リスクと成長機会

KDDIの事業を取り巻く環境は常に変化しています。
KDDIは、事業環境の変化の中に存在するあらゆるリスクを早期に予見し、リスク回避に向けて対策を講じる一方で、成長機会を確実に捉えて成功につなげることで、企業価値の最大化を目指します。
ここでは、投資家の皆さまが特に関心を持たれているリスクと成長機会についてご説明します。

主なリスクと回避に向けた対応、成長に向けた取り組み

他の事業者との競争、市場や事業環境の急激な変化

リスク

お客さまの流出: 格安スマートフォンの普及や新たな通信事業者の参入による契約数の減少が懸念されています。

通信料金の値下げ: 競争環境の激化などによる業績影響が懸念されています。

対応

  • KDDIは、これらの環境変化に対応し、2017年7月、他社に先駆けて分離プランの提供を開始しており、現行の通信料金は分離プラン導入前に比べて最大で4割値下がりしています。
  • お客さまのご要望に沿った料金プランへいち早く移行したこともあり、au解約率は大幅に改善しました。
    分離プラン移行前 (2017年3月期): 0.83%
    分離プラン移行後 (2019年3月期): 0.76%
  • 既にスマートフォンのお客さまの約3分の2が分離プランに移行されるなど、好調に推移しています。(2019年3月末時点)

成長に向けた取り組み

  • 国内モバイル通信事業単独での成長が難しくなる中、KDDIは新たな成長領域の確立を目指します。
  • 具体的には、従来の通信サービスを中心に、コマース・金融・エネルギー・エンターテインメント・教育などのライフデザインサービスを連携しながら拡充することで、事業戦略の核となる「通信とライフデザインの融合」をより一層推し進め、auなどをご利用のお客さまに新たな体験価値を提供することで、「総合ARPA」ベースの売上拡大を図ります
  • さらに、お客さまの生活に不可欠な通信とさまざまなライフデザインサービスを合わせてお使いいただくことで、お客さまとのエンゲージメントの深化を図り、グループ会社を含むお客さま数 (ID)×総合ARPA×ご利用期間 (継続率) の総和である「ライフタイムバリュー」の最大化につなげていきます。

通信の秘密および顧客情報 (個人情報・法人情報) の保護

リスク

情報漏えいや外部ネットワークからの不正侵入などにより、KDDIのブランドイメージや信頼性が失墜するリスクがあります。

対応

  • KDDIは、通信の秘密の保護を遵守するとともに、顧客情報保護に関して、情報セキュリティ委員会を設置して内部からの情報漏えい防止、外部ネットワークからの不正侵入の防止に関わる全社的な対応策を策定するとともに、GDPRなどグローバル法制度への対応を実施しています。

成長に向けた取り組み

  • ビッグデータの利活用による「データドリブン経営」が注目される今、KDDIはお客さまの重要な情報資産を厳格に管理し、セキュリティ確保・プライバシー保護に努めることで、お客さまから選ばれるために必要不可欠なサービス品質の維持に日々取り組んでいます
  • グループ会社とともに高度な情報セキュリティと安心できるICTをお届けすることでお客さまが事業に専念できる環境を整え、デジタル化の進む社会・経済の発展に貢献していきます。

自然災害・事故など

リスク

情報通信サービスの停止・中断: 自然災害や電力不足・停電、サイバーアタック、通信機器の不具合や事故などの不測の事態により、情報通信サービスが提供できなくなるリスクがあります。

対応

  • 大規模自然災害時などの経営体制として、災害対策規程や事業継続計画 (BCP) を策定し、災害対策体制をはじめ、各種取り組みを構築しています。
    また、防衛省や自衛隊、海上保安庁と災害協定を締結し、関係機関とも連携した災害対策の強化に取り組んでいます。
  • また、年2回実施する「災害対策訓練」にて検証を行い、そこから洗い出された課題や問題点の改善を図り、毎年PDCAサイクルを回しながら、より強固な災害対策の基盤構築に取り組んでいます

成長に向けた取り組み

  • 現在の日本は、長期的な人口減少や大都市圏への人口集中による地方経済の活力低下などのさまざまな課題を抱えています。
    KDDIは、重要な社会的インフラとなっているモバイルネットワークを安定的に稼働させ、高品質な通信サービスを提供することを通じてさまざまな課題を解決し、日本社会の発展に貢献しています。
  • 2019年4月には、地方創生を推進する地元企業やベンチャー企業への出資を目的とした「KDDI Regional Initiatives Fund 1号」を設立するなど、5G/IoTを活用して地方創生を推進する体制も整えており、引き続き地方経済の活性化に貢献するとともに、新たな事業領域の創出・拡大を目指していきます

電気通信などに関する法規制・政策決定など

リスク

電気通信事業法などの改正: 通信料金と端末代金の完全分離、行き過ぎた囲い込みの禁止などについて法制化されます。

周波数割り当て: 新周波数への対応に伴いネットワークコストが増加するリスクや、必要に応じた周波数の確保ができないリスクなどがあります。

対応

  • アップグレードプログラムや期間拘束、自動更新など、法令の内容を踏まえ、必要なものについては法令の適用時期 (10月1日見込み) までに適切に対応していく方針です。
    その上で、今期の利益目標の着実な達成を目指します。
  • 2019年4月に5G用の周波数が割り当てられましたが、KDDIの積極的な開設計画が評価され、3.7GHz帯・28GHz帯において、世界的に5Gでの利用が見込まれる周波数帯を含む合計600MHz幅の広い周波数帯域を確保することができました。これにより、ネットワーク開発費や端末調達コスト効率化の観点で、大きなアドバンテージが期待できます。

成長に向けた取り組み

  • 行き過ぎた囲い込みの禁止などの議論によりKDDIのお客さまが流出するリスクはあるものの、市場の流動の活性化によりお客さまの流入機会が増すことも期待されます。このような機会を逃さず、お客さま基盤の拡大に向けてグループ会社を含むお客さま数 (ID) の拡大を目指します
  • 獲得した5G用の周波数の優位性を活用し、4Gとの共用・ソフトウエアの機能追加・他社との設備共用などにより、さらなる設備投資の効率化を目指します。
  • 5Gについては、2020年3月に商用サービスを開始する予定です。今後さまざまなサービスの「スマホ・セントリック化」が進むとともに、大容量コンテンツの普及による通信データトラフィックの拡大が見込まれる中、このタイミングを好機と捉え、5G時代においても「通信とライフデザインの融合」をより一層推進し、総合ARPAの拡大を目指していきます
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