズにも我々は対応している。従って、番号ポータビリティは広く考えるべきであり、よりお客さまの利便性を高める為、もっと何をすべきか、しっかり議論する必要がある。
  • NTT東日本が独禁法上の排除勧告を拒否したことについてどう考えるか。
    排除勧告と、光ファイバーの開放とは必ずしも一致した問題ではないと思っている。従って、そのまま光を開放しない方に結びつくとは考えていない。いずれにしても、この問題は重要なので、充分注視していく。
  • 以前から「光ファイバを開放すべきである」という意見を主張していると思うが、NTTの光ファイバー開放に対するKDDIの姿勢について伺いたい。
    現在は、ダークファイバは開放されているので問題はないと見ているが、それ以外の部分については、充分注視していく必要がある。最近ダークファイバに対して、多少後ろ向きな発言が見られ危惧している。もし開放しないことになれば、日本のブロードバンドの進展に影響を及ぼすので、しっかり開放を求めていく。
  • 独占禁止法改正について見解は。
    独占禁止法については、「不可欠施設」の定義がはっきりしていないと思う。我々は独禁法については、経団連に近い意見を持っているが、しっかりとした議論が必要なテーマである。電気通信事業法でも規制しているので、それとの関係も明確にして欲しい。また、パブリックコメントについては、総務省の研究会は基本的に公開されているが、独禁法の研究会については公表されていないと記憶している。きちんと情報を公開し、みんなが意見を言える場を作ってもらいたい。
  • 「TD-CDMA」方式が始まることについての意見は。
    TD-CDMAのバンド (周波数帯) については、元々予定されている話であり、新しく入ってくるのであれば、競争を促進する上で良いことだと思う。
  • 厚生年金の保険料率が18.35%に引き上げられることが決まり、経済界は反対しているが、KDDIとしての見解は。また会社への影響は。
    会社単独の意見として、良いとか悪いとか申し上げる立場でない。通信産業は、売上に対する人件費の割合は低いので、影響は比較的少ないという見方をしている。だがコスト負担増は免れないので、今後の対応について、さらに検討が必要である。

そのほか

  • DDIポケット、ツーカーの売却についての考えは。
    今までも申し上げている通り、あらゆる可能性について検討している。上半期の実績をご覧になればお分かりいただけるが、2社は利益やキャッシュフローを出している。今、急いで事を起こす時期ではない。我々と両社にとってベストな方法について検討を重ねている。
このページを印刷する
文字サイズの変更

KDDI IRの最新情報を配信します。

IRメールマガジン新規登録

新規ウィンドウが開きますメールマガジンに登録する

メールマガジン詳細はこちら


KDDI IR公式Twitter